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債券投資が意味ないと言われる4つの理由について解説!

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この記事のポイント

  • 債券投資は利回りの低さや価格変動リスク、為替変動リスクに注意が必要

  • 低リスクで運用したい人には債券投資が適している可能性がある

  • 債券投資や資産運用の疑問や不明点は専門家に相談するのがおすすめ

「債券投資は利回りが低いから意味がない」といった声を耳にすることがあるかもしれません。
しかし、実際には多くの投資家が個人向け国債などをポートフォリオに組み込んでいます。
債券は、収益の予測がしやすく、比較的安全性の高い投資商品です。また、運用の手間がほとんどかかりません。

リスクを抑えた安定した収益を求める投資家にとって、債券は魅力的な選択肢となるでしょう。
この記事では、債券投資が「意味ない」と言われる理由について詳しく解説します。さらに、債券投資のメリットやどのような人に向いているのかについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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目次

債券投資とは?

債券とは、資金の借り入れを目的として、国や地方公共団体などが発行する有価証券です。債券を購入すると、定期的に利子を受け取り、事前に決められた満期日には額面金額(投資元本)が返ってきます。

債券には、国債、地方債、社債、外国債(ソブリン債やクレジット外債など)、仕組債(リンク債やEB債など)といった、さまざまな種類があります。数万円から購入可能なものも多いです。また、債券ETFは低コストで売買できるため、流動性を重視する投資家にも人気です。

債券投資は収益の予測がしやすく、安全性の高い債券が多いため、多くの投資家がポートフォリオに債券を組み込むことを選んでいます。また、ETFを通じて債券に投資する方法もあり、少額から幅広い債券への分散投資が可能です。

債券の種類

債券は、発行主体、通貨、利払い方式、発行方法、担保など、さまざまな種類があります。
どのような種類があるかを理解することで、自分のニーズや投資目的に合った債券を選ぶことが可能です。

主な債券の種類は以下のとおりです。

●発行主体による種類
・公社債…国債、地方債、政府保証債など。国や地方自治体、政府関係機関などから発行される債券。
・民間債…社債、金融債など。会社や金融機関などから発行される債券。

●通貨による種類
・円建て債券…購入、利払い、償還がすべて円で行われる債券。為替リスクがない。
・外貨建て債券…米ドルやユーロなどの外貨で購入、利払い、償還が行われる債券。為替リスクが伴う。

●利払い方式による種類
・利付債…年2回など、定期的に利子が受け取れる債券。国内債券はほとんどが利付債。
・割引債…発行時に利子相当分が割り引かれる債券。ゼロクーポン債とも呼ばれる。

●発行方法による種類
・新発債…新たに発行される債券。価格と利子があらかじめ設定されている。
・既発債…すでに発行されてセカンダリーマーケット(流通市場)に出回っている債券。価格は時価で売買される。

●担保の有無による種類
・担保付債券…発行体の財産を担保にした債券。
・保証付債券…政府や銀行などが元金と利子の支払いを保証する債券。
・無担保債券…担保や保証がない債券。

債券投資が意味ないと言われる4つの理由

債券投資が意味ないと言われる理由として、利回りの低さ、中途売却による元本割れリスク、金利の影響による価格変動リスク、そして為替変動リスクが挙げられます。

これらの理由を知ることで、リスクやデメリットを理解でき、債券投資が自分に合っているかどうかを判断しやすくなります。また、適切なリスク対策を講じることも可能です。

ここでは、債券投資のデメリット、意味ないと言われる4つの理由について見ていきましょう。

他の投資に比べて利回りが少ない

債券投資が意味ないと言われる理由の1つは、他の投資商品と比べて利回りが低いことです。一般的に、リターンが高い投資はリスクも高く、逆にリスクが低い投資はリターンも低くなる傾向があります。

債券は、保有期間中に利子の支払いを受け、満期が来ると投資元本が戻るため、低リスクで安全性が高い投資と見なされています。しかし、そのためリターンも低いことが多いです。例えば、以下は日本国が発行する「個人向け国債」の利率です。

・変動金利型10年満期:0.57%
・固定金利型5年満期:0.46%
・固定金利型3年満期:0.34%
 ※税引前
 ※令和6年10月7日〜10月31日募集分

利率は1%を下回っています。変動金利型10年満期を10万円分購入しても、年間で得られる利子はわずか570円です。※税金等は考慮していません。運用資産がかなり大きくない限り、個人向け国債で運用しても資産はほとんど増えません。

また、メガバンクの預金金利(普通預金金利は0.1%、定期預金金利は0.125%〜0.4%程度)と比べると、個人向け国債の金利はわずかに高いものの、大きな差はありません。

さらに、JPX(日本取引所グループ)の「株価平均・株式平均利回り」によれば、株式市場の平均利回りは、プライム市場が2.19%、スタンダード市場が2.45%、グロース市場が0.43%となっています。※2024年9月、加重平均利回り

債券の中には、社債や外国債券など、個人向け国債よりも金利が高い商品もあります。

・SBIホールディングス株式会社 第39回無担保社債:1.0%~年1.6% ※仮条件
・ソフトバンクグループ株式会社無担保社債(第59回):2.464%
・米国国債(ストリップス債)米ドル建:4.338%
・ナティクシス 米ドル建債券:4.625%
・スウェーデン輸出信用銀行 豪ドル建債券:4.462%
・フィンランド地方金融公社 NZドル建債券:4.012%
・欧州復興開発銀行 インドルピー建債券:5.115%
・国際復興開発銀行(世界銀行) 南アフリカランド建債券:8.881%
 ※2024年10月15日時点
 ※SBI証券より
 ※参考利回りのため実際とは異なる場合があります。

金利が高い債券はリスクも高くなるため、債券投資に安全性を求める方には向いてないかもしれません。低リスクの債券投資をする際には、リターンが低くなることを考慮する必要があります。
参考:財務省「個人向け国債」

中途売却で元本割れのリスクがある

中途売却による元本割れのリスクは、債券投資が意味ないと言われる理由の一つです。中途売却する際には、価格変動リスクによって元本割れの可能性があるため、注意が必要です。債券の価格は日々変動するため、中途売却時に購入価格より低い価格で売却することになり、元本割れが生じることがあります。

債券は満期を迎えると投資元本が返ってくるため価格変動の影響は受けませんが、中途売却の場合は市場価格の変動の影響を直接受けます。

購入価格と市場価格の関係は以下のとおりです。

・購入価格より市場価格が高い場合…利益が出る
・購入価格より市場価格が低い場合…損失が出る

特に金利が上昇したり、買い手が少なく市場流動性が低下している場合は、債券価格が下がったり、希望の価格で売却できないことがあるため注意が必要です。

一般的に、債券は短期債よりも長期債のほうが価格変動幅が大きくなります。債券を中途売却する際は、価格変動リスクを考慮して、タイミングを見極めたり中途売却するかどうかを判断することが大事です。

また、価格変動リスクだけでなく、為替変動リスクも中途売却時に元本割れを引き起こす可能性があるため、注意してください。※為替変動リスクの詳細については後述します。なお、価格変動リスクとは異なりますが、個人向け国債を中途売却する際には利子が差し引かれるため、気をつける必要があります。

個人向け国債は、年2回利子が支払われ、表面利率は変動金利型10年満期で0.57%、固定金利型5年満期で0.46%、固定金利型3年満期で0.34%です。(税引前、2024年10月7日〜10月31日募集分)

ただし、中途売却時には「直前2回分の利子(税引前)相当額×0.79685」が差し引かれます。金額は大きくないかもしれませんが、中途売却する際には、利子が差し引かれることを理解しておく必要があります。
参考:財務省「個人向け国債」

金利の影響を受けやすい

債券価格の変動に大きな影響を与える要因の一つが金利です。
市場金利が上昇すると債券価格は下落し、逆に金利が低下すると債券価格は上昇します。

●金利と債券価格の関係
・金利上昇…債券価格は下がる
・金利低下…債券価格は上がる

このように、金利の変動によって債券価格が影響を受けるのは、債券の利回りと市場金利とのバランスが要因です。例えば、利率が0.5%の債券があるとします。その後、市場金利が1%に上昇すると、新たに発行される債券は1%の利率で取引されます。

この結果、0.5%の利率で利息を受け取る既存の債券は魅力を失い、価格が下落します。一方、0.5%の債券が発行された後に市場金利が0.3%に低下した場合、新たに発行される債券の金利は0.3%になります。この場合、既存の債券のほうが利率が魅力的なため、価格は上昇します。※わかりやすく金利を単純化しています。

・市場金利が上昇→新たな債券は金利が高く魅力的→既存債券の価格が下がる
・市場金利が低下→新たな債券は金利が低く魅力がない→既存債券の価格が上がる

金利が変動する主な要因は景気の動向です。景気が過熱すれば中央銀行は金利を引き上げ、逆に景気が後退すれば金利は引き下げられるなど、景気に応じて金利が変動します。

ただし、債券を満期まで持ち続ける場合、元本(額面金額)は返却されるため、金利変動による価格変動の影響を受けません。しかし、中途売却を考える場合には、市場価格での取引になるため、金利上昇で価格が下がっているときは売却を避けるのが望ましいです。債券投資を行う際は、金利の動向に注意し、特に金利が上昇する局面では慎重な判断が必要です。

外国債券の場合に為替変動リスクがある

米ドル、ユーロ、豪ドル、ポンド、NZドル、南アフリカランドなどの外貨建て債券(外国債券)を保有する際には、為替変動リスクが伴います。

為替変動リスクとは、為替レートの変動によって、利益や損失が発生する可能性のあるリスクを指します。

・購入時より円安になると…為替差益(利益)が発生
・購入時より円高になると…為替差損(損失)が発生

例えば、米ドル/円のレートが1ドル=100円の時に1万ドル(10000×100=100万円分)の債券を購入したとします。

中途売却時や償還時に1ドル=110円(円安)になっていれば、「10000×110=110万円」となり、10万円の為替差益が発生します。一方、1ドル=90円(円高)になっている場合は「10000×90=90万円」となり、10万円の為替差損が発生します。

中途売却時や償還時に為替変動リスクによって、為替差損が発生する可能性があるため注意が必要です。また、外貨建て債券に限らず、外国株式や投資信託、不動産を購入する際にも、基本的に為替リスクが伴います。

外貨建て債券を保有する場合は為替の状況にも注意を払い、中途売却時や償還時には為替変動リスクによる損益を考慮して、事前にシミュレーションを行うことが大事です。

債券投資のメリット

債券投資のメリットは、次のとおりです。

・預貯金より高い利回りが期待できる
・収益が予測しやすい
・途中で売却することが可能
・運用の手間が少ない
・満期時に額面金額が返ってくる

それぞれの詳細は、以下のとおりです。

●預貯金より高い利回りが期待できる
債券は比較的安全性が高いとされながらも、預貯金より利回りが高い傾向があります。

例えば、三菱UFJ銀行の普通預金金利は0.1%、定期預金は0.125%〜0.4%です。楽天銀行では、普通預金が0.1%、マネーブリッジ利用者向けは0.12%〜0.18%、定期預金は0.105%〜0.25%です。一方、個人向け国債(令和6年10月7日〜10月31日募集分)の利率は、変動金利型10年満期が0.57%、固定金利型3年〜5年満期が0.34%〜0.46%となっています。
銀行に預けるよりも、より多くのリターンを得られる可能性があります。
※金利は税引前
参考:財務省「個人向け国債

●収益が予測しやすい
収益が予測しやすいことも、債券投資の大きなメリットです。債券(利付債)は保有期間中に利子を受け取ることができ、満期になると投資元本が返還されます。例えば、個人向け国債の場合、年に2回(5月と11月)利子が支払われ、変動金利型10年満期では0.57%などと利率が設定されています。いつどれだけの利子を受け取り、投資元本がいつ返ってくるかが、あらかじめわかるため、収益の予測が立てやすいです。
※個人向け国債は令和6年10月7日〜10月31日募集分の場合

●途中で売却することが可能
債券は満期まで待つと投資元本が返ってきますが、満期日以前に売却することも可能です。そのため、急な資金ニーズにも対応できます。ただし、中途売却する場合は価格変動リスクや為替変動リスクが伴い、損失が出て元本割れする可能性もあるため注意が必要です。

●運用の手間が少ない
債券投資のメリットの一つは、運用の手間が少ないことです。中途売却を考えていない場合、購入後は満期まで保有するだけで済みます。その間に利子を受け取り、満期を迎えると額面金額が戻ってきますので、価格変動を常にチェックする必要もありません。

●満期時に額面金額が返ってくる
債券の魅力の一つは、満期になると額面金額が返ってくる点です。株式投資や投資信託では投資後に価格変動による損失が発生する可能性がありますが、債券は満期まで保有していれば額面金額が戻ってきます。

このように、債券投資には多くのメリットがあります。

債券投資が向いている人

債券投資が向いているのは、まとまった資金を安全に運用したい人や、投資する期間を決めている人です。どのような人に向いているかを理解することは、債券投資を始める際の判断材料として役立ちます。

以下では、債券投資に向いている人の特徴を詳しく説明します。

まとまった資金を安全に運用したい人

債券は、株式投資などと比べて価格変動が少なく、元本割れのリスクも低い投資商品です。
特に、発行体が日本国である個人向け国債は、他の債券よりも一層高い安全性が期待できます。そのため、大きなリターンを求めるリスク志向の人向けではなく、まとまった資金を安全に運用したい人にとって、債券投資は魅力的な選択肢となります。

例えば、以下のような考えを持つ人には、債券投資が最適かもしれません。

・退職金を老後の生活資金のために安全性を重視して運用したい
・相続した財産をできるだけリスクを抑えて運用したい
・頑張って貯めたお金を安全かつ銀行預金よりも良い利回りで運用したい
・夫婦の資金を元本割れのリスクが低い商品で運用したい
・リターンが少なくても低リスクの投資商品を選びたい
・株式投資はリスクが高く不安がある
・できるだけ投資資金を減らしたくない

ただし、債券投資にはリスクが伴うことを忘れてはいけません。

特に社債や外国債は利率が高い反面、リスクも大きくなります。信用、価格変動、為替変動リスクなど、さまざまなリスクを考慮して運用する必要があります。債券は一般に安全性の高い商品として知られていますが、中にはリスクの高いものもあるため、その点を理解しておくことが大事です。また分散投資をすることでリスクの軽減ができます。

そうしないと、「安全に運用したい資金を非常にリスクの高い債券に投資してしまった」という事態になりかねません。

まとまった資金を安全に運用したい人には債券投資が向いていますが、投資する際にはリスクとリターンを十分に検討し、自分に合った債券を選ぶことが大切です。

投資する期間を決めている人

債券投資は、投資期間を決めている人に向いている可能性があります。

なぜなら、債券には満期が設定されていて、満期まで保有すれば額面金額が返ってくるからです。そのため、投資期間が具体的に決まっている場合は、その期間に合わせて満期を迎える債券を選ぶことで、運用しながらも必要な資金を適切なタイミングで準備することが可能です。

例えば、「3年間だけ手元資金を運用したい」「5年後にマイホーム購入資金として1,000万円必要なので、それまで運用したい」といった場合、3年満期や5年満期の債券で運用する方法があります。特に、個人向け国債を選べば、安全性をさらに高めることができます。

個人向け国債は、利率は低いですが、日本政府が発行しているためリスクが非常に低く、満期まで保有すれば元本が返ってきます。急に資金が必要になった場合でも、発行から1年経過後であれば中途売却も可能です(直前2回分の利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれます)。

また、株式投資と比べて値動きが小さい傾向があるため、価格が大きく変動して目標金額を下回るリスクを抑えられます。定期的に利子を受け取れる点も魅力です。

このように、債券投資は投資期間が決まっている人にとって、おすすめの資産運用手段の一つです。

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債券投資は意味ないと言われる理由まとめ

債券投資は、他の投資商品に比べてリターンが低いことや、中途売却時に元本割れのリスクがあること、外国債の場合は為替変動リスクが伴うため、「意味がない」と言われることがあります。

確かに、資産形成において大きな利益を狙ったり短期間で資産を増やしたい方には向かないかもしれません。

しかし、債券投資は満期まで保有すれば額面金額が返ってきて、保有中は利子を受け取ることができ、特に個人向け国債は比較的安全性が高いとされています。

リスクを抑えて運用したい方や、投資期間が決まっている方には特におすすめです。

債券投資に興味がある方は、ぜひこの機会にポートフォリオに組み込むことを考えてみてください。ポートフォリオの作成や運用プランに疑問があれば、専門家に相談することをおすすめします。

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大手証券会社・信託銀行出身のメンバーで資産運用に関わる様々な情報を発信。「資産運用の相談窓口」では、株式・債券・投資信託など今までの経験を生かした資産運用に関するあらゆる悩みや疑問を解消し、全てのお客様にマッチした資産アドバイザー(IFA)を紹介することをミッションに掲げている。

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