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資産運用をするなら知っておきたいオルタナティブ投資とは?

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恵比寿不動産 資産コンサルティング事業部

この記事のポイント

  • オルタナティブ投資は伝統的資産とは異なる投資対象資産のこと

  • ポートフォリオに組み入れることで、効率性や安定性を高めることができる

  • オルタナティブ投資には、不動産、コモディティ、デリバティブなどがある

オルタナティブ投資は、上場株式や債券とは異なる相関や特性を持つ資産の総称で、さまざまな投資商品が含まれます。これらをポートフォリオに組み入れることで、収益機会が増え、効率性や安定性を高めることができます。

ただし、オルタナティブ投資は仕組みが複雑で、大きな元手が必要な商品もあるなど、デメリットやリスクを理解しておくことが大切です。

本記事では、オルタナティブ投資の種類、メリット・デメリット、向いている人などについて詳しく解説します。
資産運用やオルタナティブ投資に関心のある方は、ぜひ参考にしてください。

目次

オルタナティブ投資とは?

オルタナティブ投資とは、上場株式や債券などの伝統的資産とは異なる投資対象資産の総称です。「オルタナティブ(alternative)」という言葉には、「代替的な」「代わりの」という意味があります。

代表的なオルタナティブ投資対象には、以下のようなものがあります。

・デリバティブ
・ベンチャー・キャピタル
・ヘッジファンド
・商品ファンド
・農産物・鉱物
・不動産
・インフラストラクチャー
・プライベートエクイティ

オルタナティブ投資は、上場株式や債券などとの収益の相関性が低いため、ポートフォリオに組み入れることで、運用の安定性や効率性を高めることが期待されます。また、流動性は伝統的資産よりも低い傾向がありますが、ハイリスク・ハイリターンな商品も多く、利回りは高めです。

2001年度以降(※)の累積収益額が132.4兆円に達している「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」も、2013年度からはインフラストラクチャー、プライベートエクイティ、不動産などのオルタナティブ資産をポートフォリオに組み込んでいます。2023年3月末時点で、年金積立金全体に対するオルタナティブ資産の割合は1.38%で、時価総額は2兆8,345億円です。

近年、多くの投資家がオルタナティブ投資に注目しており、海外の年金基金でもオルタナティブ資産を取り入れた分散投資が推進されています。
※2001年度〜2023年度第3四半期 参考:GPIF「オルタナティブ資産の運用とは

オルタナティブ投資の種類は?

オルタナティブ投資の代表的なものには、不動産・REIT、ヘッジファンド、コモディティ、デリバティブ、プライベートエクイティ、インフラファンドがあります。

これらの特徴やメリット・デメリットを理解することで、自身の運用方針に適したオルタナティブ投資を選びやすくなり、ポートフォリオを見直す際にも役立ちます。

ここでは、オルタナティブ投資の主な種類について詳しく見ていきましょう。

不動産・REIT

不動産投資やREITも、オルタナティブ投資の一種です。

不動産投資は、マンションやアパートなどの不動産を取得し、第三者に貸し出すことで得る家賃収入(インカムゲイン)と、不動産を売却して得る売却益(キャピタルゲイン)の両方から利益を得ることができます。

不動産投資の主なメリットとデメリットは、以下のとおりです。

・損益通算により所得税や住民税の節税が可能
・相続税対策になる
・生命保険の代わりになる
・インフレに強い
・ローンを利用することで自己資金を抑えた投資が可能

・流動性が低く売却するのに時間がかかる
・管理費や修繕費、固定資産税などがかかる
・空室リスクや災害リスクがある
・取引金額が大きい

また、REIT(Real Estate Investment Trust)は不動産投資信託のことで、多数の投資家から集めた資金で不動産を取得し、運用益を投資家に還元(分配金)する商品です。日本のREITは、「J-REIT」とも呼ばれます。

REITの主なメリットとデメリットは、以下のとおりです。

・少額から投資可能
・証券取引所での売買が可能
・NISAを利用できる
・物件の維持管理に手間がかからない
・プロの投資家が運用する
・複数の物件に分散投資ができる

・実際の不動産を所有できない
・倒産や上場廃止のリスクがある
・災害や価格変動のリスクがある
・金融機関からの融資が利用できない

多くの投資家が、不動産やREITをポートフォリオに組み入れています。また、GPIFは、賃貸住宅、商業施設、物流施設、オフィスなどの不動産ファンドに投資しています。
参考:一般社団法人 投資信託協会「J-REIT(リート)を学ぼう

ヘッジファンド(Hedge Fund)

ヘッジファンド(Hedge Fund)は、複数の投資家から集めた資金をプロの投資家が運用する投資方法です。運用益は、投資家の出資額に応じて分配されます。公募型の投資信託とは異なり、ヘッジファンドは私募形式で出資者を募集します。

ヘッジファンドは主に富裕層を対象としており、最低投資金額は高額です。また、空売りなども行うため、相場が下落しているときでも利益を狙うことができます。

ヘッジファンドは、プライベートバンクや証券会社などを通じて購入できます。
ヘッジファンドの主なメリットとデメリットは、以下のとおりです。

・プロの投資家が運用する
・分散投資がしやすい
・高いリターンが期待できる
・下げ相場でも利益を追求可能

・運用コストが高い
・流動性が低く現金化に時間がかかる
・まとまった投資資金が必要
・一般に公開される情報が少ない

ヘッジファンドへの投資は高いリターンが期待できますが、一般の個人投資家が出資する機会は限られています。

コモディティ(Commodity)

コモディティ(Commodity)は、「商品」という意味があり、貴金属や農産物などの資源・商品への投資のことです。コモディティは大きく「ハードコモディティ」と「ソフトコモディティ」の2つに分けられます。

●ハードコモディティ
・貴金属(金、銀、銅など)
・エネルギー(原油、天然ガスなど)

●ソフトコモディティ
・農産物(大豆、小麦、コーン、砂糖など)
・畜産物(牛肉など)

コモディティの取引は、現物取引、投資信託、ETF、CFDなど、さまざまな方法で行うことが可能です。
コモディティの主なメリットとデメリットは、以下のとおりです。

・インフレに強い
・分散投資がしやすい
・高いリターンが期待できる

・為替リスクがある
・配当金や分配金がない
・商品数が少ない
・値動きの予測が難しい

コモディティは実物資産であるため、インフレ時には価格が上昇しやすい傾向があります。また、値動きが大きいため、短期間で高いリターンが期待できます。

ただし、さまざまな要因で価格が変動するため、値動きの予測は容易ではありません。

デリバティブ(Derivative)

デリバティブ(Derivative)は、「金融派生商品」とも呼ばれ、先物取引、スワップ取引、オプション取引の3つに分類されます。

●先物取引
先物取引は、将来の特定の期日において、あらかじめ決めた価格での売買を約束する取引です。事前に約束した価格で売買できるため、価格変動リスクを軽減できるのが特徴です。
主な商品)日経225先物、商品先物、TOPIX先物

●スワップ取引
スワップ取引は、異なる資産の金利や元本を交換する取引です。変動金利と固定金利を交換する「金利スワップ」、異なる通貨の将来の金利受取額と元本を交換する「通貨スワップ」などがあります。
主な商品)金利スワップ、通貨スワップ

●オプション取引
オプション取引は、将来の特定の期日に特定の商品をあらかじめ決めた価格で売買する権利を取引するものです。権利については、行使するか放棄するかを選択できます。
主な商品)株価指数オプション、通貨オプション

デリバティブの主なメリットとデメリットは、以下のとおりです。

・価格変動リスクを軽減できる
・レバレッジ取引ができる
・夜間でも取引が可能

・多額の損失が発生するリスクがある
・仕組みがわかりにくい

デリバティブ投資はレバレッジを活用することで、少額の資金でも大きな取引が可能です。しかし、その分リスクも高くなるため、注意が必要です。

プライベートエクイティ(Private Equity)

プライベートエクイティ(Private Equity)は、非上場株式(未公開株式)のことです。未上場株式は創業者やその取引先などが保有しており、証券取引所では取引されていません。未公開株式は、その企業が上場することで、多額の利益を得ることが可能です。

プライベートエクイティの主なメリットとデメリットは、以下のとおりです。

・多額の利益を得る可能性がある
・価格変動が少ない
・比較的安価に購入できる

・市場で売買できない
・配当金が出ない場合がある
・倒産のリスクがある
・詐欺の被害に遭うリスクがある

未公開株式は、上場による高いリターンが期待できる点が魅力ですが、市場で売買できないため現金化に時間がかかることがあります。また、企業の倒産リスクや悪徳業者による詐欺被害のリスクもあるため、注意が必要です。

GPIFもプライベートエクイティファンドへの投資を行っています。

インフラファンド(Infrastructure Fund)

インフラファンド(Infrastructure Fund)は、電力や運輸などの公共インフラに投資をして運用し、利益を投資家に還元する仕組みです。インフラファンドの主な投資対象は、以下のとおりです。

・電力インフラ(発電所、送電網など)
・運輸インフラ(空港、鉄道など)
・再生可能エネルギーインフラ(太陽光発電、風力発電など)
・生活インフラ(水道など)

インフラファンドの主なメリットとデメリットは、以下のとおりです。

・少額から投資が可能
・景気の影響を受けにくい
・分散投資がしやすい
・利回りが高い傾向がある

・流動性が低い
・金利上昇リスクがある

インフラファンドは景気の影響を受けにくく、再生可能エネルギーの普及にも貢献できます。
GPIFも再生可能エネルギーや電力、ガス、通信などへのインフラ投資を行っています。

オルタナティブ投資のメリット

オルタナティブ投資のメリットは、投資商品の選択肢が豊富で、収益機会が増え、市場が低迷しても収益が見込めることです。

これらのメリットを把握することで、伝統的資産への投資との違いが明確になり、オルタナティブ投資への理解が深まります。
ここでは、オルタナティブ投資のメリットについて詳しく見ていきましょう。

投資商品が豊富

オルタナティブ投資のメリットの一つは、投資商品が豊富なことです。豊富な選択肢があるため、自身の運用方針や市場動向に合った商品を選ぶことができます。さらに、多様な商品をポートフォリオに組み入れることで、運用の安定性や効率性を高めることが可能です。

オルタナティブ投資の主な商品は、以下のとおりです。

・不動産・REIT
・ヘッジファンド
・コモディティ
・デリバティブ
・プライベートエクイティ
・インフラファンド
・仮想通貨
・投資型クラウドファンディング など

これらの商品は、株式や債券などの伝統的資産との相関が低いため、リスクの分散に役立ちます。選択肢が豊富であることは、オルタナティブ投資の大きな魅力です。

一般の投資家が投資できない商品にも投資できる

個人投資家では難しい商品にも投資でき、収益機会が増えることがオルタナティブ投資のメリットです。

オルタナティブ投資は、デリバティブやプライベートエクイティ(未公開株)、インフラ、不動産など、幅広い商品が対象であり、ファンドを通じて投資することが可能です。
そのため、通常は個人投資家が手を出しにくい商品でも、少額から手軽に投資することができます。

例えば、上場株式や債券に加え、REITや金、インフラなどに投資し、インフレや不況時にも利益を狙いやすくなります。
オルタナティブ投資は、収益機会を広げ、さまざまな相場の局面で利益を期待できる点が魅力です。

市場が低迷していても収益が見込める可能性がある

オルタナティブ投資のメリットの一つは、市場が低迷していても収益が見込める可能性があることです。

オルタナティブ投資には、先物取引、スワップ取引、オプション取引などのデリバティブが含まれています。デリバティブは売りから入ることもできるため、市場が低迷しているときでも利益を狙うことが可能です。

また、投資したファンドが空売りを行う場合もあり、ヘッジファンドは絶対収益を追求するため、どのような相場であっても利益が期待できるのは魅力です。

オルタナティブ投資のデメリット

オルタナティブ投資のメリットだけでなく、デメリットも理解することは大切です。

デメリットも理解することで、リスク対策を講じやすくなります。さらに、オルタナティブ投資が自身に適しているかどうかを見極めることが可能です。

ここでは、オルタナティブ投資のデメリットについて詳しく見ていきましょう。

一般的な投資に比べて仕組みが複雑

オルタナティブ投資のデメリットの一つは、一般的な投資に比べて仕組みが複雑な商品が多いことです。

デリバティブ(先物取引、スワップ取引、オプション取引)やプライベートエクイティ、コモディティ、ヘッジファンド、インフラファンドなど、上場株式や債券投資と比べて、理解が難しい商品が多数存在します。

仕組みが複雑で理解することが難しい場合、その商品のコストやリスクを把握できないことがあります。その結果、適切なリスク管理が難しくなり、損失が出る可能性が高まるため注意が必要です。

そのため、オルタナティブ投資を検討する際には、事前に商品の特性やリスクを十分に理解することが大切です。特性やリスクを理解せずに投資することは、避けた方がよいでしょう。

投資回収までに時間とコストがかかる

投資資金の回収までに時間とコストがかかる場合があることも、オルタナティブ投資のデメリットです。

例えば、プライベートエクイティ(未公開株式)では、企業が上場すれば大きな利益が得られる可能性がありますが、上場までに数年かかることがあります。さらに、上場基準を満たせずに上場できない場合もあります。そのため、利益を得るまでに時間がかかる上、利益を得られる保証もありません。

また、ヘッジファンドは高額な手数料がかかりますし、不動産投資は管理費や管理手数料、修繕費、固定資産税などのコストが発生します。
オルタナティブ投資は、投資資金の回収や利益が出るまでに時間やコストが伴うことを理解して、投資する必要があります。

投資に大きな元手が必要

オルタナティブ投資のデメリットの一つは、投資に大きな元手が必要な商品があることです。例えば、不動産投資はローンを利用できるものの、数千万円〜数億円の投資資金が必要になります。

また、ヘッジファンドは富裕層や機関投資家を主な対象としており、最低投資額が数千万円〜数億円に設定されていることが多いです。

そのため、高額な投資資金を準備できないと、オルタナティブ投資の選択肢が限られてしまいます。

オルタナティブ投資には、1万円など少額から投資できる商品もありますが、一部の商品では大きな元手が必要になることを理解しておきましょう。気になる商品が見つかったら、まず最低投資額を確認することが大切です。

一般的な投資よりもリスクが高い

一般的な投資よりもリスクが高いことも、オルタナティブ投資のデメリットです。例えば、コモディティ、デリバティブ、プライベートエクイティなどのオルタナティブ投資は、通常ハイリスク・ハイリターンとされています。

成功すれば大きな利益を得られますが、失敗すると多額の損失が発生することがあるため注意が必要です。また、価格変動の要因が複雑な商品も多く、投資初心者にとっては相場の予測が非常に難しい場合があります。

そのため、一般的な投資よりもリスクが高いため、事前にリスクを洗い出し、適切なリスク対策や資金管理を行うことが大切です。

オルタナティブ投資に向いている投資家とは?

オルタナティブ投資に向いているのは、資金力がありリスクを分散したい人や、長期的に資産を増やしたいと考える人です。さらに、投資についての知識や経験が豊富な人にも向いている可能性があります。

どのような人に向いているかを理解することで、自身に適した選択肢なのか判断しやすくなります。
ここでは、オルタナティブ投資に向いている人について確認していきましょう。

資金が潤沢でリスク分散をしたい人

資金が潤沢でリスクを分散したい人には、オルタナティブ投資が向いている可能性があります。

理由は、オルタナティブ投資には、デリバティブやコモディティ、REIT、プライベートエクイティなど、さまざまな商品があるためです。ファンドを通じて投資することで、手軽にリスクを分散することも可能です。

また、不動産投資やヘッジファンドなど、大きな元手が必要な商品もあります。オルタナティブ投資はハイリスク・ハイリターンな商品も多く、十分な資金がなければ投資に余裕を持つことが難しいです。

そのため、「投資資金には十分な余裕がある」「さまざまな商品に投資してリスクを分散させたい」といった人には、オルタナティブ投資は適した選択肢となるでしょう。

長期にわたって資産を増やしたい人

長期にわたって資産を増やしたい人も、オルタナティブ投資が適している可能性があります。
プライベートエクイティ(未公開株式)は、企業が上場して利益を得るまで、数年にわたり長期保有することが一般的です。

また、不動産・REITやインフラファンドなども、長期的な視点で運用することが大切です。短期的な売買で利益を得ることも可能ですが、長期的な視点ではより大きなリターンが期待できます。

そのため、「数年〜数十年の長期的な視点で資産を運用したい」「腰を据えてじっくりと投資したい」といった人には、オルタナティブ投資は魅力的な選択肢になるでしょう。

知識と経験が豊富な人

オルタナティブ投資が向いているのは、投資に関する知識や経験が豊富な人です。

なぜなら、先物取引、スワップ取引、オプション取引、コモディティ、プライベートエクイティなど、一般的な投資と比べて、より複雑な商品が多く存在するからです。

また、価格変動の要因が複雑で、初心者にとって価格の動きを予測することが難しいため、オルタナティブ投資は十分な知識や経験、ノウハウを持つ人に向いています。

まとめ

オルタナティブ投資は、伝統的資産とは異なる投資対象資産の総称で、不動産・REIT、ヘッジファンド、コモディティ、デリバティブ、プライベートエクイティ、インフラファンドなど、さまざま商品があります。

これらの商品をポートフォリオに組み入れることで、収益機会を増やし、市場が低迷している状況でも収益を狙うことが可能です。

ただし、投資資金の回収や利益を得るまでに時間とコストがかかる場合や、大きな元手が必要な商品もあります。一般的な投資よりもリスクが高い傾向があるため、リスク管理や資金管理をしっかりと行うことが大切です。

オルタナティブ投資に興味がある方は、まずは少額から始めてみることをおすすめします。

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恵比寿不動産 資産コンサルティング事業部

大手証券会社・信託銀行出身のメンバーで資産運用に関わる様々な情報を発信。「資産運用の相談窓口」では、株式・債券・投資信託など今までの経験を生かした資産運用に関するあらゆる悩みや疑問を解消し、全てのお客様にマッチした資産アドバイザー(IFA)を紹介することをミッションに掲げている。

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