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賃貸マンション売却の完全ガイド|賃貸中・継続との比較・注意点

この記事の監修者

檜垣知宏:宅地建物取引士のアバター

檜垣知宏:宅地建物取引士

この記事のポイント

  • 売却と賃貸継続でそれぞれメリット・デメリットが異なる

  • 賃貸マンションは入居者がいる状態でも空室でも売却可能

  • 売却の際は複数の不動産会社を比較して依頼先を選ぶことが大切

「賃貸マンションの売却はどのように進めればいい?」「売却はしたほうがいい?」と悩んでいる方も多いでしょう。

不動産を売却すれば、まとまった資金を確保でき、管理や修繕などの負担も軽減可能です。
一方で、毎月の家賃収入がなくなる上に、費用や税金が発生する可能性があります。
売却によるメリット・デメリットを理解して比較することが、後悔のない選択につながります。

本記事では、賃貸マンションを売却するメリット・デメリットや売却方法、流れなどについて解説していますので、ぜひ参考にしてください。

目次

賃貸マンションは売却すべき?賃貸継続と比較して判断しよう

賃貸マンションを売るか、賃貸経営を継続するかは、一概にどちらがよいとはいえません。

まとまった資金を確保したい方や管理の負担を減らしたい方には売却が向いている可能性があります。
一方で、安定した家賃収入を得たい方や長期的な資産形成を重視する方には、保有を続けるという選択肢もあります。

売却と賃貸経営の継続には、それぞれ異なるメリット・デメリットがあるため、内容をよく理解して比較した上で総合的に判断することが大事です。
まずは、賃貸マンションを売却する場合と賃貸経営を継続する場合、それぞれのメリット・デメリットについて紹介します。

賃貸マンションを売却する4つのメリット

賃貸マンションを売却する主なメリットは、次の4つです。

■まとまった資金を確保できる
賃貸マンションを売ることでまとまった資金を確保できます。
売却代金を次の賃貸マンション購入資金やマイホーム購入・リフォーム資金、老後資金、教育資金、他の投資などに活用することができます。

■管理や修繕などの負担から解放される
売却して物件を手放すことで、管理や修繕などの負担から解放されます。
管理会社とのやり取りや入居者対応、設備の修繕・管理など、賃貸経営に必要な業務から解放されるため、オーナーとしての負担を軽減できます。

■空室や家賃下落などのリスクを回避できる
築年数が経過すると空室率の上昇や家賃下落といったリスクが高まる傾向があります。
空室率の上昇や家賃の下落が起きると、利益が減るだけでなく赤字に陥る可能性があり、家計や生活設計に影響を及ぼすことも考えられます。
賃貸マンションを売却することで、このようなリスクを回避できるのは大きなメリットです。

■ローン返済の負担を軽減できる
ローンが残っている場合でも、売却代金で完済できれば、毎月の返済負担を軽減もしくは解消することが可能です。
将来のリスクを抑えながら資産を整理することができます。

これらのメリットを踏まえて、売却が自分に合った選択なのかを検討することが大事です。

賃貸マンションを売却する4つのデメリット

賃貸マンションを売却する主なデメリットは、次の4つです。

■毎月の家賃収入がなくなる
賃貸マンションを売ると、これまで得られていた毎月の家賃収入がなくなります。
例えば、毎月10万円の家賃収入がある場合、年間では120万円の収入を失うことになります。
家賃収入を生活費や教育資金、マイホームのローン返済、老後資金などに充てている場合は、売却後の収入計画を事前に考えておくことが大切です。

■売却時に諸費用や税金がかかる
賃貸マンション売却時には仲介手数料や印紙税、抵当権抹消費用などの諸費用がかかります。
また、売却によって利益(譲渡所得)を得た場合は、譲渡所得税などの税金が課税される可能性があります。
譲渡所得税の税率は物件の所有期間によって異なり、所有期間が5年以下の場合は39.63%、5年を超える場合は20.315%です。
売却前に諸費用や税金について確認しておくことが大切です。

■希望価格で売却できるとは限らない
賃貸マンションを売却する際は、必ずしも希望する価格で売れるとは限りません。
不動産市場の動向や物件の立地、築年数、設備の状態などによって売却価格は大きく変わります。
そのため、思ったよりも低い価格で売却しなければならないこともあります。
特に築年数が古い物件や需要の少ないエリアにある物件は買い手が見つかりにくいことがあるため注意が必要です。

■資産価値の上昇や家賃収入を得られなくなる
賃貸マンションを売却すると、その後の家賃収入を得ることはできません。
また、売却後に不動産価格が大きく上昇したとしても、恩恵を受けられないため注意が必要です。
目先の資金確保だけで判断するのではなく、長期的な資産形成やライフプランも踏まえて検討することが大事です。

メリットだけでなく、デメリットも理解した上で最適な選択肢かどうかを判断しましょう。

※参照:国税庁|譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)

賃貸経営を継続する4つのメリット

賃貸経営を継続する主なメリットは、以下の4つです。

■毎月安定した家賃収入を得られる
賃貸経営を続けるメリットは、毎月安定した家賃収入を得られることです。
空室が少なく入居者を継続的に確保できれば、長期にわたって安定した収益が見込めます。
毎月の家賃収入は、生活費や教育資金、老後資金、他の投資などに活用することが可能です。

■将来的な資産価値の上昇を期待できる
賃貸マンションを保有し続けることで、将来的に資産価値が上昇した場合には、購入時より高い価格で売却できる可能性があります。
まとまった利益が入れば、新たな賃貸マンションの購入資金や他の投資資金としても活用することも可能です。
特に需要の高いエリアにある物件は、資産価値が上昇することも少なくありません。

■節税につながる可能性がある
賃貸マンション経営では、減価償却費や修繕費、管理費などを必要経費として計上できるため、所得税や住民税の負担を軽減できる場合があります。
損益通算を利用できる場合は、不動産所得の赤字を他の所得と相殺でき、課税所得が抑えられることで税負担の軽減につながる可能性があります。

■インフレ対策として資産を保有できる
不動産はインフレに強い資産といわれています。
物価の上昇に合わせて家賃を引き上げられる可能性があるためです。
また、不動産価格自体が上昇する場合もあるため、現金と比べて資産価値を維持しやすいとされています。

賃貸経営を継続することで得られるメリットについて、理解しておきましょう。

※参照:国税庁|損益通算

賃貸経営を継続する4つのデメリット

賃貸経営を継続する主なデメリットは、以下の4つです。

■空室や家賃下落によって収益が悪化するリスクがある
賃貸経営を継続する場合、空室や家賃の下落によって収益が減少するリスクを常に抱えることになります。
入居者を確保できない場合は、家賃収入は0円です。
家賃が入らない間もローン返済や管理費、固定資産税などの支払いは続くため、収支が悪化する可能性があります。

■修繕費や設備交換などの維持費がかかる
賃貸マンションを保有し続ける場合、建物が老朽化することで、修繕や設備の交換、リフォーム・リノベーションなどで多額の費用がかかる可能性があります。
給湯器やエアコンの交換、外壁の塗装・修繕、防水工事、大規模修繕などは高額になることもあるため、計画的に修繕資金を積み立てておくことが大切です。

■入居者対応や管理業務の負担が発生する
賃貸経営を続けると、入居者からの問い合わせや設備トラブルへの対応、家賃滞納、退去時の原状回復など、さまざまな管理業務が発生します。
管理会社に運営を委託している場合でも、オーナーは重要な判断を求められることがあるため負担やストレスを感じることがあります。

■資産価値が下落する可能性がある
賃貸経営を続ける中で不動産市場や周辺環境の変化によって、物件の資産価値が下落する可能性もあるため注意が必要です。
例えば、売却をせずに保有を続けていた結果、不動産市況の悪化などで1年後には売却価格が1〜2割下落してしまうことも考えられます。

賃貸経営を継続するメリットだけでなくデメリットも理解し、賃貸マンションを売却するか保有し続けるかを判断しましょう。

賃貸マンションを売却するかどうかの判断基準5つ

賃貸マンションを売るか、賃貸経営を継続するかは、物件の状況や目的などによって判断が異なります。

売却すればまとまった資金を確保できる一方で、保有し続ければ安定した家賃収入が期待できるため、自分にとってどちらが良い選択肢なのかを見極めることが大切です。

判断する際は、ローンの残債や将来的な利用予定、築年数、周辺エリアの賃貸需要、売却益と家賃収入の比較など、さまざまなポイントを確認することが重要です。

ここでは、賃貸マンションを売却するかどうかを判断する際に確認しておきたい5つの判断基準について紹介します。

ローンの残債額で判断する

賃貸マンションを売却するかどうかを判断する際は、ローン残高を確認しましょう。
なぜなら、売却価格とローン残高のバランスによって、その後の手続きや対応が大きく変わるためです。

・オーバーローン(売却価格<ローン残高)
売却代金だけではローンを完済できない状態です。
ローンを完済できない場合は物件の抵当権を外すことができないため、不足分を自己資金などで補う必要があります。

・アンダーローン(売却価格>ローン残高)
売却代金でローンを完済できる状態です。
手元に残った資金は、次の物件の購入資金や引越し費用などにも活用できます。

ローン残高を確認することで、より具体的な資金計画を立てることができます。

将来的にその物件に住む予定があるか

将来的に自分や家族がその賃貸マンションへ住む予定があるかどうかも、売却を判断する際のポイントの一つです。

例えば、

・転勤が終わった後に自宅として利用したい
・子どもが独立した後の住まいとして活用したい
・立地が良いため将来的に一人暮らしをしたい
・子どもや親族へ相続する資産として残したい
・セカンドハウスや老後の住まいとして利用したい

などの考えがある場合は、売却せずに保有したほうがよい可能性があります。

一方で、今後住む予定がなく家族へ相続する予定もない場合は、売却して資産を現金化するという選択肢もあります。
築年数が経過すると、家賃収入や売却価格が下がる可能性があるため、将来的な利用予定がないのであれば、早めに売却したほうが有利になることも少なくありません。

現在の状況だけでなく、将来のライフプランや家族構成の変化も考慮して判断することが大切です。

物件の築年数と設備の老朽化具合

物件の築年数や設備の老朽化具合も、売却するかどうかを判断する際に確認しておきたいポイントです。

築年数が10年、20年、30年と経過するにつれて、給湯器やエアコン、キッチン、浴室、トイレ、洗面台などの設備は交換や修理が必要になる可能性が高まります。

また、外壁塗装や屋上防水工事、外構工事など、大規模修繕が必要になることも少なくありません。
設備の交換や建物の修繕には、多額な費用がかかることもあるため注意が必要です。

修繕費が増えるだけでなく、築年数の経過によって家賃が下落したり、空室期間が長引いたりする可能性もあります。
このような築年数の経過や老朽化によるリスクを避けたい場合は、早めに売却を検討するのも一つの方法です。

今後必要となる修繕費や見込まれる家賃収入、資産価値などをシミュレーションして、保有を続けるメリットがあるかどうかを見極めることが大切です。

周辺エリアの賃貸需要と空室リスク

賃貸マンションを売却するかどうかを判断する際は、周辺エリアの賃貸需要や空室リスクもポイントの一つです。

例えば、人口が増加している地域や駅近など利便性の高いエリアは、賃貸需要が高く入居者を確保しやすい傾向があります。
空室リスクも抑えやすいため、長期にわたって安定した家賃収入が期待できるでしょう。

一方で、人口が減少している地域や賃貸需要が低いエリアでは、家賃を下げなければ入居者が決まらなかったり、空室期間が長引いたりする可能性があるため注意が必要です。

空室が続くと家賃収入を得られず、ローン返済や管理費、維持費などを自己資金で負担しなければならなくなり、経営が悪化するリスクも高まります。
売却するか保有を続けるか迷った場合は、周辺の家賃相場や空室率、人口動向なども確認して、今後も安定した賃貸需要が見込める物件かどうかを判断することが大切です。

売却益と今後の家賃収入を比較検討する

賃貸マンションを売却するか迷ったときは、売却によって得られる利益と、今後も保有した場合に見込める家賃収入を比較して判断することも大切です。

例えば、不動産価格が高騰していて、売却によって得られる利益が今後の家賃収入を上回ると見込まれる場合は、売却して利益を確定したほうが有利な可能性があります。

一方で、空室が少なく、今後も安定した家賃収入が期待できる物件であれば、長期的には売却益を上回る収益を得られることも考えられます。
比較する際は、家賃収入だけで判断するのではなく、次のような費用やリスクも含めてシミュレーションしましょう。

・ローン返済額
・修繕費・設備交換費用
・管理費・管理委託費
・固定資産税・都市計画税
・仲介手数料
・譲渡所得税
・空室リスク
・家賃下落リスク
・資産価値下落リスク など

短期的な利益だけで判断するのではなく、長期的な視点で自分にとって有利な選択を検討しましょう。

賃貸中マンションの売却方法は3種類

賃貸中のマンションを売却する場合、入居者がいる状態のまま売却する「オーナーチェンジ」、入居者の退去後に空室として売却する方法、現在の入居者本人に購入してもらう方法などがあります。

それぞれで売却の進め方やメリット・デメリットが異なるため、しっかりと理解した上で物件の状況や希望条件に合った方法を選ぶことが大切です。

ここでは、賃貸中マンションを売却する3つの方法について紹介します。

入居者が住んだまま売る「オーナーチェンジ」

賃貸中のマンションを売却する方法の一つが、入居者が住んだまま売却する「オーナーチェンジ」です。

オーナーチェンジとは、現在の入居者との賃貸借契約をそのまま引き継いだ状態で、物件の所有者が変わる売却方法です。
購入者は新たなオーナーとなり、これまでと同じように家賃収入を得ることになります。
オーナーチェンジの主なメリット・デメリットは次のとおりです。

■メリット
・入居者に退去してもらう必要がない
・売却が完了するまで家賃収入を得られる
・買主は購入後すぐに家賃収入を得られる
・空室にするための手間や費用が発生しない

■デメリット
・買主は購入前に内覧ができない
・買主はすぐにリフォームができない
・購入者が投資検討者に限定される
・空室より価格が安くなる場合がある。

オーナーチェンジでは、入居者に退去してもらう必要がないため、退去交渉や空室にするための準備が必要ありません。
入居者がいる状態のまま売却活動を進められるため、スピーディーに取引が進む可能性があります。

また、買主は購入後すぐに家賃収入を得られるため、投資用物件を探している人たちから一定の需要が期待できます。
一方で、買主は購入前に内覧をしたり、リフォームの計画を立てたりすることが難しくなることはデメリットです。

入居者の退去後に空室として売る

賃貸中のマンションを売却する方法として、入居者が退去した後に空室の状態で売却する方法もあります。
入居者の退去後に空室として売る主なメリット・デメリットは、次のとおりです。

■メリット
・買主が室内を内覧した上で購入を判断できる
・購入後すぐにリフォームやリノベーションを行える
・居住用として購入したい人にも販売しやすい
・室内の状態や魅力をアピールしやすい

■デメリット
・入居者が退去するまで売却を進められない
・立ち退き交渉が必要になることがある
・空室期間中も維持費が発生する
・退去後に修繕費用が必要になる場合がある

空室状態で売却するメリットは、購入者の選択肢が広がりやすく、オーナーチェンジよりも高値で売却できる可能性があることです。

特に駅近や人気エリアにある物件は、投資用としてだけでなく、実際に住むことを目的とした購入希望者からも需要が見込めます。
一方で、入居者へ退去を依頼する必要があるため、タイミングによってはすぐに売却できない可能性があります。
立ち退き交渉などが必要になる場合もあるため、慎重に進めることが大切です。

現在の入居者本人に買い取ってもらう

賃貸中マンションの売却方法として、現在住んでいる入居者本人に購入してもらう方法もあります。

入居者本人に買い取ってもらう主なメリット・デメリットは、次のとおりです。

■メリット
・購入希望者を探す手間や販売活動の負担を減らせる
・買主は物件や環境を把握しているため交渉がスムーズに進みやすい
・売主は売却に伴う費用や手間を軽減できる
・室内を把握しているため、引き渡し後の設備トラブルなどが少ない

■デメリット
・入居者に購入資金がなければ売買が成立しない
・価格交渉や値引きを求められる可能性がある

入居者がその物件を気に入っていて購入したいと考えている場合は、売主・買主双方にとってメリットのある取引になる可能性があります。

入居者本人に売却する大きなメリットは、一般的な売却のように購入希望者を探す必要がない点です。
入居者はすでに物件の間取りや設備の状態、周辺環境などを把握しているため、売却交渉が進みやすいケースもあります。

一方で、入居者が住宅ローンの審査に通らない場合や購入意思がない場合は、この方法での売却は難しくなります。
また、現在住んでいる物件であることを理由に価格交渉や値引きを求められる可能性がある点もデメリットです。

【7ステップ】賃貸マンションの売却手続きと流れを解説

賃貸マンションの売却に伴い、売却相場の確認や不動産会社への査定依頼、媒介契約の締結、売却活動、引き渡しなど、さまざまな手続きを進める必要があります。

また、賃貸中のマンションでは、オーナー変更に伴う入居者への通知や賃貸借契約の引き継ぎなど、居住用マンションの売却とは異なる対応が必要になります。
売却をスムーズに進めるためには、事前に全体の流れを把握して計画的に準備しておくことが大切です。

ここでは、賃貸マンションを売却する際の流れを7つのステップで紹介します。

ステップ1:売却相場を調査し不動産会社に査定を依頼する

まずは、現在の市場価格や売却相場を把握することから始めましょう。
周辺エリアで同じような条件のマンションがどの程度の価格で取引されているのかを確認することで、売却価格の目安を知ることができます。

売却相場を調べる際は、不動産ポータルサイトに掲載されている物件情報や過去の取引事例などを参考にする方法があります。
ただし、収益用不動産は居住用マンションとは異なり、家賃収入や利回り、入居状況なども価格に影響するため、正確な売却価格を知るには不動産会社へ査定を依頼することが重要です。

不動産会社では、物件の立地や築年数、間取り、設備の状態、家賃収入、周辺エリアの賃貸需要など、さまざまな要素から判断して査定額を算出します。

査定を依頼する際は、1社だけでなく複数の不動産会社へ相談することがおすすめです。
査定価格だけでなく、収益不動産の売却実績や担当者の対応、売却戦略なども比較して、信頼できる不動産会社を選ぶことが大事です。

ステップ2:不動産会社と媒介契約を締結する

査定結果や不動産会社の対応を比較して売却を依頼する会社を決めたら、媒介契約を締結します。
媒介契約には、以下の3種類があります。

媒介契約内容
専属専任媒介契約・1社のみと契約
・売主自身で買主を探して直接取引は不可
・不動産会社から1週間に1回以上報告あり
専任媒介契約・1社のみと契約
・売主自身で買主を探して直接取引は可能
・不動産会社から2週間に1回以上報告あり
一般媒介契約・複数の不動産会社と契約可可能
・売主自身で買主を探して直接取引は可能
・不動産会社からの報告義務はなし

例えば、人気エリアで需要が高い物件の場合は、複数の不動産会社に依頼できる一般媒介契約を選ぶことで、幅広い購入希望者へアプローチできる可能性があります。

一方で、駅から遠いなどで売却に時間がかかる可能性がある場合は、専属専任媒介契約や専任媒介契約を利用して、1社の不動産会社と密に連携しながら売却を進める方法もあります。

不動産会社の実績や対応力も確認した上で判断しましょう。

ステップ3:売却活動を開始する

媒介契約を締結した後は、不動産会社による売却活動が開始されます。
具体的には、インターネット広告や専門サイトなどへの掲載、購入希望者への紹介、投資家への営業活動などを行い買主を探していきます。

売却活動では、物件そのものの魅力だけでなく、収益性をアピールすることが重要です。
家賃収入や表面利回り、入居状況、管理状況などの情報が購入判断の材料になります。
そのため、これまでの賃貸情報をまとめた「レントロール」や「評価証明書」などを提示することもあります。

売却活動中は、不動産会社から活動状況の報告を受け、問い合わせ件数や購入希望者からの反応をしっかりと確認することが大切です。
問い合わせが少ない場合や売却に時間がかかっている場合は、売出価格や販売方法を見直すことも重要になります。

ステップ4:購入希望者と条件交渉を行う

購入希望者が見つかったら、売却価格や引き渡し条件などについて交渉を行います。

通常、購入希望者との交渉は不動産会社が仲介して進めるため、売主が直接対応する必要はありません。
不動産会社が間に入り、購入希望者から提示された価格や条件をもとに、売主・買主双方が納得できる内容になるよう調整します。

ただし、重要な条件の確認や最終的な売却判断を行うのは売主自身です。
不動産会社に任せきりにするのではなく、提示された条件が自分にとって適切かどうかを確認することが大切です。

購入希望者から価格交渉を求められることもありますが、安易に応じるのではなく、周辺の売却相場や物件の収益性を踏まえて判断しましょう。
また、売却条件を決める際は、ローン残債や売却にかかる諸費用なども考慮し、売却後にいくら手元に残るのかを確認した上で決めることが大事です。
不動産会社と密に連携しながら、納得できる内容で交渉を進めましょう。

ステップ5:買主と売買契約を締結する

購入希望者との条件交渉がまとまり売却条件に合意したら、買主と売買契約を締結します。
売買契約では、売却価格や引き渡し日、契約条件、物件の状況などを正式に取り決めます。

契約書や重要事項説明書は不動産会社が作成しますが、内容を十分に確認した上で署名・押印することが大切です。
契約内容を理解しないまま手続きを進めると、後々トラブルにつながる可能性があります。

また、売買契約時には、買主から手付金を受け取ることが一般的です。
手付金の金額は売買代金の5〜10%程度が目安とされていて、契約後にキャンセルが発生した場合の取り扱いについても事前に確認しておきましょう。
さらに、契約時には不動産会社へ仲介手数料の半額を支払うのが一般的です。

仲介手数料の上限額:「売買価格×3%+6万円+消費税 ※速算式」

売買契約は、売却を正式に進める重要な手続きです。
少しでも不明点があれば、不動産会社へ確認して進めるようにしましょう。

※参照:e-Gov|宅地建物取引業法

ステップ6:決済と物件の引き渡しを行う

売買契約の締結後、必要な手続きを進め、決済と物件の引き渡しを行います。
決済日には買主から売却代金を受け取り、鍵や書類を渡し、所有権移転登記などの手続きを行います。

住宅ローンが残っている場合は、売却代金などを充ててローンを完済して抵当権を抹消する必要があるため、事前に金融機関へ相談してローン残高を確認しておくことが大切です。

また、決済時には仲介手数料や登記関連費用などの諸費用の支払いも発生します。
売却代金がそのまま手元に残るわけではないため、必要な費用を把握しておくことが重要です。

賃貸中マンションでは、物件の所有者が変わると、入居者との賃貸借契約や管理に関する内容も新しいオーナーへ引き継がれます。

ステップ7:入居者へオーナー変更の通知書を送付する

賃貸中マンションの売却に伴い、入居者へオーナー変更の通知を行います(賃貸借契約上の地位の承継)。
通知書には、主に以下の内容が記載されます。

・オーナーが変わったこと
・オーナー変更日や今後の手続き
・家賃の振込先・名義に変更があるかどうか

なお、賃貸借契約は原則として新しいオーナーへ引き継がれるため、オーナーが変わったことだけを理由に入居者が退去する必要はありません。

オーナー変更後のトラブルを防ぐためにも、不動産会社や管理会社と連携して、通知書の送付や家賃の振込先変更など、必要な手続きを漏れなく進めます。

賃貸マンションの売却価格はどう決まる?査定方法と相場の調べ方

賃貸マンションの売却価格は、家賃収入などの収益性に加え、周辺の取引事例や市場動向など、さまざまな要素を考慮して査定されます。

事前に相場や査定方法を理解しておくことで、査定額が適正かどうかを判断しやすくなるため、納得のいく価格で売却できる可能性が高くなるでしょう。

ここでは、賃貸マンションの査定で用いられる代表的な査定方法と、自分で売却相場を調べる方法について紹介します。

投資用物件で用いられる「収益還元法」とは

収益還元法とは、賃貸マンションが将来生み出す家賃収入や利益をもとに売却価格を算出する査定方法です。
「どれだけ収益を生み出せるか」という収益性に着目して評価するもので、収益不動産の査定で広く用いられている方法です。
収益還元法には「直接還元法」と「DCF法」の2種類があります。

直接還元法「年間の利益÷還元利回り」で算出。不動産業界で最も一般的に採用されている
DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)物件の保有期間中に得られる家賃収入などの利益と、将来の売却価格を現在価値に割り引いて合計し物件価格を算出する方法。

収益還元法はポピュラーな査定方法であり、多くの不動産会社がこの方法を用いて売却価格を算出しています。

近隣の類似物件から算出する「取引事例比較法」

取引事例比較法とは、近隣で売買された類似物件の取引事例をもとに、売却価格を算出する査定方法です。

立地や築年数、専有面積、間取り、設備などが似ている物件の事例を比較して、それぞれの違いを調整した上で売却価格を算出します。
実際の売買価格を参考にするため、市場価格を反映しやすいのが特徴です。

ただし、投資用マンションでは物件の収益性も重要な判断材料となるため、収益還元法と組み合わせて総合的に評価されることが一般的です。

また、周辺エリアの取引事例が少ない場合や築浅・高級物件など比較対象となる物件が少ない場合は、査定額に幅が生じることがあります。

自分でできる賃貸マンションの売却相場の確認方法

賃貸マンションの売却相場は、不動産会社に査定を依頼する前でもある程度調べることが可能です。

例えば、不動産ポータルサイトで近隣の売り出し価格を確認したり、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」や不動産流通機構の「レインズ・マーケット・インフォメーション」などで実際の成約価格を調べたりする方法があります。

また、チラシや情報誌に掲載されている収益不動産の情報も参考になります。
同じエリアにある築年数や専有面積、利回りなどの条件が近い物件と比較すると、より実態に近い価格を把握することが可能です。

ただし、売り出し価格と実際の成約価格には差がある場合も多いため、相場の確認はあくまで目安として捉えることが大事です。
より正確な売却価格を知りたい場合は、複数の不動産会社へ査定を依頼することをおすすめします。

賃貸マンションをより高く売却するための5つのコツ

賃貸マンションを売るのであれば、できるだけ高い価格で手放したいと考える方が多いでしょう。
しかし、高値で売却するためには、ただ売り出すだけではなく、不動産会社の選び方や売却のタイミング、販売方法などを工夫することが大切です。

また、物件の収益性や管理状況などの魅力を、購入希望者へわかりやすく伝えられるよう準備しておくことも重要です。
ここでは、賃貸マンションを少しでも高く売却するために押さえておきたい5つのコツを紹介します。

複数の不動産会社へ査定を依頼して比較する

賃貸マンションを少しでも高く売却するためには、複数の不動産会社に査定を依頼することが大切です。

不動産会社によって査定方法や得意とする物件・エリア、保有している購入希望者の情報などが異なるため、同じ物件でも提示される査定額に数百万円の差が出ることがあります。

1社だけに査定を依頼すると、査定額が適正かどうか判断しづらく、相場より低い価格で売却してしまう可能性もあるため注意が必要です。
複数社の査定結果を比較することで、物件の市場価値や適正な売却価格を把握しやすくなります。

ただし、最も高い査定額を提示した会社を選べばよいとは限りません。
契約獲得を目的として、実際に売却できる価格より高い査定額を提示する会社もあるためです。
そのため、査定額だけでなく、価格の根拠や販売戦略、担当者の対応なども確認しましょう。

複数社を比較して信頼できる会社へ依頼することが、高値売却につながります。

投資用不動産の売却実績が豊富な会社を選ぶ

賃貸マンションを少しでも高く売却したい場合は、投資用不動産の売却実績が豊富な不動産会社を選ぶことも大事です。

投資用不動産は、一般的な居住用不動産とは異なり、主な購入者は投資家です。
そのため、売却する際には立地や設備だけでなく、家賃収入や利回り、入居状況、将来的な収益性などを適切にアピールする必要があります。

投資用不動産の売却経験が少ない会社の場合、収益物件の販売ノウハウや投資家とのネットワークが不十分なため、希望する価格で売却できない可能性があるため注意が必要です。

投資用不動産の取引実績が豊富な会社であれば、物件の収益性を正しく評価して購入希望者へ効果的にアプローチできるため、高値での売却が期待できます。
実績が豊富で賃貸マンションの特徴を理解している会社へ依頼することが、高値売却を実現するための大切なポイントです。

売却活動の報告をこまめに行う担当者を見つける

賃貸マンションをより高く売却するためには、売却活動の状況をこまめに報告してくれる担当者を選ぶことも重要です。

売却活動では、問い合わせ件数や購入希望者の反応に応じて販売戦略を見直す必要があります。
例えば、問い合わせが少ない場合は販売価格が相場と合っていない可能性があります。

一方、問い合わせが多く成約に至らない場合は、物件情報の見せ方や販売条件、営業アプローチなどに改善の余地があるかもしれません。

活動状況をこまめに報告してくれる担当者であれば、市場の反応を踏まえながら、価格の見直しや販売方法の変更などを適切なタイミングで行うことができます。

また、売主も売却活動の進捗を把握でき、安心して任せることが可能です。
反対に、連絡がほとんどない担当者では、活動状況がわからず不安な上に、適切な対応が遅れる可能性があります。
担当者と密に連携しながら売却活動を進めることが、高値売却につながります。

売却に適したタイミングを見極める

賃貸マンションを高く売却するためには、不動産市場の動向や物件の状態を踏まえ、売却のタイミングを見極めることが大切です。

不動産価格は、景気や金利、地域の需要、周辺環境などさまざまな要因によって変動するため、市場環境が良い時期であれば、高値で売却できる可能性があります。

ただし「最も高く売れる時期」を正確に予測することは難しいため、市場動向だけでなく、修繕費や空室リスク、今後の家賃収入なども含めて総合的に判断することが大切です。

また、売却益が発生する場合は、所有期間が5年以下か5年超かによって譲渡所得税率が異なります。
所有期間が5年以下の場合は39.63%、5年を超える(6年目以降)場合は20.315%となるため、税負担も考慮して売却時期を見極めましょう。

なお、不動産の売却には一般的に3ヶ月程度かかるといわれていますが、場合によっては1年以上かかることもあるため余裕を持って進めることが大事です。

物件の魅力を最大限に伝える資料を準備する

賃貸マンションを高く売却するためには、購入希望者に物件の魅力を最大限に伝える資料を準備することが重要です。
投資家は、立地や築年数だけでなく、家賃収入や入居状況、利回り、管理状況、将来の収益性などを総合的に判断して購入を検討します。

主な資料は、次のとおりです。

・現在の賃貸借契約書
・レントロール(入居状況・家賃などの一覧表)
・過去の修繕履歴がわかる資料
・管理費や修繕積立金などの維持費に関する資料
・周辺環境や賃貸需要に関する情報

「入居率が高い」「安定した家賃収入」「過去に適切な修繕を行っている」といった情報は、購入希望者にとって大きな判断材料になります。

物件の魅力を十分に伝えることができれば、高値で売却できる可能性があります。

賃貸マンション売却にかかる費用と税金の全知識

賃貸マンションを売却する際は、売却価格だけでなく、仲介手数料や登記費用、税金などの諸費用についても事前に把握しておくことが大切です。
諸費用を考慮せずに売却すると、想定していたよりも手元に残る金額が少なくなる可能性があります。

また、売却益には譲渡所得税が課税されるため、売却後に慌てないよう税額の目安を確認しておくことが重要です。
ここでは、売却の際にかかる主な費用や譲渡所得税の計算方法について紹介します。

売却時に必要となる仲介手数料などの諸費用一覧

賃貸マンションを売却する際は、売却代金をそのまま受け取れるわけではありません。
仲介手数料や税金、登記費用など、さまざまな費用が発生するため、事前に確認しておくことが大切です。

主な費用は、次のとおりです。

仲介手数料不動産会社に支払う成功報酬。上限額は「売買代金×3%+6万円+消費税」※速算式
印紙税売買契約書などの課税文書にかかる税金。税額は契約金額によって異なる。
登録免許税登記手続きにかかる税金。抵当権抹消登記は不動産1件につき1,000円。
司法書士手数料司法書士へ登記手続きを依頼する際にかかる費用。金額は司法書士によって異なる。
譲渡所得税売却益(譲渡所得)が発生した場合にかかる税金。税率は所有期間によって異なる。
ハウスクリーニングや修繕費空室で売却する場合などに室内の清掃や修繕を行うための費用。

例えば売買代金が4,000万円の場合、上限額は「126万円+消費税」となります。

物件の状況によって発生する費用は異なることもあるため、不動産会社へ事前に確認して、売却にかかる諸費用を把握しておきましょう。

※参照:国税庁|登録免許税の税額表
国税庁|譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)
国税庁|印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで

売却益にかかる譲渡所得税の計算方法

賃貸マンションを売却して利益が出た場合は、譲渡所得税が課税されます。
譲渡所得税の税率は、不動産の所有期間によって異なります。

・所有期間5年超(長期譲渡所得):税率20.315%
・所有期間5年以下(短期譲渡所得):税率39.63%

また、譲渡所得税の計算方法は次のとおりです。

【計算方法】
①課税譲渡所得額を算出する
課税譲渡所得額:売却代金−(取得費+譲渡費用)−特別控除額
※「取得費」:購入代金や購入時の手数料
※「譲渡費用」:売却時にかかった費用
※減価償却費は差し引いて計算

②譲渡所得額を算出する
譲渡所得額:課税譲渡所得額×税率

不動産会社に相談して、事前に譲渡所得税の目安をシミュレーションしておきましょう。

※参照:国税庁|譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)
国税庁|譲渡所得の計算のしかた(分離課税)

事業用資産の売却における税金の特例について

「事業用資産の売却における税金の特例」は、一定の条件を満たして新たな事業用資産へ買い換えた場合に利用可能な税制上の特例です。

特例が適用されると、売却によって生じた譲渡所得の80%について課税を将来へ繰り延べることができるため、売却時の税負担を抑えて買い換えに必要な資金を確保しやすくなります。

例えば、譲渡所得が1,000万円発生した場合、課税対象となるのは20%にあたる200万円のみで、残りの800万円については課税が将来へ繰り延べられます。※一部の地域では税率が異なる場合があります。

利用を検討する場合は、不動産会社や税理士へ相談して、自身のケースで適用できるか事前に確認しておきましょう。

※参照:国税庁|事業用の資産を買い換えたときの特例

入居者がいる賃貸マンションを売却する際の3つの重要注意点

入居者がいる賃貸マンションは、居住用マンションとは異なり、売却時に押さえておくべき注意点があります。

例えば、入居者の権利は法律で保護されているため、売却を理由に一方的に退去を求めることはできません。
また、オーナーチェンジでは、敷金の引き継ぎや家賃の精算など、適切に対応すべき手続きもあります。

これらを理解せずに売却を進めると、売主・買主・入居者の間でトラブルに発展する可能性があるため注意が必要です。
ここでは、入居者がいる賃貸マンションを売却する際の3つの注意点について紹介します。

入居者を強制的に退去させることはできない

賃貸中のマンションを売却する際は、売却を理由に入居者を強制的に退去させることはできません。

賃貸借契約は原則として新しいオーナーへ引き継がれるため、所有者が変わっても入居者は契約内容に従ってそのまま住み続けることができます。
そのため、オーナーチェンジで売却する場合は、現在の契約を前提として購入希望者を探すことになります。

また、空室で売却したい場合でも、オーナーの都合だけで入居者に退去を求めることは基本的にできません。
家賃の長期滞納や契約違反、近隣への迷惑行為などの正当事由がなければ、強制退去・立ち退きを求めることは難しいです。

売却方法を検討する際は、賃貸借契約の内容や入居者の状況を事前に確認して、不動産会社とも相談しながら進めるようにしましょう。

敷金は新しいオーナーへ正確に引き継ぐ必要がある

賃貸マンションをオーナーチェンジで売却する場合は、入居者から預かっている敷金と返還義務を新しいオーナーへ適切に引き継ぐ必要があります。

賃貸借契約は売却後も継続するため、入居者が退去する際の敷金返還は新オーナーが行います。
そのため、売買契約では敷金の金額や精算方法を明確に定めて、売却代金とあわせて適切に精算することが大切です。

引き継ぎが不十分だと、入居者が退去する際に敷金返還を巡って売主・買主・入居者の間でトラブルになる可能性があります。
また、賃貸借契約書や入居時の敷金額、預り金の記録なども新オーナーへ漏れなく引き継ぐことが重要です。

売却後に問題が生じないように、不動産会社に確認しながら手続きを進めることをおすすめします。

家賃の精算は引き渡し日を基準に日割り計算する

賃貸マンションを売却する際は、家賃収入について、引き渡し日を基準に日割り精算するのが一般的です。

例えば、1ヶ月分の家賃を売主がすでに受け取っている場合でも、引き渡し日以降に相当する家賃は買主へ引き継ぐことになります。

また、管理費や共益費などについても同様に日割りで精算するケースが多いため、売買契約を締結する前に精算方法を確認し、資金計画を立てておくことが大切です。
取り決めが曖昧なままだと、引き渡し後に売主と買主の間でトラブルになる可能性があります。

実績が豊富な不動産会社であれば、家賃や管理費の精算方法について丁寧に説明し、契約内容も適切に調整するため、安心して売却手続きを進められるでしょう。

賃貸マンションの売却に関するよくある質問

賃貸マンションの売却を検討する際に「売却と賃貸継続のどちらが得なのか」「入居者への連絡はいつ行えばよいのか」「ローンが残っていても税金の特例は使えるのか」など、さまざまな疑問を抱く方も多いでしょう。

このような疑問を事前に解消しておくことで、売却手続きや必要な準備をより進めやすくなります。
ここでは、賃貸マンションの売却に関するよくある質問について紹介します。

賃貸マンションの「売却」と「賃貸継続」はどちらが得ですか?

「売却」と「賃貸継続」のどちらが得かは、物件の収益性やローン残債、目的、ライフプランなどによって異なります。

それぞれのメリット・デメリットは、次のとおりです。

売却賃貸継続
メリット・まとまった資金を確保できる
・管理や修繕などの負担から解放される
・空室や家賃下落などのリスクを回避できる
・ローン返済の負担を軽減できる
・毎月安定した家賃収入を得られる
・将来的な資産価値の上昇を期待できる
・節税につながる可能性がある
・インフレ対策として資産を保有できる
デメリット・毎月の家賃収入がなくなる
・売却時に諸費用や税金がかかる
・希望価格で売却できるとは限らない
・資産価値の上昇や家賃収入を得られなくなる
・空室や家賃下落によって収益が悪化するリスクがある
・修繕費や設備交換などの維持費がかかる
・入居者対応や管理業務の負担が発生する
・資産価値が下落する可能性がある

売却と賃貸継続にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、総合的に比較して決めることが大事です。

また、複数の不動産会社へ査定を依頼して「売る場合」と「賃貸を継続する場合」の両方をシミュレーションした上で、自分に合った選択をしましょう。

賃貸マンションを売却する際、入居者にはいつ何を伝えればよいですか?

オーナーチェンジで賃貸マンションを売却する場合、売却活動を開始した段階で入居者へ必ず知らせる必要はありません。

一般的には、売買契約が成立した後、または物件の引き渡しが完了したタイミングで、新しいオーナーや管理会社から入居者へ通知されます。
あまりに早く伝えてしまうと、入居者が不安を感じて退去を検討する可能性もあるため、通知のタイミングには配慮することが大切です。

通知では、新しいオーナーの情報や家賃の振込先の変更、管理会社の変更の有無などが案内されます。
なお、売却だけを理由に入居者を退去させることはできません。

住宅ローンが残っている賃貸マンションの売却で税金の特例は使えますか?

賃貸マンションに住宅ローンが残っている場合でも、一定の条件を満たせば税金の特例を利用できる可能性があります。

例えば「事業用の資産を買い換えたときの特例」は、ローンの残高ではなく、所有期間や買い換える資産などの要件を満たしているかどうかで適用が判断されます。

事業用の資産を買い換えたときの特例が適用されれば、売却によって生じた譲渡所得の80%について課税を将来へ繰り延べることが可能です。
そのため、売却時の税負担を軽減でき買い換えに必要な資金を確保しやすくなります。

ただし、通常、ローンが残っている物件を売却する場合は、ローンを完済して抵当権を抹消しなければならない点に注意が必要です。
適用できる税金の特例は状況によって異なるため、事前に不動産会社に相談することをおすすめします。

※参照:国税庁|事業用の資産を買い換えたときの特例

まとめ

賃貸マンションの売却は、まとまった資金を確保できることや管理・修繕などの負担を軽減できることがメリットです。

一方で、毎月の家賃収入がなくなることや税金や諸費用が発生する可能性もあるため、メリット・デメリットを十分に理解した上で判断することが大切です。

また、売却する際は、収益性や市場相場などをもとに査定されるため、複数の不動産会社へ査定を依頼して査定額や会社の特徴・対応を比較することをおすすめします。

信頼できる不動産会社を選ぶことが、より有利な条件での売却が可能です。

事前に売却の流れや注意点を把握して、納得のいく条件で売却を進めましょう。

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檜垣知宏:宅地建物取引士のアバター

檜垣知宏:宅地建物取引士

株式会社ライフアドバンス代表取締役の檜垣知宏です。 2014年8月に設立し、恵比寿不動産という屋号で賃貸仲介・売買仲介・賃貸管理を行う不動産業者です。 不動産業界歴15年の経験を生かし、 運営しているサービスサイトである「不動産の相談窓口」の運営者も務めております。

保有資格:宅地建物取引士