「マンションは売るべき?それとも貸すべき?」「売却する場合の手続きや判断基準は?」といった悩みを持っている方も多いでしょう。
売却・賃貸それぞれのメリットやデメリット、手続きの流れを理解して、自分の状況に合った選択をすることが大事です。
本記事では、マンションを「売る」「貸す」それぞれの特徴やメリット・デメリット、判断時のポイントなどを解説していますので、ぜひ参考にしてください。

マンションを売却する時のメリット

マンションを売却するメリットには、まとまった現金が手に入ること、維持・管理の負担から解放されること、賃貸に出すよりもハードルが低いことなどがあります。
売却のメリットを把握しておくことで、賃貸に出す場合との違いがわかり、自分に合っているか判断しやすくなります。
ここでは、マンションを売却する時のメリットについて見ていきましょう。
まとまった現金が手に入る
マンションを売却する時のメリットの一つが、まとまった現金が手に入ることです。
まとまった現金は、新しい生活に向けたさまざまな用途に活用できます。
例えば、マンションを3,000万円で売却した場合、諸費用(一般的に売却価格の4〜6%程度)や税金を差し引いた金額が手元に残ります。
仮に譲渡所得が特別控除の対象となり、税金がかからない場合には、約2,800万円が自由に使える資金となるでしょう。
使い道としては、以下のようなものが考えられます。
・新居の購入資金
・賃貸住宅への引っ越し費用
・車の買い替え費用
・子どもの教育資金
・自分たちの老後資金
・資産運用の原資
賃貸に出せば毎月の家賃収入は見込めますが、大きな現金を一度に得ることはできません。
まとまった現金が手に入り、自由に活用できる点は、マンションを売却するからこそ得られるメリットです。
維持コストの負担がない
維持コストの負担がないことも、マンションを売却する際のメリットです。
住む・貸すに関わらずマンションを所有し続ける場合は、固定資産税や都市計画税、管理費、修繕積立金、リフォーム・リノベーション費用など、さまざまなコストが発生します。
賃貸に出している場合でも、入居者がいるかどうかに関係なく負担し続ける必要があります。
年間の維持コストが100万円を超えることも珍しくありません。
しかし、マンションを売却すればこうしたコストは一切かからなくなります。
維持コストの負担に悩んでいる場合は、売却を検討してみてもよいでしょう。
賃貸よりハードルが低い
マンションを売却するメリットの一つが、賃貸よりハードルが低いことです。
賃貸に出す場合は、物件の維持管理や修繕対応、入居者とのやり取りなど、オーナーとしての責任が長期にわたって続きます。
また、空室リスクや家賃滞納の不安、リフォームに関する費用・手間なども発生して、精神的な負担も少なくありません。
管理会社に委託したとしても、対応のやり取りや報告の確認などはあるため、完全に手放しにはできないのが実情です。
売却は、一度手続きを終えてしまえば、その後の管理やトラブル対応などを気にする必要がありません。
売却活動中は内見対応や書類準備などで忙しくなることもありますが、スムーズに進めば2〜3ヶ月程度で売却が完了します。
「面倒な管理は避けたい」「早く身軽になりたい」といった方には、賃貸より売却のほうがよいかもしれません。
特別優遇が受けられる場合も
マンションを売却する際は「3,000万円の特別控除」などの税制上の優遇措置を受けられる場合があります。
例えば「3,000万円の特別控除」は、一定の条件を満たしたマイホームを売却する際に適用され、譲渡所得から最大3,000万円を差し引くことができます。
通常、マイホームを売却して利益(譲渡所得)が出た場合、所有期間に応じて以下のような高い税率がかかります。
・所有期間5年以下:39.63%
・所有期間5年超:20.315%
※復興特別所得税含む
しかし、「3,000万円特別控除」が適用されれば、譲渡益が3,000万円以内であれば非課税となり、税負担を大きく軽減できる可能性があります。
このように、マンション売却時には税制上の優遇措置があり、手元に残る資金をより多く確保できる点はメリットです。
※参照:マイホームを売ったときの特例|国税庁
譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)|国税庁

マンションを売却するときのデメリット

マンションを売却する時のデメリットには、時期によって売却価格が変わること、売却後は資産として活用できないこと、諸費用や税金がかかることなどがあります。
メリットだけでなく、デメリットも理解しておくことは大切です。
ここでは、マンション売却のデメリットについて見ていきましょう。
売る時期で金額が変わる
マンションを売却する時のデメリットの一つが、時期によって売却価格が変わることです。
なぜなら、マンションの売却価格は常に一定ではなく、景気動向や金利、物価、需給バランスといった外部要因の影響を強く受けるからです。
例えば、1年間の中でも1〜3月や9月は新生活や異動に合わせて住宅を探す人が増えるため、比較的高値で売却しやすいとされています。
逆に、夏場や年末年始などは購入希望者の動きが鈍くなるため、思うような価格で売れない可能性もあります。
売却価格は時期によって大きく変わることがあるため、売却を検討する場合は市場動向や季節のタイミングを見極めることが大切です。
不動産会社のアドバイスを参考にしながら、できるだけ有利な条件で売却できるタイミングを選びましょう。
資産として活かせない
資産として活かせないことも、マンションを売却するデメリットです。
売却すればまとまった現金は得られますが、その時点で物件を手放すことになり、それ以降は資産として運用することができなくなります。
一方で、賃貸に出す場合は、マンションを所有したまま毎月家賃収入を得ることが可能です。
毎月の家賃収入により、家計に余裕が生まれたり、老後資金や将来の備えとして活用することもできます。
また、将来的に自分で住むことやタイミングを見て売却するなど、柔軟な選択ができる点も特徴です。
マンションを売却すると、資産としての選択肢がなくなることを理解した上で判断することが大切です。
諸費用や税金がかかる
諸費用や税金がかかる点も、マンションを売却するデメリットです。
一般的に、マンションを売却する際には、次の諸費用や税金がかかります。
| 仲介手数料 | 不動産会社に支払う手数料。手数料の上限は宅地建物取引業法で定められており「売買価格×3%+6万円+消費税」の速算式で計算できる |
|---|---|
| 印紙税 | 課税文書にかかる税金で、売買契約書に印紙を貼り消印して納付する。税額は売却価格に応じて異なり、売却価格が4,000万円だとしたら税額は1万円(軽減税率) |
| 登録免許税 | 登記にかかる税金で、税額は登記の種類や不動産の種類によって異なる。抵当権抹消登記の場合は、不動産1件あたり1,000円 |
| 司法書士手数料 | 登記を司法書士に依頼する際に発生する費用で、金額は登記の内容や司法書士によって異なる。一般的には1万円程度〜 |
| 譲渡所得税 | 売却で得た利益(譲渡所得)にかかる税金で、所有期間に応じて税率が異なる。税率は20.315%または39.63% |
| 住宅ローン繰上返済手数料 | 売却時に住宅ローンを一括返済する際に発生する手数料で、金融機関によって異なる。無料のところもあれば、1〜2万円程度かかる場合もある |
その他に、引っ越し費用や仮住まいの費用、ハウスクリーニング代などがかかる場合もあります。
不動産会社に相談して、どれくらいの諸費用や税金がかかるのか早めに確認しておきましょう。
※参照:印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁
不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置|国税庁
登録免許税の税額表|国税庁
譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)|国税庁

マンションを賃貸に出す時のメリット

マンションを賃貸に出すメリットには、家賃収入を得られること、将来また住めること、費用を経費として扱えることなどがあります。
これらのメリットを理解することで、売却との比較がしやすくなります。
それぞれの内容について見ていきましょう。
毎月の家賃収入を得られる
マンションを賃貸に出す大きなメリットは、毎月安定した家賃収入が得られることです。
例えば、毎月の家賃が10万円であれば、年間で120万円の収入となります。
維持コストが差し引かれるため手取り額は減りますが、生活費の補填や家計の支えとして活用できる点は魅力です。
さらに、家賃収入は住宅ローンの返済や子どもの教育資金、将来の備え、車のローン、リフォーム費用など、さまざまな目的に充てることができます。
空室率の低い物件であれば入居者を安定的に確保しやすく、長期にわたって継続的な収入を得ることが可能です。
このように、毎月家賃収入を得られることは、賃貸ならではのメリットです。
将来、また住むことができる
将来、マンションにまた住むことができる点も賃貸に出すメリットです。
売却とは違い、所有権を維持したまま運用できるため「数年間だけ定期借家で貸し出して、その後は自分たちで住む」といったことも可能です。
そのため「3年ほど海外赴任があるが、その後は戻ってきて今の家に住みたい」「5~6年後に子どもの進学を機に再び住む予定」といったライフプランにも対応できます。
特に今のマンションに愛着がある方にとっては、手放さずに一時的に賃貸運用できるのは大きな安心材料となります。
転勤などで離れる場合でも、その間は家賃収入を得ながら、将来の住まいとして維持することが可能です。
ライフプランや目的に合わせて再び住めることは、賃貸ならではの魅力です。
費用を経費に計上することができる
賃貸経営では、さまざまな費用を経費として計上できることもメリットです。
経費計上することで課税所得が減り、税金の負担を抑えることができます。
経費計上できる主な費用は、次のとおりです。
・固定資産税
・都市計画税
・建物減価償却費
・火災保険料
・地震保険料
・設備交換費
・管理費
・修繕積立金
・管理委託手数料 など
税負担が軽くなれば、その分だけ手元に残るお金を増やすことができます。
どこまで経費として認められるかは各費用で基準があるため、不動産会社や税務署などに相談して、適切な範囲で最大限の節税を目指しましょう。

マンションを賃貸に出す時のデメリット

マンションを賃貸に出すデメリットには、空室のリスクがあること、管理・維持コストがかかること、入居者トラブルのリスクがあることなどがあります。
メリットだけでなくデメリットも理解することで、賃貸が自分に合った選択かどうかを見極めやすくなります。
ここでは、賃貸に出すことによるデメリットについて見ていきましょう。
空室のリスクがある
マンションを賃貸に出すデメリットの一つは、空室リスクがあることです。
入居者がいれば家賃収入を得られ、その収入で住宅ローンの返済や維持管理費などをまかなうことができます。
しかし、空室になれば家賃収入は入ってこず、賃貸物件と新居両方のローン返済や住居費、維持管理費を本業の収入や貯金などから負担しなければいけません。
空室期間が1〜2ヶ月程度であればまだ影響は少ないですが、半年や1年と長期化すると、家計に大きな影響を与える可能性があります。
空室リスクが高そうなエリアや物件の場合は、家賃を相場より低めに設定する、物件の魅力を高めるためにリフォームを行う、サブリース契約で家賃保証を受けるといった対策を考えることが大切です。

管理費や維持費がかかる
マンションを賃貸に出す際には、管理費や維持費などが発生する点もデメリットの一つです。
賃貸に出す際にかかる主な費用は、次のとおりです。
| ハウスクリーニング費用 | 室内のクリーニングにかかる費用で、清掃業者や作業範囲によって料金は変動する |
|---|---|
| リフォーム費用 | 室内をリフォームする場合にかかる費用。リフォーム内容によっては100万円以上かかることもある |
| 設備修繕費用 | 設備が故障している際にかかる修理・交換費用 |
| 仲介手数料 | 不動産会社に支払う手数料。賃貸の仲介手数料は「家賃1ヶ月分+消費税」 |
| 管理委託手数料 | 管理業務を業者に委託する場合にかかる手数料。手数料の相場は家賃の5%程度 |
| 管理費 | マンションの共用部分の維持管理に充てられる費用 |
| 修繕積立金 | マンションの将来的な大規模修繕工事に備えて積み立てられる資金 |
このような費用が発生することを理解し、早めに金額を把握して無理のない資金計画を立てておきましょう。
入居者トラブルが発生することも
入居者によるトラブルが発生する可能性がある点も、マンションを賃貸に出すデメリットの一つです。
・家賃の滞納
・騒音による近隣住民とのトラブル
・室内がゴミ屋敷化する
・壁や設備が破壊される
など、トラブルが起きると対応に追われることになります。
管理会社が対応するとしても、貸主の精神的負担は大きいものです
さらに、近隣を巻き込む問題に発展すると、物件の評判が下がり、入居率や資産価値にも悪影響が出る可能性があります。
また、家賃滞納が長期化すると、家計にも大きな打撃を与えるリスクがあるため注意が必要です。
入居者の審査を慎重に行うなどして、トラブルが発生するリスクを減らすことが大切です。
マンションを売却する時の流れは?

マンションを売却する流れは、次のとおりです。
相場を調べる
査定を依頼する
媒介契約を結ぶ
売却活動を開始する
売買契約を結ぶ
物件の引き渡し
事前に全体の流れを把握しておくことで、計画的に売却を進めることができます。
それぞれの流れについて見ていきましょう。
相場を調べる
まずは、マンションの相場を把握することから始めましょう。
相場を知ることで、資金計画の目安が立てやすくなり、不動産会社から提示される査定額が適正かどうかも判断しやすくなります。
マンションの相場を調べる方法は、以下のとおりです。
・レインズマーケットインフォメーションで調べる
レインズマーケットインフォメーションは不動産流通機構が運営する情報サイトで、豊富な不動産取引データが掲載されています。過去に売買された類似物件の価格を参考にすることで相場を把握できます。
・不動産情報ライブラリ(旧土地総合情報システム)で調べる
不動産情報ライブラリ(旧土地総合情報システム)は国土交通省が提供するサイトで、不動産の取引データを閲覧できます。過去の類似物件の売買情報をもとに、おおよその相場を推測することができます。
・不動産ポータルサイトで調べる
不動産ポータルサイトには、現在販売中のマンション情報が多数掲載されています。類似物件の価格をチェックすることで、どれくらいの価格で売りに出されているのかを把握できます。
・不動産情報誌で調べる
地域によっては、フリーペーパー形式の不動産情報誌があり、販売中の物件情報が掲載されています。類似物件の価格を参考にすることで、相場を把握することが可能です。
このような方法でマンションの相場を調べることができます。
査定を依頼する
相場を把握したあとは、マンションの査定を依頼します。
査定方法には「机上査定」と「訪問査定」の2種類があり、それぞれで内容に違いがあります。
| 机上査定(簡易査定) | 過去の売買データなどを参考に査定額を算出。最短で即日結果が出るなど、スピーディーに査定額を確認できるのが特徴 |
|---|---|
| 訪問査定 | 過去の売買データに加え、実際に物件を訪問・確認した上で査定額を算出。机上査定よりも結果が出るまでに時間はかかるが、より信頼性の高い査定が可能 |
不動産会社によって得意とする物件やエリア、査定のポイントが異なるため、同じ物件でも査定額に差が出ることがあります。
そのため、査定は複数の不動産会社に依頼して比較することが大事です。
比較することで、どの会社に依頼すればより高く売れそうか判断できる上に、実績や口コミ、担当者の対応なども確認でき、信頼できる不動産会社を見つけやすくなります。
媒介契約を結ぶ
査定や比較を行い、マンション売却を依頼する不動産会社が決まったら、媒介契約を締結します。
媒介契約には3つの種類があり、それぞれで内容や条件が異なります。
| 専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
|---|---|---|---|
| 複数社との契約 | できない | できない | できる |
| 売主と買主の直接取引 | できない | できる | できる |
| 売却活動の報告義務 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | 任意 |
| レインズへの登録 | 5日以内 | 7日以内 | 任意 |
| 契約期間 | 3ヶ月以内 | 3ヶ月以内 | 任意 |
専属専任媒介や専任媒介は、売却依頼を1社に絞るため、不動産会社が積極的に売却活動を行いやすいのが特徴です。
一般媒介は複数の不動産会社と契約できるため、囲い込みのリスクが低く、さまざまな販売チャネルを活用して売却できます。
それぞれの媒介契約の特徴を理解して、自分に合った契約を選ぶことが大切です。
売却活動を開始する
媒介契約を結ぶと、不動産会社が売却活動をスタートさせます。
マンションの情報はレインズや不動産ポータルサイトに掲載され、不動産会社によっては自社サイトやチラシ、メールDMで顧客へ案内することもあります。
売却の戦略や広告掲載、問い合わせ対応などは、基本的に不動産会社が担当するため安心です。
売却活動では売主が直接対応することは少ないですが、内覧の準備は積極的に行うことが大切です。
購入希望者にとって内覧はとても重要な判断材料であり、内覧での印象が購入意欲に大きく影響します。
内覧で印象が悪いと、その後に購入してもらえる可能性は低くなります。
内覧で良い印象を与えるために、以下のポイントを心がけましょう。
・キッチンや浴室などの水回りをキレイに清掃する
・バルコニーもキレイに清掃しておく
・部屋全体を整理整頓して隅々まで見やすくする
・ニオイがこもらないように換気を十分に行う
・冷暖房を活用して快適な室温に調整する
・物件の魅力を担当者と共有して内覧時にアピールできるようにする
また、内覧可能な日を多く設定することで、より多くの人に物件を見てもらえるため、機会損失を防ぐことができます。
売買契約を結ぶ
買主が決まったら、売買契約を締結します。
契約手続きには、買主だけでなく売主も同席するのが一般的です。
売買契約の主な流れは、以下のとおりです。
1.重要事項の説明
2.契約書の内容確認
3.契約書への署名・捺印
4.手付金の受け取り
5.仲介手数料の支払い
重要事項の説明は宅地建物取引士が担当し、その後、契約書の内容を確認した上で署名・捺印を行います。
そして、買主から手付金(一般的に物件価格の5〜10%程度)を受け取ります。
なお、契約時に必要な書類は、以下のとおりです。
本人確認書類
収入印紙
登記済証(権利証)・登記識別情報
固定資産税・都市計画税納税通知書
設備表 など
仲介手数料は、宅地建物取引業法により上限が「売買価格×3%+6万円+消費税(速算式の場合)」と定められています。
例えば、マンションの売却価格が5,000万円の場合、仲介手数料の上限は「5,000万円×3%+6万円+消費税=約171.6万円」となります。
仲介手数料の支払いタイミングは「契約後に全額支払う」「契約後に半額、引き渡し後に残りを支払う」など、不動産会社によって異なるため事前に確認しておきましょう。
物件の引き渡し
物件の引き渡しと同じ日に、買主から残金の支払いが行われます。
引き落とし時は売主も立ち会うのが一般的です。
残金の支払いが完了すると、所有権移転の登記手続きを行いマンションを買主に引き渡します。
登記手続きは自身で行うことも可能ですが、煩雑でミスが起こると問題になるため、司法書士に依頼する方が多いです。
一連の手続きが完了すれば、マンション売却は完了です。

マンションを賃貸に出す時の流れは?

マンションを賃貸に出す時の流れは、次のとおりです。
不動産会社を探す
賃貸契約の種類を選ぶ
不動産会社と契約を結ぶ
入居者の募集
賃貸契約を結び、管理がスタート
事前に全体の流れを理解しておくことで、マンションを賃貸に出す際にスムーズに進めることができます。
それぞれの流れについて見ていきましょう。
不動産会社を探す
まずは、マンションを賃貸に出すために、仲介を依頼する不動産会社を探します。
不動産会社によって特徴や得意エリアなどに違いがあるため、複数の会社を比較して選ぶことが大事です。
どの不動産会社に仲介を依頼するかによって、借主が見つかるまでのスピードや入居条件が大きく変わる可能性があります。
例えば「近所だから」「大手だから」といった理由ですぐに1社に決めてしまうと、あとから「もっと比較しておけばよかった」と後悔することも少なくありません。
不動産会社を選ぶ際は、次のポイントをチェックしましょう。
・仲介の実績が豊富か
・マンションのある地域に強いか
・担当者の対応は良いか
・口コミや評判は良いか
これらのポイントを確認して、信頼できる不動産会社を見つけましょう。

賃貸契約の種類を選ぶ
不動産会社が決まったら、次は賃貸契約を結びます。
賃貸契約には3つの種類があり、契約内容や条件がそれぞれ異なります。
それぞれの特徴を理解して、自分の目的や状況に合った契約形態を選ぶことが大切です。
●普通賃貸借契約
普通賃貸借契約は、最も一般的な賃貸契約です。
契約期間は通常2年となりますが、期間満了後も借主が希望すれば契約の更新が可能です。
また、借主が更新を望んでいる場合は、貸主は正当な理由がない限り契約を終了させることはできません。
そのため「2年後には転勤から戻る予定で、それまでの間だけ貸したい」など、賃貸期間を限定したい場合には、適していない契約形態といえます。
「できるだけ長く賃貸に出したい」「家賃をできる限り高めに設定したい」といった場合におすすめです。
●定期賃貸借契約
定期賃貸借契約は、契約期間が決められていて、期間が満了すると契約は終了します。
基本的に更新はできませんが、双方の合意があれば再契約を結ぶことは可能です。
契約期間が限定されていることから、家賃は普通賃貸借契約に比べて低めに設定されることが一般的です。
そのため「できるだけ長く貸したい」「高めの家賃で安定的に収益を得たい」といった場合には不向きな契約形態といえます。
「転勤中の2年間だけマンションを貸したい」など、期間限定で賃貸に出したい場合におすすめです。
●サブリース
サブリースは、不動産会社がマンションを借り上げ、入居者に転貸する仕組みです。
入居者は不動産会社に家賃を支払い、不動産会社はその家賃から手数料を差し引いた金額を、家賃保証としてオーナーに毎月支払います。
家賃保証によって、入居者の有無にかかわらず、オーナーは一定の収入を得ることができます。
手数料は家賃の10〜20%ほどかかりますが、空室リスクを軽減できるのが特徴です。
サブリースは「収益を最大化したい」という方には不向きですが「収入が多少減っても空室リスクを避けて安定収入を得たい」という場合に向いている契約形態です。
それぞれの契約形態のメリット・デメリットを理解し、不明点があれば不動産会社に確認しましょう。
不動産会社と契約を結ぶ
仲介を依頼する不動産会社と契約を結びます。
契約方法には、オーナー自身が入居者を選ぶ「媒介契約」と、入居者の選定を不動産会社に任せる「代理契約」の2種類があります。
自分で入居者を選定したいのか、手間を省いて仲介会社にすべて任せたいのか、希望やスタンスに合わせて選びましょう。
入居者の募集
不動産会社との契約が完了したら、入居者の募集が始まります。
家賃や入居条件については、事前に不動産会社と相談して決めておきましょう。
内覧があるため、マンションは清潔な状態にしておくことが大事です。
次のポイントを意識して内覧準備を行いましょう。
・キッチン、浴室、トイレなどの水回りは丁寧に清掃する
・玄関周りをキレイにしてニオイ対策もしておく
・バルコニーの荷物は整理・撤去してスッキリ見せる
・クローゼット内も片付けておく
問い合わせ対応や内覧の案内は、基本的に不動産会社が担当するため、貸主が借主と直接やり取りする必要はありません。
賃貸契約を結び、管理がスタート
入居希望者が見つかり、条件に問題がなければ賃貸契約の手続きに進みます。
契約手続きは基本的に不動産会社と借主で進めるため、貸主が立ち会う必要はありません。
審査に通過すれば鍵の引き渡しが行われ、賃貸管理がスタートします。
管理については、貸主自身が対応する「自主管理」と管理会社に業務を委託する方法があります。
管理会社に委託するのが一般的ですが、その場合は家賃の約5%程度の管理手数料が毎月発生します。
売却か賃貸か選ぶポイント

マンションを「売却するか」「賃貸に出すか」で悩んでいる方も多いでしょう。
それぞれに向いているマンションの特徴や、判断の目安となるポイントを知っておくことで、自分に合った選択がしやすくなります。
売却に向いているマンションとは?
次のようなケースやマンションの状態であれば、売却が向いている可能性があります。
・まとまった現金を手に入れたい
・不動産価格が高騰していて高値での売却が期待できる
・築年数が浅く内装や設備の状態が良好
・売却価格がローン残高を上回っている
・将来的にマンションに住む予定がない
マンションを売却すれば、まとまった資金を得ることができます。不動産市場が好調な時期であれば、売却益も期待できるでしょう。
また、マンション売却時には住宅ローンを完済する必要があるため、売却価格がローン残高を上回っている状態であれば、売却を前向きに検討しやすくなります。
現在のマンションに住む予定がないのであれば、売却して得た資金を新居の購入費用などに充てるのもよいでしょう。
賃貸に向いているマンションとは?
次のようなケースやマンションの状態であれば、賃貸が向いている可能性があります。
・将来的にマンションに戻りたいと考えている
・資産として手放したくない
・家賃収入を得て安定した収入源を確保したい
・売却価格がローン残高を下回っている
・売却益があまり見込めない
・築年数が古くても立地が良い
・駅から近く1〜2人暮らし向けの間取り
マンションを賃貸に出すことで、毎月家賃収入を得られる可能性があります。本業以外の収入源として生活費の補填や将来資金の備えに活用することが可能です。
売却代金でローンを完済できない場合は、不足分を自己資金で補い売却することもできますが、難しい場合は賃貸を検討するのも選択肢です。
また、駅近のコンパクトマンションや子育て世帯に人気のエリアにあるファミリータイプの物件などは、需要が高いため賃貸に出しても良い結果が期待できます。
住宅ローンの返済状況
マンションを売却する際には、金融機関の抵当権を外すために、住宅ローンを完済する必要があります。
そのため、売却価格とローン残高の関係によって、以下のような対応が考えられます。
・売却価格がローン残高を上回る場合
売却代金でローンを完済できるため、売却をスムーズに進めやすく、前向きに検討しやすい状況です。
・売却価格がローン残高を下回る場合
売却代金だけではローンを完済できないため、足りない分を自己資金などで補う必要があります。この場合は、売却のハードルが高くなります。
売却を検討する場合は、早めに売却価格と住宅ローン残高を確認しておきましょう。

利回りを計算する
売却と賃貸のどちらにするか迷っている場合は、マンションの利回りを計算してみるのも一つの判断材料になります。
利回りが高ければ、賃貸に出す選択肢も前向きに検討できます。一方で、利回りが低い場合は、売却を検討するほうがよいかもしれません。
利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があり、それぞれの特徴と計算方法は以下のとおりです。
| 表面利回り | 年間の家賃収入をマンションの購入価格で割って算出する指標。計算式は「年間家賃収入÷物件購入価格×100」 |
|---|---|
| 実質利回り | 購入時や賃貸中にかかる費用も考慮した、より実態に近い利回り。計算式は「(年間家賃収入−諸費用)÷(物件購入価格−購入時の諸費用)×100」 |
利回りはあくまで目安であり、必ずしも計算通りの収益が得られるわけではありませんが、一つの参考指標になります。

まとめ
マンションを「売る」「貸す」どちらにするか迷った場合は、それぞれのメリットやデメリット、住宅ローン残債、利回りなどの情報を踏まえて判断するとよいでしょう。
判断に迷ったときは、不動産会社に相談してアドバイスをもらうのもおすすめです。
どちらを選ぶにしても、複数の不動産会社を比較して、信頼できる会社に依頼することが大切です。
マンションの売却と賃貸で悩んでいる方は、自分にとって最適な選択肢を見つけることから始めてみましょう。
