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住みながら家を売却するには?メリットとデメリットを徹底解説

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檜垣知宏:宅地建物取引士

この記事のポイント

  • 住みながら家を売却することは可能

  • 住みながら家を売る方法は仲介での売却・リースバック・リバースモゲージの3つ

  • 住みながら家を売る場合は内見対応が必要になる

住宅を売却する際、多くの方が直面する悩みの一つが「売却中もその家に住み続けることができるのか」という問題です。
引っ越しの手間や一時的な仮住まいの確保、費用面での不安など、さまざまな課題が浮かび上がってきます。
しかし、適切な方法と準備があれば、現在の生活を維持しながらスムーズな売却活動を進めることは可能です。

今回は、住みながらの家の売却について、その実現可能性やメリット・デメリット、具体的な方法まで、実務経験豊富な専門家が詳しく解説していきます。売却を検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

住みながら売却はできるのか?

結論から言えば、住みながら家を売却することは可能であり、実際に、多くの方がこの方法を選択しています。
ただし、売り手と買い手の双方に配慮が必要で、適切な準備と心構えが重要になります。
不動産売却の専門家のサポートを受けながら進めることで、スムーズな取引が可能となるでしょう。

住みながら家を売る方法

住みながら家を売却する方法には、主に3つの選択肢があります。
それぞれの方法には特徴があり、売主の状況や目的に応じて最適な方法を選択することが大切です。
ここからは、それぞれ方法の詳細について説明していきます。

①一般的な不動産市場での売却

通常の不動産売却と同様に、不動産会社に仲介を依頼し、市場に物件を出品する方法です。
この方法では、売却活動を担当する不動産会社を選定した後、査定評価を経て適切な売り出し価格を設定し、その後に市場での売り出しが開始されます。

売り出し後は購入希望者からの内覧依頼や引き渡しなどのスケジュール調整が必要となりますが、多くの購入検討者にアプローチできることから売却機会が増え、また売主の希望条件に合った買主を見つけやすいという特徴があります。
住宅ローンの利用を検討する購入者も多いため、価格面での交渉の余地も広がり、最も一般的で選択肢の多い方法と言えます。

②売却後も賃貸で住み続けるリースバック

売却後も同じ家に住み続けることができるリースバックは、近年注目を集めている売却方法の一つです。
この方法では、新しい所有者に家賃を支払いながら居住を継続できるため、引っ越しの手間や費用を抑えることができます。

特に住宅を資金化したいものの住み慣れた環境は維持したい方や、将来的な売却を考えているが今すぐの引っ越しは避けたい方に適しており、売却後の賃貸期間も柔軟に設定できることから、次の住まい探しにも余裕を持って取り組むことができます。
また、投資用不動産として購入を検討する買主も多いため、安定した賃料収入を期待できる投資物件として魅力的な条件での売却が期待できます。

③家を担保にしてお金を借りるリバースモーゲージ

高齢者向けの選択肢として注目を集めているリバースモーゲージは、自宅を担保に融資を受けることができる金融商品です。
通常の住宅ローンとは異なり、毎月の返済は必要なく、契約者が亡くなった後や転居時に一括返済もしくは担保物件の売却により返済する仕組みとなっています。

完全な売却ではありませんが、住み慣れた自宅に住み続けながら資産価値を現金化できる方法として、特に年金収入を補完したい方や老後の生活資金に不安を感じている方に選ばれています。
近年は金融機関の商品も充実してきており、利用条件や借入限度額なども徐々に柔軟になってきています。

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住ながら家を売るメリット

住みながら家を売却する方法には、いくつかのメリットがあります。
ここでは、主なメリットについて詳しく解説していきます。
適切な準備と対応があれば、これらのメリットを最大限に活かすことができるでしょう。

時間に余裕を持って売却できる

住みながら売却する最大のメリットは、時間的余裕を持って理想的な買い手との出会いを待てることです。
空き家での売却では維持費の負担から早期売却を迫られ、市場価格を下回る妥協を強いられるケースも少なくありません。
一方、住みながらであれば、日々の生活を続けながら市場動向を見極め、納得できる条件が整うまで待つ選択肢が生まれます。

この時間的余裕は、売却価格だけでなく売却プロセス全体の質を高めます。
例えば、物件の魅力を最大化するための計画的なメンテナンスや修繕、季節ごとの庭の手入れなど、価値向上につながる取り組みを無理なく実施できます。
また、内覧前の丁寧な清掃や整理整頓にも十分な時間を確保できるため、購入検討者に対して常に最良の状態で物件をアピールすることが可能です。

さらに、売却と新居探しを同時進行できることで、住み替え全体の最適化が図れます。
新居の資金計画も売却額が確定してから具体化できるため、予算オーバーのリスクを抑えられます。
急いで妥協した物件選びによる後悔も避けられ、理想の住まいを見極める冷静な判断力を保てることも、住みながら売却の大きなメリットといえるでしょう。

実際の暮らしをイメージしてもらいやすい

住みながらの物件内覧には、空室物件にはない圧倒的な強みがあります。
それは、生活が息づく空間では、購入検討者は単なる「物件」ではなく「暮らし」そのものを体感できる点です。
家具が配置された部屋では空間の使い方が具体的に可視化され、「このソファとテレビの距離感が絶妙。」「キッチンから子どもの様子が見守れる。」といった実用的な気づきが生まれます。

季節や時間帯によって変わる採光の様子も、実際の暮らしを通じて説得力を持ちます。
「西日が入るけれど、このカーテンで十分快適に過ごせます。」「午前中は東側の部屋が明るく、在宅ワークに最適です。」など、住んでいるからこそ伝えられる具体的なエピソードは購入検討者の不安を解消する強力な材料となります。

また、住環境の質は数値やスペックだけでは測れない要素が大きいもの。
「近所のお子さんと一緒に通学できる。」「自治会の季節行事が楽しい。」「災害時に助け合える関係がある。」といった生活実感は、住み手からの自然な会話の中で伝わります。
このような温かみのある情報こそが、その家で築ける未来の暮らしをリアルにイメージさせ、感情的な安心感と納得感を生み出す決め手となるのです。

資金の見通しが立てやすい

住みながら売却することの最大メリットは、不動産の売買タイミングを自在にコントロールできる点にあります。
急いで売る必要がないため、「売り急ぎによる損失」という住み替え最大のリスクを回避できるのです。
現在の住まいでは従来通りの住宅ローンや固定費を維持できるため、追加負担なく売却活動に専念できます。

特に財務計画の観点で優れているのは、「先に売ってから買う」という理想的なステップを踏めること。
売却金額が確定した後に新居の予算を決定できるため、「思ったより売れなかった」という資金ショートのリスクを排除できます。
住み替えにおける最大の不安要素である「二重ローン」の危険性も大幅に軽減されるでしょう。

また、希望条件と予算のバランスを見極めながら納得のいく新居探しができるため、後悔のない住み替えが実現します。
引っ越し費用、仲介手数料、登記費用といった諸経費も、売却額確定後に正確に試算できるため、資金計画の精度が格段に向上します。
こうした安定した財務基盤は、住み替えという人生の大きな決断において、冷静な判断力と選択肢の自由度を最大化する重要な要素といえるでしょう。

住ながら家を売るデメリット

住みながらの売却には多くのメリットがある一方で、いくつかの課題や注意点も存在します。
これらのデメリットを事前に理解し、適切に対処することで、よりスムーズな売却活動が可能となります。
ここからは、主な課題とその対応策について詳しく解説します。

スケジュールを空けておく必要がある

内覧や現地調査のために、平日や休日を問わず時間を確保する必要があるため、ある程度の生活リズムの調整が求められます。特に不動産会社からの内覧依頼は購入検討者の都合に合わせて入ることが多く、仕事が忙しい方や小さなお子様がいるご家庭では、突発的な内覧への対応が難しい場合もあります。また、物件調査や建物診断などの専門家による検査にも立ち会う必要があり、これらは平日の日中に設定されることが一般的です。

そのため、事前に不動産会社と綿密な打ち合わせを行い、可能な内覧時間帯を明確にしておくことや、家族で協力して対応するなど、仕事や家事との両立に向けた工夫が重要となります。

生活感に抵抗を持たれる可能性がある

家具や生活用品があることで、かえって購入検討者の想像力を制限してしまう可能性があり、これは住みながら売却におけるデメリットの一つとなっています。例えば、大きな家具の配置によって部屋の広さを実際より狭く感じさせてしまったり、日常的に使用している生活用品が室内の印象を雑然としたものにしてしまうことがあります。

また、壁紙や照明器具、カーテンなどに個人の趣味趣向が強く出た内装は、購入検討者にとって住宅本来の良さを見出しにくくする要因となり、なかには購入の障害として受け止める方もいます。特に若い世代の購入検討者は、モダンでスッキリとした内装を好む傾向があるため、既存の家具や装飾が住宅の魅力を十分に引き出せない場合もあることを認識しておく必要があります。

売却後に仮住まいをする可能性がある

引き渡し時期と新居の入居時期にズレが生じた場合、一時的な仮住まいが必要になることがあり、この点は事前に十分な検討が必要です。特に新築住宅を次の住まいとして購入する場合や、中古住宅でもリフォームを予定している場合は、工期の遅れなどによって入居時期が予定より後ろにずれ込むリスクがあります。

その際には賃貸住宅やマンスリーマンションなどの仮住まいを確保する必要が生じ、家賃や敷金、引っ越し費用の二重負担など、予想以上の出費が発生する可能性があります。
また、家財道具の一時保管場所の確認や、子どもの通学や仕事場までの交通手段の確保など、生活面での様々な調整も必要となるため、売却計画の初期段階から仮住まい期間の可能性を考慮に入れておくことが大切です。

住ながら家を売るためのコツ

住みながらの住宅売却を成功させるには、日常生活と売却活動を両立させる戦略的なアプローチが不可欠です。
多くの売主が見落としがちな細部への配慮が、最終的な売却価格や成約までの期間に大きく影響します。
市場競争力を高め、買主の心を掴むための実践的なノウハウをご紹介します。

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掃除をして綺麗な状態を保っておく

内覧の機会がいつでも持てるよう、日常的に清潔で整理された状態を維持することが売却活動を成功に導くポイントとなります。特に購入検討者の目が集中しやすい水回りは清潔感が重要で、キッチン、浴室、トイレなどは常に清潔な状態を保つよう心がける必要があります。また収納スペースについては、整理整頓を行い過度な荷物の詰め込みを避けることで、収納力の高さをアピールすることができます。

さらに玄関周りや窓ガラス、床などの共用部分も定期的な清掃が欠かせず、これらの手入れが行き届いていることで物件の管理状態の良さを印象付けることができます。ただし完璧を求めすぎず、実際の生活に支障が出ない程度の清潔感を維持することが、長期的な売却活動では重要となります。

内覧時に丁寧な対応をする

購入検討者との直接のコミュニケーションは、家の魅力を最大限に伝えられる貴重な機会となります。
住んでいるからこそ分かる季節ごとの日当たりの特徴や収納の使い勝手、室内の温熱環境、近隣のコミュニティの雰囲気など、物件資料だけでは伝わりにくい生活実感のある情報を自然な形で共有することができます。

また、学校や公共施設までの実際の所要時間、地域の行事や住民同士の交流、災害時の避難経路など、実生活者だからこそ把握している地域情報も、購入検討者の安心感につながる重要な要素となります。
あまり私的な情報の共有は控えめにして、物件の魅力と実用的な情報に焦点を当てた会話を心がけることで、より効果的なアピールが可能となるでしょう。

計画的な新居探し

売却と並行して新居の検討を進めることは、スムーズな住み替えを実現する上で非常に重要なポイントとなります。
理想的なのは、売却活動を開始する前の段階から、希望エリアや物件タイプ、予算などの基本的な条件を明確にしておくことです。

現在の住まいでの生活の中で感じている不便な点や改善したい点を整理し、新居に求める条件として反映させていくと同時に、住宅ローンの返済計画や諸経費も含めた現実的な予算設定を行うことが賢明です。
また、気になる物件があれば実際に内覧に行き、新居選びの参考にすることで、売却が決まった際にスムーズに契約まで進められる準備が整います。

特に、人気エリアや希少性の高い物件を検討している場合は、市場動向をこまめにチェックし、好条件の物件があれば迅速に動ける態勢を整えておくことが大切です。

複数社への査定依頼

適正な売却価格を知るために、複数の不動産会社に査定を依頼することは、成功への大きなステップとなります。
一般的に3社以上の不動産会社に依頼することで、各社が持つ独自の市場分析や取引実績に基づいた多角的な価格評価を得ることができます。

また、査定時の対応の丁寧さ、市場分析の詳細度、販売戦略の具体性、過去の売却実績など、不動産会社選びの重要な判断材料も同時に確認することができます。

特に住みながらの売却では、内覧対応や買主とのコミュニケーション面でのサポート体制も重要となるため、売却価格だけでなく、担当者の経験や提案力、フォロー体制なども含めて総合的に評価することで、より良いパートナー選びが可能となります。

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住ながら家を売る際の事前準備

住みながらの売却を成功させるためには、しっかりとした事前準備が欠かせません。
準備不足は、売却活動の長期化や希望価格での売却機会の損失につながる可能性があります。

ここでは、売却開始前に必ず確認しておくべき重要な項目について解説します。
適切な準備により、より効率的で効果的な売却活動が可能となるでしょう。

売却の価格相場を把握する

近隣の類似物件の取引価格や不動産情報サイトでの相場確認は、適切な売却価格を設定する上で重要な第一歩となります。
特に築年数や間取り、駅からの距離が近い物件の成約価格は、自宅の価値を判断する上で貴重な参考指標となります。また、同じエリア内でも地域特性や日当たり、道路付けなどの個別条件によって価格に大きな差が生じることがあるため、できるだけ多くの取引事例を集めることが望ましいでしょう。

さらに、不動産情報サイトで確認できる周辺の売り出し価格の推移や販売期間なども、市場動向を把握する上で有効な情報となります。このような市場調査を通じて得られた情報は、不動産会社との価格交渉や、最終的な売却価格の判断材料として活用することができます。

住宅ローン残高と自己資金の確認

現在の住宅ローン残高を正確に確認し、売却後の返済計画を立てることは、住み替えを成功させる重要な財務的基盤となります。金融機関から残高証明書を取り寄せ、売却予定価格から諸経費を差し引いた金額で完済が可能かどうかを慎重に確認する必要があります。

また、新居の購入に関しては、頭金や諸費用、引っ越し費用、さらには新しい住宅ローンの返済計画まで含めた総合的な資金計画が必要です。仮住まいが必要となる場合は、家賃や敷金などの一時的な出費も考慮に入れておくことで、予期せぬ資金不足を防ぐことができます。

さらに、リフォームや修繕費用などの売却準備に関わる支出も想定しておくことで、より確実な資金計画を立てることが可能となります。

まとめ

今回は、住みながらの家の売却について、その方法やメリット・デメリット、具体的なコツまで詳しく解説してきました。
住みながらの売却は、適切な準備と対応があれば十分に実現可能な選択肢です。

時間的な余裕を持って進められる反面、内覧対応などの手間も必要となります。売却を検討される際は、本記事で紹介した方法やポイントを参考に、ご自身の状況に合った進め方を選択してください。
不安な点や詳しい相談事がございましたら、豊富な経験と実績を持つ恵比寿不動産へお気軽にご相談ください。
専門スタッフが丁寧にサポートいたします。

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檜垣知宏:宅地建物取引士

株式会社ライフアドバンス代表取締役の檜垣知宏です。 2014年8月に設立し、恵比寿不動産という屋号で賃貸仲介・売買仲介・賃貸管理を行う不動産業者です。 不動産業界歴15年の経験を生かし、 運営しているサービスサイトである「不動産の相談窓口」の運営者も務めております。

保有資格:宅地建物取引士