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不動産売却にかかる税金と計算方法まとめ!節税方法も紹介

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檜垣知宏:宅地建物取引士のアバター

檜垣知宏:宅地建物取引士

この記事のポイント

  • 売却手続きと譲渡所得税の仕組みを解説

  • 節税特例を活用する方法を紹介

  • 納付タイミングを把握し、準備を推奨

不動産を売却する際には、さまざまな費用が発生します。その中でも特に重要なのが「税金」です。不動産売却時に必要な税金の知識を持たないと、予想外の支出に驚き、資金計画が狂ってしまうこともあります。

そこで今回は、不動産売却に必要な費用の中から「税金」に焦点を当てて詳しく解説します。不動産売却時の税金に関する知識を事前に身につけておくことで、余裕を持って対応できるだけでなく、節税対策にも役立てることができます。

不動産売却時にかかる税金は、大きく分けて以下の2種類に分類されます。

  1. 売却手続きに必要な税金
  2. 売却益が発生した場合に課される税金

この記事では、それぞれの税金の内容や計算方法、さらに支払う税金を減らすための方法についても説明します。マイホームの売却や投資用不動産の売却を検討している方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

また、税金以外にも注意すべき点や事前準備について簡単に触れながら、初めての不動産売却でも迷わないようサポートします。税金の仕組みを理解し、有利な売却計画を立てる一助となれば幸いです。

目次

不動産売却にかかる税金

不動産を売却する際には、売却手続きに関連して税金が発生します。ここでは、手続きに必要な税金の種類とその概要を詳しく解説します。

印紙税

印紙税は、不動産売買契約書などの「課税文書」とされる特定の書類に課される税金です。課税対象となる書類には収入印紙を貼り、消印を行うことで納税が完了します。印紙税額は契約書に記載された金額によって異なります。

なお、2027年3月31日までの間、不動産売買契約書や建築請負契約書など特定の契約書については軽減税率が適用される特例措置があります。これにより、通常の税率(本則税率)よりも低い税額で済みます。

印紙税の金額例

以下に、契約金額ごとの印紙税額を本則税率と軽減税率の両方で示します。

契約金額本則税率軽減税率
100万円を超え500万円以下2,000円1,000円
500万円を超え1,000万円以下1万円5,000円
1,000万円を超え5,000万円以下2万円1万円
5,000万円を超え1億円以下6万円3万円
1億円を超え5億円以下10万円6万円

印紙税の注意点
• 消印が未実施の場合や収入印紙の貼付が不足している場合は、不足分を追納する必要があります。
• 不動産売却契約を行う前に、適切な税額が貼付されていることを確認しましょう。

印紙税は売却手続きに欠かせない税金であり、契約金額が高いほど税額も増えるため、事前に理解しておくことが重要です。軽減税率が適用される今のうちに契約を進めることは、節税につながります。

登録免許税

登録免許税とは、不動産や会社などの登記手続きを行う際に課される税金です。不動産売買の場合、この税金は司法書士の報酬や書類取得費用と併せて「登記費用」として司法書士へ支払うのが一般的です。納税は、登記申請時に収入印紙を使用して行われます。

売主が負担する登録免許税

売主が支払う登録免許税は、主に以下のケースで発生します。

  1. 抵当権抹消登記
    売却する物件に住宅ローンの抵当権が設定されている場合、売却資金でローンを完済した後、その抵当権を抹消するために「抵当権抹消登記」が必要です。この手続きは、買主への「所有権移転登記」を行う前に完了させる必要があります。通常、売主の抵当権抹消登記と買主の所有権移転登記は、決済日に連件(続けて申請)で行われます。
  2. 住所変更登記
    売主の住所が登記簿に登録されているものと異なる場合、売却時点で「住所変更登記」が必要となることがあります。

抵当権抹消登記にかかる登録免許税は、不動産1件につき1,000円です。なお、この「1件」とは、土地1筆や建物1棟を指します。そのため、例えば土地が3筆で建物が2棟の場合、合計5件分、つまり5,000円の登録免許税が発生します。

買主が負担する登録免許税

一方、買主が負担する登録免許税は以下の手続きに必要です。

  1. 所有権移転登記
    売主から買主への名義変更を行う際に必要な登記です。不動産の購入において最も重要な手続きの一つです。
  2. 抵当権設定登記
    住宅ローンを利用して不動産を購入する場合、借入金の担保として抵当権を設定する登記が必要です。

これらの登録免許税の金額は、登記する内容や不動産の評価額に基づいて決定されます。また、一定の条件を満たす場合には軽減措置が適用されることもあるため、あらかじめ確認しておくことが重要です。

登録免許税は不動産売却・購入の際に発生する費用の一つであり、契約を成立させるためには欠かせません。余裕を持った資金計画を立て、スムーズな取引を進めるためにしっかりと理解しておきましょう。

仲介手数料等にかかる消費税

不動産を売却する際、多くの場合、不動産会社に仲介を依頼します。売買が成立すると、不動産会社に対して成功報酬として支払う仲介手数料が発生します。この仲介手数料には消費税が課されるため、売却時のコストに含めておく必要があります。

仲介手数料の金額は売買価格に応じて変動し、売買価格が高額になるほど消費税の額も増加します。法律によって仲介手数料の上限額が定められており、売却価格が400万円を超える場合は、以下の計算式で求められます。

仲介手数料の計算式

仲介手数料 = 売買価格 × 3% + 6万円 + 消費税

たとえば、3,000万円で不動産を売却した場合、仲介手数料は以下のようになります。

  1. 仲介手数料(税抜): 3,000万円 × 3% + 6万円 = 96万円
  2. 消費税: 96万円 × 10% = 9.6万円
  3. 合計: 96万円 + 9.6万円 = 105.6万円

これにより、仲介手数料の総額は約105.6万円となります。

売却益が出た場合に発生する「譲渡所得税」

不動産を売却した際に利益(譲渡益)が発生すると、その利益に対して所得税や住民税などが課されます。この税金は一般的に「譲渡所得税」と呼ばれ、不動産や株式などの資産を売却した際、売却価格から取得費や売却費用を差し引いた「譲渡所得」がプラスになった場合に課税されます。

譲渡所得税を構成する税金

譲渡所得税は以下の3つの税金で構成されています。
• 所得税
• 住民税
• 復興特別所得税(東日本大震災の復興を目的とした税金で、2037年までの支払いが義務付けられています)

譲渡所得にかかる税率は、不動産の所有期間や用途(自己居住用か否か)によって異なります。特に、所有期間が5年以下の短期譲渡所得と、5年超の長期譲渡所得では、税率に大きな差があります。これにより、売却益が大きい場合は税額も大幅に異なるため、事前に税率を確認することが重要です。

不動産の所有期間は、売却した年の1月1日時点での経過年数で判定されます。たとえば、2019年7月10日に購入した不動産を2024年12月1日に売却する場合、2024年1月1日時点で所有期間が5年未満であれば短期譲渡所得として扱われます。

所有期間5年以下の税率

短期譲渡所得に該当する所有期間5年以下の不動産に適用される税率は以下の通りです。
• 所得税: 約30%
• 住民税: 約9%
• 復興特別所得税: 約0.63%
• 合計: 約39.63%

この高税率が適用されるため、所有期間が5年以下の場合、売却益が大きいと税負担も重くなります。

私有期間5年超の税率

所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得に該当し、税率が大幅に軽減されます。
• 所得税: 約15%
• 住民税: 約5%
• 復興特別所得税: 約0.315%
• 合計: 約20.315%

また、所有期間が10年を超え、さらに一定の条件を満たす場合は「軽減税率の特例」が適用され、税率がさらに低くなる場合もあります。

所有期間が5年を超えると税率が半分近くに抑えられるため、売却時期を調整することが節税につながる可能性があります。また、自己居住用の不動産の場合、3,000万円の特別控除などの税制優遇措置を活用することで、課税額をさらに抑えることが可能です。

譲渡所得税は、所有期間や用途に応じて税率が大きく異なります。売却計画を立てる際は、これらの税率や優遇措置を事前に確認し、必要に応じて税理士や不動産会社に相談することをおすすめします。

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譲渡所得税の計算方法

不動産を売却した際、売却益が発生すると、譲渡所得税が課されます。不動産は高額資産であるため、譲渡所得にかかる税金も多額になる可能性があります。そのため、「どれくらい税金を支払う必要があるのか」を知っておくことは、適切な資金計画を立てる上で非常に重要です。

譲渡所得税の計算は物件の用途や所有年数によって税率が異なるため、計算手順を正確に理解しておく必要があります。ここでは、初めて不動産を売却する方にも分かりやすいよう、譲渡所得税の計算手順を具体的に解説します。

譲渡所得の計算方法

譲渡所得を計算するための基本的な式は以下の通りです。

譲渡所得 = 譲渡収入金額 – (取得費 + 譲渡費用)

• 譲渡収入金額
売却価格に加えて、売主が受け取る固定資産税や都市計画税の精算金も含みます。

• 取得費
物件購入時にかかった費用(購入代金、仲介手数料、登記費用など)。また、建物については減価償却費を差し引いた額を使用します。

• 譲渡費用
売却時に発生する諸費用(仲介手数料、測量費用、解体費用、印紙税など)。

建物の減価償却費は、建物が経年劣化によって価値が下がった分を反映したものです。以下の式を使用して計算します。

減価償却費 = 建物購入価格 × 償却率 × 経過年数

• 償却率は建物の耐用年数によって異なり、詳細は国税庁の公式サイトで確認できます。
• 経過年数は、購入から売却時点までの年数(1年未満は6ヶ月未満が切り捨て、6ヶ月以上は切り上げ)。

譲渡所得を計算した後、特別控除の特例が適用される場合、譲渡所得から特別控除額を差し引くことができます。特別控除については後で詳しく説明します。ここでは、どこで控除額を引くのかだけ把握してください。

特別控除額を差し引いた後、残った金額を「課税譲渡所得」と呼びます。控除後の金額がマイナスになる場合、課税額はゼロになります。

譲渡所得税の計算方法

課税譲渡所得が算出できたら、そこに税率を掛けて譲渡所得税の額を求めます。税率は所有期間によって異なり、以下の通りです。

• 短期譲渡所得(所有期間5年以下)
税率: 39.63%(所得税30%、住民税9%、復興特別所得税0.63%)

• 長期譲渡所得(所有期間5年超)
税率: 20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)

【計算例】

ケース1: 短期譲渡所得

• 売却価格: 4,800万円
• 取得費: 3,950万円(購入代金3,700万円 + 購入時の諸費用250万円 – 減価償却費50万円)
• 譲渡費用: 250万円

譲渡所得 = 4,800万円 – (3,950万円 + 250万円) = 600万円
譲渡所得税 = 600万円 × 39.63% = 237万7,800円

ケース2: 長期譲渡所得

条件は同じですが、所有期間が5年を超えている場合:
譲渡所得 = 600万円
譲渡所得税 = 600万円 × 20.315% = 121万8,900円

注意点と節税のポイントは次の通りです。

• 所有期間の確認
売却時点の所有期間が税率に影響するため、売却時期を調整することで節税が可能です。

• 専門家の活用
複雑な計算や控除の条件を正確に把握するためには、税理士や不動産会社への相談がおすすめです。

適切な計算方法と控除を活用すれば、譲渡所得税の負担を軽減することが可能です。不動産売却を検討している方は、この記事を参考に資金計画を立ててください。

譲渡所得税に利用できる4つの特例

不動産を売却して売却益が出た場合、税金の負担を少しでも軽減したいと考える方も多いでしょう。売主が活用できる税金対策として知っておきたいのが、不動産売却時に適用可能な「譲渡所得税の特例」です。これには、特別控除や軽減税率など、節税につながるさまざまな制度が含まれます。

特例にはいくつかの種類があり、それぞれの適用要件は異なります。売却する不動産の種類や所有期間、取引条件などと照らし合わせながら、どの控除や特例が自分に適用できるか確認することが重要です。

また、これらの特例を利用するには、売却した翌年に確定申告を行うことが必須です。売却益が発生した場合は、事前に特例を確認し、利用する場合は必ず確定申告を行いましょう。なお、会社員の場合でも、譲渡所得がある場合は年末調整とは別に申告が必要です。

居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例

不動産を売却する際、この特例を利用すれば売却で得た利益(譲渡所得)から最大3,000万円を控除できる可能性があります。居住用財産として自ら住むための物件が対象で、賃貸用(投資用)マンションやアパート、更地、長期間空き家となっている住宅などは対象外です。

この特例を適用できれば大きな節税効果が期待できますが、いくつかの要件や注意点があります。適用を検討する際は、以下のポイントを確認してください。

  1. 住宅ローン控除との併用は不可
    3,000万円特別控除を利用した場合、その年の住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は適用できません。また、以下の場合も特例の適用外となります。
    • マイホームを売却した年、前年、または前々年に「買い替えの特例」や「交換の特例」を受けた場合。
    • この特例を利用した後、新たに住宅ローンを利用して住宅を購入する場合は住宅ローン控除が使えません。
    売却後に新居を購入する予定がある場合は、どちらの控除が有利かを事前にシミュレーションすることが重要です。
  2. 所有者が居住していた住宅に限られる
    この特例が適用されるのは、売却時点で「所有者が住んでいた住宅」に限られます。たとえ住まなくなっていても、転居後3年目の年末までに売却を完了すれば特例の対象となります。ただし、この期間を超えた場合は適用されません。
    • 例外: 所有者が老人ホームや介護施設に転居している場合、一定の条件を満たせば控除対象となる場合があります。
  3. 相続した住宅は原則として対象外
    通常、相続によって取得した住宅にはこの特例は適用されません。ただし、「被相続人の居住用財産(空き家)の3,000万円特別控除」の特例を利用できる場合があります。

適用するための流れは次の通りです。

  1. 必要書類の準備
    • 売却した住宅が居住用財産であることを証明する書類(住民票の写しなど)。
    • 売買契約書や不動産登記簿謄本。
  2. 確定申告を行う
    特例を利用するためには、売却した翌年に確定申告を行う必要があります。申告がない場合、控除は適用されません。
  3. 専門家への相談
    条件が複雑な場合や適用に迷う場合は、税理士や税務署に相談するとスムーズです。

具体的な活用例( 居住用財産を売却した場合)
• 売却価格: 4,500万円
• 取得費および譲渡費用: 2,000万円
• 譲渡所得: 4,500万円 – 2,000万円 = 2,500万円
この場合、譲渡所得が3,000万円以下のため、特例を利用すると税額はゼロになります。

この特例を利用する際は、国税庁の公式サイトや税務署で最新情報を確認してください。

マイホームを売ったときの軽減税率の特例

マイホームを売却した際、この特例を利用することで、長期譲渡所得に対する税額が軽減される場合があります。通常、長期譲渡所得にかかる譲渡所得税の税率は20.315%ですが、この特例を適用すると、課税譲渡所得の6,000万円以下の部分に対して14.21%の軽減税率が適用されます。なお、6,000万円を超える部分には通常の長期譲渡所得税率が適用されます。

特例の適用要件

  1. 売却する物件が自らの居住用財産であること。
  2. 売却した年の1月1日時点で所有期間が10年を超えていること。

軽減税率適用後の具体例
• 売却価格: 8,000万円
• 譲渡所得: 6,500万円
• 6,000万円以下の部分 → 税率14.21%適用
• 6,000万円超過部分(500万円) → 税率20.315%適用

計算例:
6,000万円 × 14.21% = 852.6万円
500万円 × 20.315% = 101.575万円
合計税額 = 852.6万円 + 101.575万円 = 約954.175万円

この特例を活用すれば、通常の税率よりも大幅に税額を軽減することができます。ただし、適用には要件を満たす必要があるため、事前に専門家に相談すると安心です。

特定のマイホーム(居住用財産)を買い換えたときの特例

この特例を利用すれば、一定の要件を満たした場合、売却時に発生する譲渡所得税の納税を将来に繰り延べることが可能です。この特例は、現在のマイホームを売却して新たに住宅を購入する際に活用でき、特に売却益が大きい場合に効果的です。

特例の仕組み

  1. 売却金額よりも新居の購入金額が高い場合
    → 譲渡所得に対する課税が繰り延べられ、新居を売却する時まで課税されません。
  2. 売却金額より新居の購入金額が低い場合
    → 購入金額と同額までは繰り延べの対象となりますが、差額部分に対しては譲渡所得税が課税されます。

特例の適用要件

  1. 売却する住宅が自らの居住用財産であり、所有期間および居住期間がその年の1月1日時点で10年を超えていること。
  2. 新たな住宅の購入が、売却した年またはその翌年末までに行われること。
  3. 2025年12月31日までにマイホームの売却が完了していること。

適用例
<パターン1>
• 売却価格: 7,000万円
• 新居購入金額: 8,000万円
→ 全額が繰り延べ対象となり、譲渡所得税は課されません。

<パターン2>
• 売却価格: 7,000万円
• 新居購入金額: 6,000万円
→ 繰り延べ対象は6,000万円までで、差額1,000万円に対して譲渡所得税が課税されます。

注意点
• 特例の適用には確定申告が必須です。
• 新居購入後の税務手続きや、繰り延べ後の課税タイミングについて事前に計画を立てましょう。

これらの特例を活用することで、大幅な節税効果が期待できます。売却や買い替えを検討している方は、ぜひ事前に条件を確認し、税理士や専門家に相談することをおすすめします。

マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

不動産を売却した際に譲渡損失が発生すると、多くの場合、確定申告を行う義務はありません。しかし、損失が発生した場合でも「損益通算」という制度を活用することで、税金の負担を軽減できる場合があります。損益通算は、その年の所得における黒字部分と赤字部分を相殺する仕組みで、譲渡損失をほかの所得と相殺することが可能です。

さらに、特定の要件を満たす場合には、「損益通算」に加えて「繰越控除」も利用できます。この特例は、譲渡損失がその年の所得を上回る場合、翌年以降最大で3年間にわたって損失を繰り越し、税額控除を受けられるというものです。

特例の適用要件

  1. 売却した住宅が居住用財産であること。
  2. 住宅ローンの残高が、売却価格を上回ること(いわゆるオーバーローン状態)。
  3. 所有期間が5年を超えていること(売却した年の1月1日時点で判定)。
  4. 新たに購入する住宅が一定の要件を満たしている場合、買い替え後もこの特例を利用可能。
  5. 売却が2025年12月31日までに完了していること。

具体的な適用例
• 旧居宅の売却価格: 2,000万円
• 住宅ローン残高: 3,000万円
• 譲渡損失: 1,000万円(住宅ローン残高3,000万円 – 売却価格2,000万円)

この場合、1,000万円の譲渡損失を損益通算として、他の所得(給与所得や事業所得など)と相殺することができます。さらに、1,000万円を超える場合、翌年以降最大3年間にわたり繰越控除が可能です。

マイホームを買い換えた場合の特例

「マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例」では、以下のようなケースで適用されます。

  1. 新居購入価格が旧居宅の売却価格を上回る場合
    • 全額が損益通算および繰越控除の対象となります。
  2. 新居購入価格が旧居宅の売却価格を下回る場合
    • 新居購入価格を超える部分には譲渡所得税が課税されます。

損益通算と繰越控除の効果
• 損益通算により、その年の所得税および住民税を軽減できます。
• 繰越控除を利用することで、譲渡損失を翌年以降の所得から控除し、税負担をさらに軽減可能。

注意点としては、この特例を利用するためには、確定申告が必須です。適用漏れを防ぐため、売却翌年の確定申告時に必要書類を揃えましょう。また、条件や計算方法が複雑になる場合は、税理士や専門家に相談することをおすすめします。

譲渡損失が発生した場合でも、「損益通算」や「繰越控除」の特例を活用することで、税負担を大幅に軽減できる可能性があります。特に、住宅ローンが残っている場合や新居の購入を伴う場合は、この特例を最大限に活用しましょう。

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税金を納付するタイミングと納付方法 (印紙税・登録免許税・譲渡所得税)

不動産売却にかかる税金には、売却時に発生する印紙税や登録免許税、さらに譲渡益が出た場合に課される譲渡所得税など、さまざまな種類があります。それぞれの税金に応じた納付時期や方法を正しく把握することで、スムーズに売却手続きを進めることができます。

税金の支払い期限を過ぎると、督促状や延滞金が発生するリスクがあるため、納付スケジュールを事前に確認しておくことが重要です。以下に、税金ごとの納付時期と納付方法を詳しく解説します。

印紙税
• 納付時期: 売買契約を結んだとき
• 納付方法:

  1. 収入印紙を購入し、売買契約書に貼付します。
  2. 貼付した印紙に消印を行うことで納税完了となります。

印紙税の額は契約書の金額によって異なり、2027年3月31日までは軽減税率が適用されます。

登録免許税
• 納付時期: 登記申請時(例: 抵当権抹消登記など)
• 納付方法:

  1. 登記申請時に収入印紙を購入して納付します。
  2. 通常は、司法書士に登記費用を支払い、司法書士が代理で納税手続きを行います。

譲渡所得にかかる税金(所得税・住民税・復興特別所得税)

  1. 所得税
    • 納付時期: 売却した翌年の確定申告後
    • 納付方法: 確定申告時に発行される納付書を使用し、税務署や金融機関で納付します。
  2. 住民税
    • 納付時期: 所得税と同様、確定申告後に納付します。給与所得者の場合、確定申告後に自動で住民税が調整されるため、手続き不要の場合もあります。普通徴収の場合は、別途送付される納付書で支払いを行います。
  3. 復興特別所得税
    • 納付時期: 所得税と同じタイミング
    • 納付方法: 所得税と一括で納付します。

不動産売却にかかる税金の納付は、売却契約や登記、確定申告など、それぞれのタイミングで発生します。支払いスケジュールを正確に把握し、延滞がないように準備を整えましょう。特に、譲渡所得税に関しては確定申告が必要となるため、早めに必要書類を揃え、適切な手続きを行うことをおすすめします。

税金に関する疑問がある場合や納付手続きに不安がある場合は、税理士や専門家に相談することで、よりスムーズな対応が可能になります。

まとめ

不動産の売却には多くの税金が関わりますが、それらを正しく理解し、適切な対策を取ることで、節税やスムーズな売却が可能となります。本記事では、印紙税や登録免許税、譲渡所得税といった主な税金について詳しく解説しました。

税金対策を行う上で重要なのは、まず税金の種類を正確に把握することです。不動産売却に伴う税金には、印紙税や譲渡所得税など、手続きや売却益に関わるものが含まれます。また、節税のためには、居住用財産の3,000万円特別控除や軽減税率の特例といった制度を活用することがポイントです。さらに、契約や登記、確定申告など、各税金の納付時期を事前に確認し、遅延や追加費用を防ぐことも重要です。

不動産売却は高額な資金が動く取引であり、税金の処理を誤ると想定外のコストが発生する可能性があります。売却を成功させるためには、専門家のアドバイスを受けながら、正確な税金計算と手続きの準備を進めることが欠かせません。本記事の内容を参考に、税金対策をしっかりと行い、より有利な取引を目指してください。

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檜垣知宏:宅地建物取引士

株式会社ライフアドバンス代表取締役の檜垣知宏です。 2014年8月に設立し、恵比寿不動産という屋号で賃貸仲介・売買仲介・賃貸管理を行う不動産業者です。 不動産業界歴15年の経験を生かし、 運営しているサービスサイトである「不動産の相談窓口」の運営者も務めております。

保有資格:宅地建物取引士