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訳あり物件の買取と売却相談はどこがおすすめ?不動産会社と買取業者の選び方をご紹介!

この記事の監修者

檜垣知宏:宅地建物取引士のアバター

檜垣知宏:宅地建物取引士

この記事のポイント

  • 訳あり物件は「買取」と「仲介売却」どっちがいい?メリット、デメリットを徹底解説

  • 売却の成功は業者選びで決まる!信頼できる不動産会社の見極め方

  • 最適な売却方法で物件の魅力を最大化!効果的なアプローチとは?

「訳あり物件を手放したいけれど、どこに相談すればいいのだろう?」とお悩みではありませんか?
通常の不動産取引とは異なる複雑さや不安から、一歩踏み出せずにいる方も多いかもしれません。

そこで今回は、訳あり物件の買取や売却相談に最適な不動産会社と買取業者の選び方を徹底解説します。
適切な業者を選ぶポイントや、高値でスムーズに売却するためのコツもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

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目次

訳あり物件とはどんな物件?

訳あり物件とは、一般的な不動産と比べて何らかの問題や欠陥を抱えている物件のことを指し、主に以下の3つに分類されます。

心理的瑕疵物件(事件や事故の問題がある)

心理的瑕疵物件とは、自殺や殺人、事故死などが起きた物件で、これらの事実が入居者や購入者に心理的な不快感や忌避感を与える可能性があるものを指します。

具体的には、物件内で起きた自然死や病死、孤独死、自殺、他殺、事故死などが該当します。
また、近年では、暴力団員の居住や、違法薬物の製造など、犯罪に関連する事案も心理的瑕疵に含まれることがあります。
法律上、これらの事実に関する告知義務は明確には定められていませんが、宅地建物取引業法に基づく重要事項説明の一環として、取引の判断に重要な影響を及ぼす事項として、道義的に開示すべき情報とされています。

ただし、時間の経過とともに心理的瑕疵の程度は薄れていくとされ、一般的には事案発生から3年程度で告知義務が消滅すると考えられていますが、事案の重大性や地域性によってはより長期間の告知が必要とされる場合もあります。

環境的瑕疵物件(周辺環境に問題がある)

環境的瑕疵物件とは、物件自体には問題がなくても、周辺環境に居住者の生活に影響を与える何らかの問題がある不動産を指します。

具体的には、日当たりが極端に悪い、交通量の多い道路からの騒音がひどい、近隣工場からの悪臭がする、頻繁に水はけが悪くなるなどの問題が挙げられます。
また、嫌悪施設(ラブホテルや風俗店など)が近隣にある場合や、電波障害で通信環境が悪い、土壌汚染の可能性がある地域など、広義の環境問題も含まれます。

これらの問題は、居住者の日常生活の快適性や健康に直接的な影響を与える可能性があるため、物件の資産価値を大きく下げる要因となります。
そのため、環境的瑕疵物件は売却時に大きな障害となることが多く、売却までに長期間を要したり、大幅な値引きを余儀なくされたりすることがあります。

不動産取引において、これらの環境的要因は重要事項説明の対象となる場合が多いため、売主や不動産業者は適切な情報開示を行う必要があります。

法的瑕疵物件(法的に問題がある)

法的瑕疵物件とは、建築基準法違反や違法建築、所有権に問題があるなど、法律上の問題を抱えている不動産を指します。

具体的には、建ぺい率や容積率の超過、接道義務違反、用途地域規制違反などの建築基準法に関する問題や、無許可増築、違法な用途変更などの違法建築が挙げられます。
また、所有権に関する問題としては、相続トラブルによる権利関係の不明確さ、抵当権や差押えなどの担保権の設定、境界争いなどがあります。
さらに、賃貸借契約に関するトラブルや、マンション売却の場合は管理規約違反なども法的瑕疵に含まれることがあります。

これらの問題は、物件の適法性や権利関係に直接関わるため、解決までに多大な時間とコスト、専門家の介入が必要となることが多く、売却を著しく困難にする要因となります。
また、買主にとっても将来的な紛争リスクや追加コストの可能性があるため、取引時には十分な調査と情報開示が求められます。

法的瑕疵物件の売買には、弁護士や司法書士などの専門家のサポートが不可欠であり、問題解決後の再建築や権利関係の整理などを含めた総合的な対策が必要となる場合もあります。

訳あり物件は「買取」と「仲介売却」どっちがいい?

訳あり物件の売却方法には、主に「買取」と「仲介売却」の2つの選択肢がありますが、多くの場合は「買取」がおすすめです。
ここからは「買取」がおすすめな理由と、それぞれのメリット・デメリットを確認していきましょう。

訳あり物件は「買取」がおすすめ

訳あり物件は一般的な不動産よりも売却が困難なため、多くの場合、買取を選択することが最適な解決策となります。

買取業者は訳あり物件の特性や市場動向を熟知いることから、適切な価格設定と迅速な対応が可能であり、これによって確実かつスピーディーな売却が実現できます。
特に心理的瑕疵や法的問題を抱える物件の場合、一般の買主を見つけることは非常に困難ですが、買取業者はこれらの問題を十分に理解した上で取引を行うため、売主の大きな負担軽減につながります。

環境的瑕疵がある場合でも、買取業者は長期的な視点で物件の価値を判断できるため、比較的公平な評価を得られる可能性が高まります。
さらに、買取は仲介売却と比較して手続きが簡素化されているため、売却にかかる時間とストレスを大幅に削減できるメリットがあります。

このように、買取は訳あり物件特有の課題に対して効果的な解決策を提供します。
売却の確実性、迅速性、手続きの簡便さ、そして専門的な対応など、多くの利点を兼ね備えているのです。
複雑な問題を抱える物件でも、買取を通じてスムーズな売却プロセスを実現できる可能性が高く、所有者の負担を大きく軽減することができるのです。

訳あり物件を「買取」してもらうメリット

通常の不動産仲介売却と比べ、買取には様々なメリットがあり、特に複雑な問題を抱える物件の売却を円滑に進めることができます。
以下に、買取の主なメリットをご紹介します。

手間と時間をかけずに現金化できる

手間と時間をかけずに現金化できることは、訳あり物件の買取における最大のメリットの一つです。

通常の不動産売却では、物件の広告掲載から始まり、内覧対応、購入希望者との価格交渉など、多くの手順と時間を要します。
特に訳あり物件の場合、これらのプロセスがさらに長期化する傾向にあり、売主にとって大きな負担となります。

一方、買取の場合は、このような複雑なプロセスを回避できます。
専門の査定員が物件を評価し、速やかに買取価格を提示、その後、売主がこの条件に合意すれば、直ちに契約締結へと進むことができるのです。
多くの買取業者は、申し込みから最短で1週間程度での資金化を実現しており、急な資金需要にも柔軟に対応可能です。

さらに、買取では物件を現状のままで引き取ってもらえるため、売主はリフォームや修繕、清掃などの手間や費用を省くことができます。
これは、特に訳あり物件の所有者にとって大きな負担軽減となります。

このように、買取は売主にとって手間と時間の大幅な節約になるだけでなく、早期の資金調達を可能にする効果的な方法です。
複雑な問題を抱える訳あり物件でも、買取を利用することで、スムーズかつ迅速な売却プロセスを実現し、所有者の様々なニーズに応えることができるのです。

周囲に知られずに売却できる

買取の大きなメリットの一つは、買主が業者1社のみであるため、近隣住民や知人に売却の事実を知られにくくなることです。

通常の不動産売却では、「売却中」の看板設置や、複数の潜在的購入者による内覧などが行われるため、物件の売却が周囲に知れ渡りやすくなります。
特に訳あり物件の場合、その理由によっては所有者が風評被害を恐れたり、プライバシーを守りたいと考えたりすることがあります。

買取では、こうした公になりやすい販売活動が不要となり、極めて秘匿性の高い取引が可能になります。
例えば、心理的瑕疵物件の場合、その事実を近隣に知られたくない場合や、経済的な理由で急ぎ売却する必要がある場合など、個人的な事情を周囲に悟られたくない状況で特に有効です。
また、法的問題を抱える物件の場合も、問題解決までのプロセスを公にせずに進められるメリットがあります。

このように、買取は売主のプライバシーを守りつつ、スムーズな売却を実現する手段としても、多くの所有者から選ばれています。

仲介手数料がかからない

買取の経済的メリットの一つは、仲介業者を介さないため、仲介手数料が不要となることです。

通常の不動産売却では、売主は宅地建物取引業法に基づき、取引価格の3%+6万円(消費税別)を上限とする仲介手数料を支払う必要があります。
例えば、3,000万円の物件を売却する場合、最大で96万円(消費税別)の仲介手数料が発生します。
これに対し、買取の場合は買取業者が直接購入するため、この仲介手数料が完全に不要となります。
特に訳あり物件の場合、売却価格が一般の物件より低くなる傾向にあるため、仲介手数料の節約は売主にとって大きな意味を持ちます。

また、仲介売却では、買主側の仲介業者への手数料も考慮して価格交渉が行われることがありますが、買取ではそうした複雑な要素も排除されます。
さらに、仲介手数料以外にも、広告料や重要事項説明書作成料なども不要となるため、売却に関わる諸経費を大幅に削減できます。

リフォームやクリーニングが不要

物件を現状のままで買い取ってもらえるため、リフォームやクリーニングなどの追加費用が不要となることも、買取のメリットの一つです。

通常の不動産売却では、物件の価値を高め、早期売却を実現するために、壁紙の張り替えや水回りの修繕、古くなった設備の交換など、様々なリフォーム工事を行うことがあります。
また、内覧に備えて専門業者によるハウスクリーニングを依頼するケースも多く見られます。
これらの費用は数十万円から数百万円に及ぶこともあり、売主にとって大きな負担となります。
特に訳あり物件の場合、その問題点を隠すためのリフォームが必要になることもあり、さらに高額な費用が発生する可能性があります。

しかし、買取ではこれらの作業が一切不要です。
買取業者は物件の潜在的な価値を見極める専門知識を持っているため、現状のままで適切な評価を行います。
例えば、老朽化した物件や、日常生活で生じた通常の汚れや傷がある場合でも、そのままの状態で買い取りが可能です。

このため、売主は時間と労力、そして多額の費用を節約することができ、よりスムーズで経済的な売却が実現できます。
さらに、リフォームによる予期せぬトラブルや工期の遅延などのリスクも回避できるため、売主にとって安心感のある選択肢となっています。

契約不適合責任を免責される

買取の重要なメリットの一つに、売主が契約不適合責任(旧称:瑕疵担保責任)を免責されることが多い点も挙げられます。
2020年4月の民法改正により、従来の「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」に変更されましたが、その本質は変わっていません。

通常の不動産取引では、売買契約後に物件に隠れた瑕疵(契約の内容に適合しない点)が見つかった場合、売主はその責任を問われる可能性があります。
これには、建物の構造上の問題や、設備の不具合、土地の土壌汚染などが含まれます。
特に訳あり物件の場合、このリスクは更に高くなりるでしょう。
しかし、買取の場合、買主が不動産の専門家である業者となるため、物件の状態を十分に理解した上で取引が行われます。
そのため、多くの買取契約では、売主の契約不適合責任が免除される特約が盛り込まれます。

これにより、売主は売却後に予期せぬトラブルや賠償請求に巻き込まれるリスクを大幅に軽減できます。
例えば、後日、建物に重大な欠陥が見つかったとしても、売主が修繕費用を負担したり、損害賠償を請求されたりする心配がありません。

この免責は、売主にとって大きな安心材料となり、特に複雑な問題を抱える訳あり物件の所有者にとっては、将来のリスクを回避する重要な選択肢となります。
ただし、売主が故意に瑕疵を隠蔽した場合などは例外となる場合があるため、取引時には正直な情報開示が重要です。

訳あり物件を「買取」してもらうデメリット

買取は多くのメリットがある一方で、いくつかの留意点も存在します。
これらのデメリットを理解することで、より適切な判断が可能になり、後悔のない売却を実現できます。
買取の特性上、避けられない側面もありますが、事前に把握しておくことで適切な対策を講じることができます。
以下に、買取の主なデメリットをご紹介します。

仲介での売却よりも買取価格が安くなる

買取取引の主なデメリットとして、仲介での売却と比較して売却価格が低くなる傾向がある点が挙げられます。
これは、買取業者が自社の利益を確保するために、市場価格よりも低い金額で買い取りを行うためです。

一般的に、買取価格は市場価値の70%〜80%程度になることが多く、物件の状態や立地によってはさらに低くなる場合もあります。
例えば、市場価値が3,000万円の物件であれば、買取価格は2,100万円〜2,400万円程度になる可能性があり、この価格差は買取業者がリスクを負担し、迅速な取引を実現するための対価と考えられます。

買取業者は、物件を購入した後にリフォームや改修を行い、適切なタイミングで再販売することで利益を得るビジネスモデルを採用しており、物件の保有期間中の固定資産税や管理費、さらには販売時の仲介手数料なども考慮して買取価格を設定します。
訳あり物件の場合、これらのコストやリスクがさらに高くなるため、買取価格が一般の物件よりも低くなる傾向が強まります。

ただし、仲介売却の場合でも、訳あり物件は市場価値が低く評価されやすいため、必ずしも買取が著しく不利というわけではありません。
売主は、この価格の低下を、迅速な売却や手続きの簡素化、将来のリスク回避などのメリットと比較考量し、自身の状況に応じて判断する必要があります。
また、複数の買取業者から見積もりを取ることで、より有利な条件を引き出せる可能性もあります。

訳あり物件を「仲介売却」するメリット

仲介売却のメリットも理解することで、自身の物件や状況に最適な売却方法を選択する際の判断材料となります。
以下に、仲介売却の主なメリットをご紹介します。

自分の希望価格で売却に出せる

仲介売却の最大のメリットは、売主が希望する価格で物件を市場に出せる点です。

売主は不動産会社のアドバイスを参考にしつつも、最終的な価格決定権を持ちます。
よって、物件への思い入れ、投資した費用、将来の市況予測など、自身で様々な要因を分析、考慮した価格設定が可能です。

また、仲介売却では市場の反応を見ながら柔軟な価格調整が可能であり、当初は高めの価格で出品し、反応を見て徐々に調整するといった戦略も取れます。
さらに、複数の購入希望者が現れれば、競争原理が働いて予想以上の高値での売却も期待できます。

ただし、訳あり物件の場合、希望価格での売却に時間がかかる可能性や、高すぎる価格設定により購入希望者が現れないリスクもあります。
そのため、不動産会社と綿密に相談しながら、適切な価格設定と柔軟な調整を行うことが重要です。

最終的に、条件が合えば市場価値以上の高値で売却できる可能性が、仲介売却の大きな魅力となっています。
特に、物件の真の価値を理解し評価してくれる理想的な買主に巡り合えれば、売主にとって非常に有利な取引となる可能性があります。
この潜在的な高値売却の機会こそが、仲介売却を選択する主要な理由の一つとなっているのです。

訳あり物件を「仲介売却」するデメリット

メリットがある一方、仲介売却にも考慮すべき重要なデメリットは存在します。
売主は、これらの課題を認識した上で、自身の状況に最適な選択をする必要があります。
以下に、仲介売却の主なデメリットをご紹介します。

売却するまで時間がかかる(確実に売却できるかわからない)

仲介売却の最大のデメリットは、売却完了までに長い時間がかかる可能性があり、さらに確実に売却できるという保証がないことです。

通常の物件でも売却までに数ヶ月かかることが一般的ですが、訳あり物件の場合はさらに長期化する傾向があります。
心理的瑕疵物件や法的問題を抱える物件では、売却までに1年以上かかるケースも珍しくありません。

この長期化の主な理由は、適切な買主を見つけることの難しさにあります。
訳あり物件の場合、その特殊性を理解し、受け入れられる買主は限られます。
例えば、事故物件や暴力団員の住居だった物件など、心理的瑕疵がある場合、多くの潜在的買主が敬遠する傾向にあります。
また、法的問題がある物件の場合、問題解決までの時間や費用を考慮できる買主を見つける必要があります。

さらに、物件の広告や価格交渉など、各プロセスにも時間を要します。
特に、訳あり物件の場合、慎重な情報開示と詳細な説明が必要となり、これらの過程がより長引く傾向にあります。

このように長期間の不確実性は、売主にとって大きなストレスとなる可能性があります。
特に、経済的な理由で急ぎ売却する必要がある場合や、遠隔地に所有する物件の管理に困っている場合など、時間的制約がある状況では大きな問題となります。

したがって、仲介売却を選択する際は、この時間的リスクを十分に考慮し、自身の状況に照らし合わせて判断する必要があります。
また、不動産会社と密に連携し、市場動向を注視しながら、適切なタイミングで価格調整を行うなど、柔軟な対応が求められます。

内覧の手間がかかる

仲介売却におけるデメリットの一つは、複数の潜在的な買主による内覧に対応する必要があり、これが売主にとって大きな手間と時間の負担となることです。

通常の物件でも内覧対応は煩わしいものですが、訳あり物件の場合、その負担はさらに増大する傾向にあります。
内覧の準備には、物件の清掃や整理整頓、必要に応じた簡易的な修繕など、様々な作業が含まれます。
特に訳あり物件の場合、物件の問題点を少しでも軽減して見せるために、より入念な準備が必要となることがあります。
例えば、日当たりが悪い物件であれば、照明を増やしたり、明るい色の装飾を施したりするなどの工夫が求められます。

また、内覧の日程調整も大きな負担となります。
潜在的な買主の都合に合わせて、平日の夜や休日に内覧の時間を設定する必要があり、売主の私生活に大きな影響を与える可能性があります。
特に、物件に居住しながら売却を進める場合、この負担は顕著です。

さらに、訳あり物件の場合、内覧時の説明にも細心の注意が必要です。
例えば、心理的瑕疵物件であれば、その事実を適切なタイミングで開示する必要があります。
また、法的問題を抱える物件であれば、問題の詳細や解決の見通しについて丁寧な説明が求められます。
これらの説明は、売主自身が行う場合もあれば、不動産会社の担当者が行う場合もありますが、いずれにしても売主の時間と労力が必要となります。

このような内覧の手間は、売主にとって精神的・肉体的な負担となるだけでなく、仕事や家庭生活にも影響を与える可能性があります。
特に、遠隔地に所有する物件の場合、内覧のたびに長距離移動が必要となり、さらなる負担増加につながります。

したがって、仲介売却を選択する際は、この内覧対応の負担を十分に考慮し、自身のライフスタイルや状況に照らし合わせて判断することが重要です。
不動産会社と協力し、効率的な内覧スケジュールの設定や、バーチャル内覧の活用など、負担を軽減する工夫を検討することも有効な対策となります。

契約不適合責任が免責されない

仲介売却、特に個人間取引の場合、売主は契約不適合責任(旧称:瑕疵担保責任)を負う可能性があり、これが大きなリスクとなります。

この責任は、売買契約の目的物である不動産が、取引の通念に照らして契約の内容に適合しない場合に生じます。
例えば、建物に雨漏りや白蟻被害があった場合、土地に土壌汚染があった場合などが該当します。

特に訳あり物件の場合、このリスクはさらに高くなります。
買主は、これらの不適合を理由に、修補請求、代金減額請求、損害賠償請求、さらには契約解除までも行う可能性があります。
売主がこれらの問題を認識していなかった場合でも責任を問われる可能性があり、売却後長期間(通常は引き渡しから1年以内、場合によってはそれ以上)にわたってこのリスクが続きます。

特に重大な契約不適合の場合、売主は多額の賠償金を支払わなければならない事態に陥る可能性もあります。
このリスクを軽減するためには、事前に建物状況調査(インスペクション)を行い、適切に情報開示することが重要です。
また、売買契約書に免責事項を明記すること(売主が納得するという前提)で、ある程度のリスク軽減は可能ですが、完全に免責されるわけではありません。

クリーニングなど費用がかかる

仲介売却では、内覧や引き渡しに向けて、クリーニングやメンテナンスなどの追加費用が必要になることが多く、これが売主にとって予想外の経済的負担となる可能性があります。
特に訳あり物件の場合、これらの費用は通常の物件以上にかさむ傾向にあります。

まず、内覧に向けたクリーニングが挙げられます。
プロのハウスクリーニング業者に依頼する場合、一般的な戸建住宅で10万円から30万円程度マンションでも5万円から15万円程度の費用が発生します。
訳あり物件、特に長期間放置されていた物件や、特殊な清掃が必要な物件(例:事故物件)の場合、この費用は更に高額になる可能性があります。

また、見栄えを良くするための簡易的なリフォームや修繕も必要になることがあります。
例えば、壁紙の張り替え(1部屋あたり5万円〜10万円程度)、床のワックスがけ(1部屋あたり1万円〜3万円程度)、庭の手入れ(5万円〜20万円程度)などが考えられます。
特に、環境的瑕疵のある物件の場合、これらの対策がより重要となり、費用も増加する傾向にあります。

さらに、物件の状態をより正確に把握し、適切に情報開示するための建物状況調査(インスペクション)も推奨されます。
この費用は、一般的な戸建住宅で5万円から15万円程度かかります。
訳あり物件、特に法的問題を抱える物件の場合、より詳細な調査が必要となり、費用が上昇する可能性があります。

これらの費用は、物件の売却価格に上乗せできるとは限らず、多くの場合、売主の純利益を減少させる要因となります。
特に、ローン残債が多い物件や、市場価値が低下している物件の場合、これらの追加費用が資金繰りを圧迫する可能性もあります。

仲介手数料がかかる

仲介売却の大きな特徴の一つは、不動産会社に仲介を依頼する際に仲介手数料が発生することです。
この手数料は、取引価格に応じて法律で上限が定められており、売主にとって無視できない経済的負担となります。

訳あり物件の場合、この仲介手数料が更に大きな負担となる可能性があります。
なぜなら、訳あり物件は一般的に市場価値が低く評価される傾向にあり、売却価格が当初の想定を下回ることが多いためです。
例えば、通常であれば3,000万円で売却できる物件が、訳あり物件であるために2,400万円でしか売却できない場合、売主の手取り額は大幅に減少しますが、仲介手数料は依然として無視できない金額が発生します。

さらに、仲介手数料以外にも、広告費、重要事項説明書作成費用、契約書作成費用などの諸経費が別途発生する場合があります。
これらの費用も含めると、売主の実質的な負担はさらに増加するのです。

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訳あり物件の買取相談はどこがおすすめ?

訳あり物件を買取ってもらう際、どこに相談すべきか悩むことも多いでしょう。
特に、通常の不動産とは異なる問題を抱える訳あり物件の場合、専門的な知識と経験を持つ相談先を選ぶことが成功のカギとなります。

訳あり物件の買取相談先としては、以下に紹介する2つの業者をおすすめします。
それぞれの業者の特徴やサービス内容を比較し、自身に最適な相談先を見つけることが、スムーズな売却を実現する第一歩です。

買取専門業者

買取専門業者は、訳あり物件の売却において非常に有力な選択肢となります。

これらの業者は、通常の不動産とは異なる特殊な事情を抱えた物件を日常的に取り扱っているため、その経験と専門知識を活かした迅速かつ適切な対応が期待できます。
特に、心理的瑕疵物件や法的問題を抱える物件など、一般の不動産会社では扱いにくい案件でも、買取専門業者なら柔軟に対応できることが多いです。

また、多くの買取専門業者が全国展開しているため、地方の物件や遠隔地にある不動産でも、スムーズな取引が可能です。
これは、地元の不動産市況に左右されることなく、幅広い地域の物件に対応できることを意味します。

さらに、大手の買取専門業者は豊富な資金力を持っているため、高額物件や複数の物件をまとめて売却したい場合でも対応可能です。
加えて、これらの業者は独自の再販ネットワークを持っていることが多く、物件の潜在的な価値を見出し、適切な評価をしてくれる可能性が高いです。

ただし、買取専門業者を選ぶ際は、その業者の実績や評判、対応の丁寧さなどをしっかりと確認することが重要です。
信頼できる業者を選ぶことで、スムーズで満足度の高い取引を実現できるでしょう。

地元の不動産会社

地元の不動産会社も、訳あり物件の買取相談先として非常に魅力的な選択肢です。
これらの会社は、長年にわたり地域に根ざして営業しているため、その地域特有の不動産事情に精通しています。

例えば、地域の開発計画や将来的な価値の変動、さらには地元住民の嗜好や需要傾向まで、細かな情報を把握していることが多いです。
この深い地域理解により、一見すると価値が低いと思われる訳あり物件でも、その潜在的な価値や将来性を適切に見出し、評価できる可能性が高くなります。

また、地元の不動産会社は、長年培ってきた地域内のネットワークを活用した売却支援が期待できます。
地元の建設会社、リフォーム業者、さらには潜在的な買主との繋がりを持っていることが多く、これらのネットワークを駆使して効果的な売却戦略を立てることができます。
例えば、訳あり物件の問題点を解決できる地元の専門業者を紹介したり、物件の特性を理解し受け入れられる地元の買主を見つけ出したりすることが可能です。

さらに、地元の不動産会社は、その地域特有の法規制や行政手続きにも精通しています。
これは特に、法的問題を抱える訳あり物件の場合に大きな利点となります。
地元の行政機関との良好な関係を活かし、必要な許認可の取得や問題解決のサポートを効率的に行うことができるでしょう。

加えて、地元の不動産会社は、売主と買主の双方に対してきめ細やかなサービスを提供できる可能性が高いです。
大手の買取専門業者と比べて規模は小さいかもしれませんが、その分、一つ一つの案件に対してより丁寧で個別的な対応が期待できます。
売主の事情をよく理解し、親身になってサポートしてくれるでしょう。

ただし、地元の不動産会社を選ぶ際は、その会社の訳あり物件の取扱い実績や、提供できるサービスの範囲をしっかりと確認することが重要です。
地域に精通していても、複雑な訳あり物件の取引に不慣れな場合もあるため、慎重に選択する必要があります。
適切な会社を選ぶことで、地域の特性を活かした効果的な売却が実現できるでしょう。

失敗しない買取業者・不動産会社の選び方

訳あり物件の売却を成功させるためには、信頼できる買取業者や不動産会社を選ぶことが不可欠です。
しかし、市場には多くの業者が存在するため、どの業者を選べば良いか迷うこともあります。
以下のポイントを踏まえ、信頼できる業者を選ぶことで、訳あり物件の売却を安心して進めることができるでしょう。

所有する訳あり物件の買取実績があるか?

訳あり物件の買取業者や不動産会社を選ぶ際、最も重要な判断基準の一つが、所有する物件と類似した買取実績をその業者が持っているかどうかです。

訳あり物件といっても、その種類や問題の性質は多岐にわたります。
例えば、心理的瑕疵物件、法的問題を抱える物件、構造上の欠陥がある物件など、それぞれに特有の課題や対応方法があります。

そのため、全ての種類の訳あり物件に対して同等のスキルや経験を持つ業者は稀であり、多くの場合は、特定の種類の訳あり物件に専門性を持つ業者が存在します。
その中から、自身の物件と類似した買取実績を持つ業者を選ぶことで、その物件特有の問題に対する深い理解と適切な対応が期待できます。

例えば、事故物件の買取実績が豊富な業者であれば、心理的瑕疵に関する法的要件や、そのような物件の適正な評価方法、さらには再販時の戦略まで熟知している可能性が高いです。
同様に、権利関係が複雑な物件の買取に強い業者であれば、所有権や抵当権の整理、登記手続きなどにおいて、豊富な経験とノウハウを持っているでしょう。

また、類似の買取実績を持つ業者は、その種類の訳あり物件に特化したネットワークを持っていることも多いです。
例えば、リフォームが必要な老朽化物件を多く扱う業者であれば、信頼できるリフォーム業者とのつながりがあり、適切な修繕計画と費用見積もりを提示できる可能性が高いです。

さらに、買取実績は業者の財務力や事業の安定性を判断する指標にもなります。
多くの類似物件を扱っているということは、その業者がその分野で一定の成功を収めており、安定した事業基盤を持っていることを示唆します。
これは、取引の安全性や確実性を考える上で重要な要素となります。

したがって、業者選びの際は、単に「訳あり物件を扱っている」というだけでなく、具体的にどのような種類の訳あり物件を、どれくらいの頻度で買い取っているのか、詳細に確認することが重要です。
可能であれば、過去の具体的な事例や成功事例を聞くことも有効でしょう。
これにより、その業者が自身の物件に対して最適なサポートを提供できるかどうかを判断することができます。

適切な実績を持つ業者を選ぶことで、スムーズで満足度の高い取引を実現する可能性が高まります。

口コミや評判はいいか?

買取業者や不動産会社を選ぶ際、その会社の口コミや評判を確認することも非常に重要です。
特に訳あり物件の取引においては、業者の信頼性や専門性が取引の成否を大きく左右するため、過去の顧客の体験談は貴重な情報源となります。

インターネット上の口コミサイトや不動産関連のフォーラム、さらにはSNSなどを通じて、幅広く情報を収集することが有効で、これらの情報源では、サービスの質や対応の丁寧さだけでなく、査定額の妥当性、取引のスピード、アフターフォローの充実度など、多角的な視点からの評価を得ることができます。

また、知人や地域のコミュニティからの口コミ情報も見逃せません。
直接的な体験談は特に信頼性が高く、細かなニュアンスまで把握できる可能性があります。
例えば、担当者の人柄や交渉力、予期せぬ問題が発生した際の対応力など、数値化しにくい要素も知ることができるでしょう。

ただし、口コミや評判を参考にする際は、情報の信頼性や偏りにも注意が必要です。
インターネット上の情報は匿名性が高いため、競合他社による誹謗中傷や、逆に業者自身による過度に良い評価の投稿がある可能性も考慮すべきです。
そのため、できるだけ多くの情報源から幅広く情報を集め、全体的な傾向を把握することが重要です。

さらに、口コミの内容を詳しく分析することも有効です。
例えば、否定的な評価の中にも、業者がどのように問題解決に取り組んだかという情報が含まれていることがあります。
このような対応力は、特に予期せぬ問題が発生しやすい訳あり物件の取引において重要な要素となります。

可能であれば、その業者と直接コンタクトを取り、初期段階での対応の様子を自身で確認することも推奨されます。
電話やメールでのやり取り、あるいは無料相談などを利用して、担当者の知識レベルや対応の丁寧さ、コミュニケーション能力などを直接評価することができます。

総合的に、良好な口コミや評判を持つ業者を選ぶことで、スムーズで満足度の高い取引を実現できる可能性が高まります。
ただし、最終的な判断は自身の直接的な印象や、具体的な提案内容を基に行うことが重要です。

慎重に業者を選ぶことで、訳あり物件の売却における多くのリスクを軽減し、望ましい結果を得ることができるでしょう。

士業との連携体制はあるか?

訳あり物件の買取や売却には、法律や税務に関する複雑な問題が絡むことも少なくありません。
そのため、不動産会社や買取業者を選ぶ際には、弁護士や税理士などの専門家との連携体制が整っているかどうかを確認することもポイントの一つです。

このような連携体制が整っている業者は、複雑な案件にも適切に対応できる可能性が高く、取引の安全性と円滑さを確保できます。
例えば、相続に絡む物件の場合、相続税の問題や遺産分割協議など、法律と税務の両面からのアプローチが必要となります。

また、訴訟や債務整理に関連する物件の場合も、法的な観点からの助言が不可欠です。
さらに、不動産取引に関する契約書の作成や確認、登記手続きなどにおいても、専門家のサポートは大きな安心感をもたらします。

このように、士業との連携体制が整っている業者を選ぶことは、予期せぬトラブルを回避し、スムーズな取引を実現できる可能性を高めるのです。

訳あり物件をより高く買取してもらうコツ

訳あり物件の売却において、できるだけ高い価格で買取してもらうことは売主にとって大きな関心事です。
しかし、通常の物件と比べて価格が低く抑えられがちな訳あり物件では、慎重かつ戦略的なアプローチが必要となります。
より高い買取価格を実現するためには、以下の点に注意しましょう。

複数の業者に査定を依頼する

訳あり物件をより高く買い取ってもらうためには、一社だけでなく複数の業者に不動産の査定を依頼することが非常に重要です。

各不動産会社や買取業者は、独自の査定基準や市場分析を持っており、同じ物件でも評価額が異なることがあります。
複数の業者から査定を受けることで、物件の適正価格の幅を把握でき、より高い買取価格を引き出せる可能性が高まります。

また、競合他社がいることを業者側に認識させることで、より良い条件を提示してもらえる可能性も出てきます。
さらに、各業者の対応や提案内容を比較することで、信頼性や専門性の高い業者を見極めることができます。
例えば、ある業者は物件の問題点を詳細に説明し、解決策を提案するかもしれませんし、別の業者はその問題をあまり重視せず、高めの査定額を提示するかもしれません。

ただし、むやみに多くの業者に依頼すると、かえって混乱を招く可能性があります。
3〜5社程度の査定を比較検討するのが一般的でしょう。
また、各業者の特徴や強みを事前に調査し、自分の物件に適した業者を選んで依頼することも大切です。

このように、複数の業者に査定を依頼することは、単に高額査定を得るだけでなく、総合的に最適な選択をするための重要なステップとなります。

独断でリフォームや修繕を行わない

訳あり物件の売却を考える際、売主が独自の判断でリフォームや修繕を行うことは避けるべきです。

訳あり物件の場合、その「訳あり」の部分に焦点を当てた対策が必要になることが多々あります。
一見、物件の価値を上げるように思えるこれらの行為が、実際には買主のニーズに合わず、無駄な投資になってしまう可能性が高いからです。
例えば、事故物件であれば、リフォームよりも適切な除霊や浄化儀式を行うことの方が、買主にとって重要かもしれません。
あるいは、法的問題がある物件の場合、内装の改善よりも権利関係の整理の方が優先されるべきでしょう。

したがって、リフォームや修繕を検討する際は、必ず不動産の専門家や買取業者と相談の上で判断することが重要です。
これらの専門家は市場動向や買主のニーズを熟知しており、どのような改善が物件の価値を本当に高めるかを適切にアドバイスできます。
また、彼らは費用対効果の高いリフォーム方法や、買主の心理に訴える効果的な修繕箇所を提案できる可能性も高いです。

さらに、専門家と相談することで、リフォームや修繕以外の選択肢も見えてくるかもしれません。
例えば、現状のままで売却し、その分を価格に反映させる方が有利な場合もあります。
あるいは、大規模なリフォームの代わりに、清掃や整理整頓、簡単な補修程度にとどめることで、コストを抑えつつ印象を改善できる可能性もあります。

このように、独断でのリフォームや修繕を避け、専門家の意見を取り入れることで、訳あり物件の価値を最大化し、効果的な売却戦略を立てることができます。
結果として、より高い買取価格や円滑な売却につながる重要なポイントとなります。

まとめ

今回は、訳あり物件の売却において注意すべきポイントや、成功するためのコツを詳しく解説しました。

訳あり物件の売却は、通常の不動産取引以上に細心の注意が必要です。
買取と仲介売却のどちらを選ぶべきか、そのメリットとデメリットをしっかり理解し、信頼できる業者を見極めることが成功へのカギとなります。
さらに、今回ご紹介したポイントを押さえたうえで業者に相談することで、自分の状況に最適な売却方法を選択できるでしょう。

スムーズな取引を実現するためにも、専門家のアドバイスを積極的に活用し、常に適切な判断を心がけることが大切です。
訳あり物件の売却に不安がある方は、ぜひ恵比寿不動産へご相談ください。

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檜垣知宏:宅地建物取引士のアバター

檜垣知宏:宅地建物取引士

株式会社ライフアドバンス代表取締役の檜垣知宏です。 2014年8月に設立し、恵比寿不動産という屋号で賃貸仲介・売買仲介・賃貸管理を行う不動産業者です。 不動産業界歴15年の経験を生かし、 運営しているサービスサイトである「不動産の相談窓口」の運営者も務めております。

保有資格:宅地建物取引士