賃貸経営を成功させるためには、家賃収入による安定した利益確保が欠かせません。しかし、家賃を高く設定しすぎると、入居者が見つかりにくくなり、空室が増えてしまう可能性があります。一方で、家賃を低く設定しすぎると、満室にはなっても収支が合わずに経営が厳しくなるリスクがあります。
適切な家賃設定を行うことで、入居者を確保しつつ、収入を最大化することができます。本記事では、賃貸物件の大家向けに、家賃の決め方とそのための重要なポイントを詳しく解説します。家賃設定のノウハウを学び、賃貸経営を成功させましょう。
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家賃を決める大事な要素

賃貸経営・マンションを賃貸に出す際に成功するためには、適切な家賃設定が欠かせません。家賃を決める際には、以下の要素を考慮することが重要です。これらの要素が競合物件よりも優れている場合、家賃を高めに設定することが可能です。
建物の構造
建物の構造は家賃設定に大きな影響を与える要素の一つです。耐久性や防音性に優れた鉄筋コンクリート造のマンションは、一般的に鉄骨造や木造のアパートよりも高い家賃を設定することが可能です。
木造のアパートは、防音性や防火性の点で鉄筋コンクリート造に劣り、特に最上階では夏場の室温が上がりやすいという欠点があります。また、シロアリなどの害虫が発生するリスクも考慮する必要があります。
一方、鉄筋コンクリート造のアパートは、家賃が高めに設定されることが多いですが、その分、入居者が求める設備や条件を満たしていないと空室が増える原因になりかねません。適切な設備投資が求められます。
部屋の広さ・間取り
部屋の広さや間取りは、家賃設定において非常に重要な要素です。基本的に、部屋数が多く、面積が広いほど、家賃を高く設定することが可能です。
アパートで高い家賃を設定しやすい間取りの例をいくつか紹介します。
- バス・トイレ別
この仕様は入居者にとても人気があり、特にワンルームでも家賃を高めに設定できます。
- 広めのワンルーム
25㎡以上の面積があるワンルームは、一人暮らしの入居者に人気です。
- ファミリー向けの間取り
3LDK以上の間取りはファミリー層に好まれます。
- 間仕切り可能
部屋を間仕切りできる柔軟な間取りは、多様なニーズに対応できるため人気があります。
特に最近では、在宅時間が増加しているため、25㎡程度の広さの1Kが一人暮らしの人々に好まれる傾向があります。
バス・トイレが別の物件はさらに人気が高いため、水回りの設計に注力すると良いでしょう。
ファミリー向けのアパートでは、リビングでゆったりと過ごせるLDKや、部屋を区切れる間取りが人気です。アパートの建設時にターゲット層を明確にし、そのニーズに合った設計を行うことで、空室リスクを低減できます。
築年数
築年数は家賃設定に大きな影響を与える重要な要素です。一般的に、築年数が浅い物件は人気が高く、家賃も高めに設定することができます。また、地震の多い日本では、耐震性の基準を満たしているかどうかも家賃設定に影響します。
- 新耐震基準(1981年導入)
震度6〜7でも倒壊しない設計が求められる耐震基準です。この基準を満たす物件は、耐震性が高いと評価され、家賃を高めに設定できます。 - 2000年基準
2000年に導入された新しい耐震基準で、地盤に応じた基礎設計などの新しい基準が設けられています。2000年以降に建てられた物件は、地震に強い設計となっており、2000年以前の物件に比べて高い家賃設定が可能です。
これらの基準を満たす物件は、耐震性が高いと評価され、入居者に安心感を提供できるため、家賃を高めに設定することができます。
方角と階数
方角や階数も家賃設定に大きな影響を与える要素です。一般的に、日当たりの良い南向きの部屋は人気が高く、家賃を高めに設定することができます。また、階数が上がるほど景観が良くなるため、高層階の物件は家賃が高くなる傾向にあります。
ただし、エレベーターがない建物の3階以上の場合は、上層階であっても家賃が高くならないケースがあります。これは、入居者が階段の利用を避ける傾向があるためです。
内装・設備
家賃を高めに設定するためには、設備で他の物件と差別化することが有効です。以下の設備は、入居者にとって魅力的であり、家賃を高めに設定する要因となります。
- オートロック・モニタ付インターホン
防犯性が高い物件は、特に女性や家族連れに人気があります。
- インターネット無料
インターネット利用料が無料の物件は、家賃が高くても入居者に喜ばれます。
- 浴室乾燥機・追い焚き機能
これらの設備は、特にファミリー層や忙しいビジネスパーソンにとって魅力的です。
- 室内洗濯機置き場
室内に洗濯機置き場があることで、利便性が向上し、家賃を高めに設定できます。
- ウォークインクローゼット
収納スペースが豊富な物件は、広さや使い勝手の良さを求める入居者にとって大きな魅力です。
近年、防犯面を重視する入居者が増えているため、オートロックやモニター付きインターホンの設置は非常に有効です。また、インターネット利用料が無料の物件は、家賃が高めでも人気が高い傾向があります。
周辺環境
アパート経営を成功させるためには、周辺環境が重要な要素となります。次のような条件を満たしている場合、「人気が高く便利な立地」として高い家賃設定が可能です。
- 住宅街の中にある
静かで落ち着いた環境は入居者にとって魅力的です。
- 駅から徒歩10分圏内
通勤・通学に便利な立地は非常に人気が高く、高めの家賃設定が可能です。
- 周辺にスーパーなどがある
日常の買い物が便利な環境は、入居者にとって大きな魅力となります。
生活しやすい立地にあるかどうかも重要です。立地が良ければ、家賃が多少高くても入居者を集めることができます。しかし、生活に不便な施設が近くにある場合や、入居者が敬遠する施設がある場合には、家賃を適切に設定する必要があります。
たとえば、単身者向けのアパートの近くに幼稚園や保育園、学校があると、夜勤の人にとっては騒がしい環境が日中の睡眠を妨げる可能性があります。また、工場や墓地、火葬場などの施設も敬遠されやすいため、これらの要素を考慮して家賃を設定することが重要です。
駅徒歩
賃貸経営における家賃設定の重要な要素の一つに、最寄り駅までの徒歩距離があります。最寄り駅まで徒歩10分以内(約800メートル)の物件は、同じ地域でも高めの家賃を設定しやすいです。特に、最寄り駅が都市圏の主要駅にアクセスしやすい場合、その物件の魅力はさらに高まります。都市圏で働く入居者にとって、通勤や通学の利便性は大きな魅力となるため、高い家賃設定が可能です。
募集条件
敷金や礼金をゼロとしている物件があるため、比較する際には敷金や礼金の有無についても注意しましょう。
引っ越しシーズンの2~3月頃は需要が高まるため、高めの家賃でも成約しやすくなる傾向があります。
日本では賃貸物件のほとんどが普通借家契約ですが、定期借家契約の賃貸物件もあります。家賃は定期借家契約のほうが低く設定される傾向が見られます。
近隣の家賃相場
入居希望者は、住みたいエリアの家賃相場に非常に敏感です。家賃が相場よりも高い場合、その物件がそれに見合う価値を持っているかどうかが確認されます。反対に、家賃が安すぎる場合は、何か問題があるのではないかと不安を感じることが多く、その結果、入居申し込みが減少し、空室期間が長引く可能性があります。
適切な家賃設定を行うためには、近隣の家賃相場を調査し、自分の物件が競争力を持つように調整することが必要です。
将来街が発展しそうかどうか
家賃相場はエリアの将来性に大きく影響されます。将来的な発展が見込まれるエリアでは、家賃の下落リスクが低く、高めの家賃設定が可能です。例えば、新しい商業施設や交通インフラの整備計画がある場合、そのエリアの価値が向上し、家賃の上昇が期待できます。
一方で、将来的な発展が見込めないエリアでは、家賃の下落リスクが高まります。このような場合には、家賃下落のシミュレーションを行い、現実的な家賃設定を行うことが重要です。地域の経済動向や人口動態などを考慮し、慎重に家賃を設定することが求められます。
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家賃の計算方法

家賃の計算方法は、「積算法」「賃貸事例比較法」「収益分析法」があります。特に、「積算法」と「賃貸事例比較法」は、居住用マンションやアパート、一戸建てを貸す際の家賃を算出する際に広く用いられています。それぞれの方法について詳しく説明します。
積算法
積算法は、投資した元本に対してどれだけの利益が得られるかを基にして家賃を算出する手法です。アパートの家賃の設定の際によく用いられており、オーナーの利益を確保しやすい点が特徴です。
計算式は次の通りです。
「基礎価格 × 期待利回り + 必要諸経費等」
これを別の言い方をすれば、「物件の時価 × 投資の利回り + 必要諸経費等」とも表現できます。この計算式を用いることで、賃貸物件オーナーは適切な利益確保が可能な家賃を算出できます。
必要諸経費には、以下が含まれます。
- 減価償却費
- 固定資産税
- 都市計画税
- 損害保険料
- 維持管理費
- 空室による損失相当額
積算法は、適切な賃貸事例が見つからない不動産の家賃を決定する際に特に有効です。ただし、一般的な家賃算定においては、次に説明する賃貸事例比較法が重視されることが多いです。
賃貸事例比較法
賃貸事例比較法は、名前の通り、周辺の類似している競合物件の家賃と比較して家賃を算出する手法です。アパートの家賃設定において最もポピュラーな方法であり、類似する物件が多いほど正確な家賃を導き出せます。
この方法では、募集する部屋とできるだけ条件の似た部屋の事例を集めます。立地の違いや階数の違いなどを考慮して、最も適切な家賃を算出します。
賃貸事例比較法は、市場の動向を反映した適正な家賃を設定するのに非常に効果的です。競合物件の家賃を調査し、自分の物件の強みや弱みを考慮することで、バランスの取れた家賃設定が可能になります。
収益分析法
収益分析法は、ホテルや店舗などの事業用物件の家賃算出に多く用いられる方法です。この方法では、「その物件を利用した場合に企業が得られる収益はどれくらいか?」に着目して家賃を設定します。収益分析法は、主に借主の利益に焦点を当て、事業用物件の家賃算出に適しています。
アパート経営では、この方法は参考程度にとどめておくのが良いでしょう。今回は居住用物件・マンションを貸す際の家賃を算出する手法について紹介するため、収益分析法については省略します。
最終決定はオーナーの意向
家賃の最終決定は、オーナーの意向に大きく左右されます。オーナーが短期間で入居者を決めたい場合、家賃を相場よりも低めに設定することが有効です。これにより、迅速に入居者を見つけ、空室期間を短縮できます。
一方で、オーナーが相場よりも高い家賃を設定したい場合、空室期間が長くなるリスクを考慮する必要があります。この選択は、物件の特性や市場の需要、オーナー自身の経営方針によって異なります。
高めの家賃を設定する場合、物件の価値を高めるための設備投資や、ターゲットとなる入居者層に対するマーケティング戦略が重要です。オーナーは、収益性と空室リスクのバランスを考慮しながら、最適な家賃を設定することが求められます。
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よくある質問

賃貸経営における家賃設定に関するよくある質問をまとめました。参考にしてください。
質問①不動産会社に頼らず自分で家賃査定をすることは可能か?
不動産管理会社に家賃査定を頼まないで、自分で家賃査定をすることはできるのでしょうか。ここでは、この疑問に答えます。
可能だが不動産会社に任せるのが適切
自分で賃料査定をすることは可能です。まず、賃貸に出そうとしている物件と立地条件や構造、契約内容、用途等の条件が似た競合物件を3~5つほど選びます。つぎに実際に賃貸物件を探している借主の立場を想定し、所有物件と競合物件の家賃を決める大事な要素で紹介した要素について「加点ポイント」と「減点ポイント」を書き出して検討しましょう。
例えば、以下のように検討します。
立地も築年数も似ている定期借家の物件の家賃が100,000円なので、自分の賃貸物件はもう少し高い家賃に設定できそう。
自分の物件よりも駅までの距離が少し近く、築年数も新しい賃貸物件が家賃120,000円に設定されている。同じ家賃にすると入居希望者がそちらの競合物件を選んでしまう可能性がある。
この方法である程度適切な家賃を算出することができますが、あくまで個人でできる範囲と考えてください。
収益を最大化できる明確な家賃設定をしたい場合は、不動産会社に相談するのが最適です。不動産会社は、上記に加えて、過去数年間のデータや、レインズなど不動産関係者しか見ることのできないデータを駆使して家賃を決定します。賃貸市場のニーズや動向も加味して家賃を設定するため、収益性が良くなるだけでなく、空室リスクも限りなく少なくなります。
質問②一括査定サイトで家賃査定をした際に、一番高い賃料提示してくれた会社に媒介を任せた方がいいのか?
一括査定サイトを利用して賃料査定を行った際、一番高い賃料を提示してくれた不動産会社に媒介を任せるべきでしょうか。この疑問についてお答えします。
賃料査定が高ければいいとは限らない
必ずしも一番高い賃料を提示してくれた不動産会社に媒介を任せるのが最適とは限りません。高すぎる家賃設定は、空室期間が長引くリスクがあり、結果として収益を圧迫する可能性があります。
高い賃料を提示する不動産会社が必ずしも悪いわけではありませんが、提示された賃料が市場相場と大きく乖離している場合は注意が必要です。市場の現状をしっかりと把握し、現実的な家賃設定を行うことが重要です。
以下のポイントを参考にしてください。
複数の査定結果を比較
一括査定サイトで得た複数の査定結果を比較し、平均的な賃料を把握します。
現地調査を行う
不動産会社が実際に物件を見て査定した結果を重視しましょう。
市場相場の確認
近隣の賃貸物件の家賃相場を調査し、現実的な賃料を設定します。
プロの賃料査定はぜひ参考にすべきですが、鵜呑みにするのは危険です。賃料査定は、最終的には主観や経験が必要です。高い査定だから良いというわけではなく、相場に合う賃料を査定してくれることが大切です。
一部の不動産会社は、仲介を依頼してもらうために高い査定額を提示することがあります。このような場合は契約直前に賃料交渉が入ることがよくあります。また、その高額な査定を鵜呑みにして家賃を設定すると、空室期間が長引く可能性が高くなります。
賃料査定は、物件の管理を依頼する不動産会社を選ぶ際の第一歩でもあります。査定結果だけでなく、不動産会社の対応や担当者の知識・経験を総合的に判断することが重要です。
不動産会社を選ぶ際には、以下の視点でチェックすると良いでしょう。
- 過去の実績や管理物件の入居率
これまでの実績が豊富で、管理物件の入居率が高いかどうか。
- 担当者の対応や提案
担当者の対応が丁寧で、提案が納得できる内容かどうか。
- 査定結果の説明
査定結果についての説明が明確で納得できるかどうか。
これらのポイントを考慮しながら、信頼できる不動産会社を選ぶことで、収益を最大化し、空室リスクを最小限に抑えることができます。
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まとめ
長期的に安定してアパート経営を継続するためには、適正な家賃を設定することが重要です。家賃設定を行う際には、周辺の競合物件の家賃を参考にすることが求められます。自分の判断だけで家賃を決めてしまうと、相場とかけ離れた家賃設定になる可能性があります。
相場よりも安ければ入居者が集まりやすくなりますが、収益が減少し、経営が困難になるリスクがあります。逆に、相場よりも高額な家賃を設定すると、特別な魅力がない限り入居者が集まらず、空室が増える恐れがあります。
こうしたリスクを避けるためにも、家賃設定を行う際には専門家の意見を参考にすることが重要です。例えば、周辺の競合物件の家賃相場を把握するためには、不動産会社に相談するのが効果的です。地域の情報に詳しく、信頼できる不動産会社と連携することで、アパート経営全般に関するアドバイスを受けることができます。
信頼できる不動産会社と相談しながら、適正な家賃設定を行い、長期的に安定したアパート経営を実現しましょう。
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