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自宅を賃貸に出すときの注意点とは?メリットや税金に関しても詳しく解説!

この記事の監修者

檜垣知宏:宅地建物取引士のアバター

檜垣知宏:宅地建物取引士

この記事のポイント

  • 自宅を賃貸に出す際の注意点やメリット、デメリットの解説

  • 自宅を賃貸に出す際の税金や管理方法の詳細

  • 賃貸経営を成功させるための具体的な手順や注意点​

転職や家族との同居、相続などで空き家となった自宅を賃貸市場に出すことは、住宅ローン返済の手助けや副収入の確保につながります。しかし、自宅を賃貸に出す際にはそのメリットとともにデメリットも十分に理解することが欠かせません。

この記事では、自宅を賃貸に出す際の注意点、そのメリット・デメリット、そして関連する税金の情報を詳しくご紹介します。賃貸として自宅を有効活用するための準備とポイントを押さえ、賢い不動産経営を目指しましょう。

自宅を賃貸にすることは、ただ家を貸すだけではなく、計画的な事業運営が求められます。メリットを最大限に活かしつつ、リスク管理にも留意することが成功の鍵です。この記事を通じて、自宅賃貸経営の全体像を掴み、スムーズなスタートを切るための知識を深めていただければ幸いです。

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目次

自宅を賃貸に出すメリットとデメリットとは?

自宅を賃貸にすることは、定期的な家賃収入を得られるなど、魅力的なメリットが存在します。しかし、その一方で、様々なデメリットも潜んでいます。ここでは、自宅を賃貸に出す際の主なメリットとデメリットを詳しく解説します。

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賃貸に出すメリット

家を貸すことを検討するなら、まずはどのようなメリットがあるのかを把握することが大切です。ここからは家を賃貸として出した場合のメリットをご紹介します。

家賃収入を得られる

自宅を賃貸に出すことで得られる家賃収入は、収益源の追加となり得ます。特に、本業以外からの不労所得を確保することは、経済的な安定に大きく役立ちます。また、賃貸市場の需要や物件の立地、設備によっては、予想以上の高収入を得られる可能性もあります。さらに、この収入を利用して資産運用を行うなど、経済的な基盤を強化することも可能となります。

将来的にまた住むことができる

自宅を賃貸することは売却とは異なり、家を手放さずに将来の選択肢を広げることができるのです。子どもが独立した後に再び同じ家で生活を始めたい、または親族がその家を必要とする時が来るかもしれないという場合、自宅を賃貸にしておくという選択肢は、理想的な解決策となり得ます。さらに、賃貸期間が終了し、その家を所有する理由がなくなった場合でも、市場に応じて売却する選択肢も残されています。これらの理由から、将来のライフステージや計画に柔軟に対応できるため、自宅を賃貸に出すことは、十分に検討する価値があります。

自宅管理の維持ができる

自宅を賃貸に出すことで、空き家になるリスクを回避し、維持管理が可能になります。自宅を使用していない期間でも、定期的に使用されることで、家自体の劣化を防ぎ、設備のメンテナンスが行われるため、長期的に物件の価値を保持することができます。自宅を有効活用することで、不動産資産の価値を維持しつつ、将来的に自分や家族が戻る可能性を考えると、賃貸という選択肢は有益です。

費用を経費に計上できる

自宅を賃貸に出す際、これまでの生活費用を含めたさまざまな出費が税務上の経費として認められる点は、大きな利点です。特に、以下のような費用が経費計上の対象になります。

・物件の日常的な管理やメンテナンスに関わる費用
・物件にかかる固定資産税や都市計画税
・住宅ローンの利息

これらを経費として計上することにより、節税効果が期待でき、結果として手元に残る収入を増やすことが可能です。賃貸管理にかかる費用も同様に経費として扱えるため、自宅を賃貸として有効活用する際の税金対策になります。

不動産という資産を残しておくことができる

自宅を賃貸として出すことは、空いている不動産資産を有効活用し、その価値を維持する有益な方法といえます。自宅を賃貸として出すことにより、所有者は大切な資産を手放さずに収益を生み出すことができるからです。

さらに、賃貸物件として管理される家は、定期的に利用され、適切なメンテナンスが施されるため、長期にわたってその良好な状態を保持しやすくなります。

また、市場状況によっては、将来的に物件の売却や自己使用の選択肢を柔軟に持てることも、賃貸に出すことの大きなメリットです。家族構成やライフスタイルの変化に対応して、いつでも自宅として戻れる選択肢を持てるのは安心感につながります。
これらの点から、賃貸に出すことは、不動産資産を維持しつつ、将来の様々な可能性を開く賢明な選択と言えるでしょう。

賃貸に出すデメリット

自宅を賃貸に出す際には多くのメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットや慎重に検討すべき点も存在します。以下に賃貸に出すことのデメリットを詳しく解説します。

修繕費や管理コストが掛かる

自宅を賃貸に出すことで発生する修繕費や管理コストは、長期的な運用を考えた際の大きな負担になり得ます。特に、建物の老朽化や設備の故障は避けられないため、これらのメンテナンスには注意が必要です。

賃貸物件として提供する際は、入居者に快適な居住空間を保証する必要があります。個人が居住する場合は、ある程度の劣化や不具合を我慢することも可能ですが、賃貸となると話は異なるためです。そのため、定期的なメンテナンスや急な故障対応が求められ、これらの費用はすべて貸主の責任となります。

さらに、賃貸物件としての魅力を維持し、競争力を保つためには、時には大規模なリフォームや最新設備への更新が必要になることもあります。これらの投資は短期間で回収できるものではなく、長期的な収支計画の中で慎重に検討する必要があります。

また、修繕やリフォームを行うことで、一時的に入居者を募集できない空室期間が生じる可能性も考慮する必要があります。これらのデメリットを適切に管理し、賃貸事業の収益性と持続可能性を両立させることが、自宅賃貸経営の成功の鍵となります。

空室のリスクがある

自宅を賃貸にする際の最大の課題は、空室リスクです。入居者がいない期間が長引けば、それだけ収入が途絶え、固定費の負担が重くなります。特に、住宅ローンの返済がある場合、家賃収入が見込めない時期には財政的な圧力が高まります。

賃貸市場の需要と供給は地域や時期によって変動します。そのため、空室リスクを最小限に抑えるためには、市場調査を行い、ターゲットとなる入居者層に適した物件にすることが重要です。例えば、学生向けの物件であれば、学期の始まりに合わせて募集を行うなど、戦略的な運用が求められます。

また、長期間空室が続くと、物件のメンテナンスや管理が疎かになりがちです。これにより、物件の価値が低下し、さらに入居者を獲得することが難しくなる可能性もあります。定期的な清掃やメンテナンスを行い、常に物件を魅力的な状態に保つことが重要です。

確定申告の必要がある

自宅を賃貸に出して得た家賃収入は所得とみなされるため、年間の収入額に応じて確定申告が必要になります。この収入には、税金が課せられるため、適切な申告と納税が求められます。

特に、他の収入源がある場合、賃貸収入を合わせた総所得に対して税金が計算されるため、正確に収支管理をすることが重要です。確定申告を行うことで、賃貸経営に関わる必要経費を差し引くことが可能となり、税負担を軽減できる場合があります。

確定申告には専門知識が必要な部分もあるため、不安な方は税理士などの専門家に相談することをお勧めします。また、賃貸収入があることで利用できる税制優遇措置もあるため、事前に情報収集をしておくことが大切です。自宅を賃貸に出す際には、税務の面での正しい手続きを行うことが、後々のトラブルを避ける上で非常に重要となります。

入居者トラブルが起きる可能性がある

自宅を賃貸に出す際、入居者からのトラブル発生は避けがたいリスクの一つです。家賃滞納や近隣住民とのトラブル、物件の損傷など、さまざまな問題が起こる可能性があります。これらの問題に対処するのは、基本的に貸主の責任となります。

入居者選定には細心の注意が必要で、信頼できる不動産会社や管理会社と協力して、厳格な審査を行うことが重要です。また、トラブルが起きた際に迅速かつ適切に対応するための準備も必要になります。

特に、退去時の原状回復に関わるトラブルは頻繁に発生するため、契約書に明記し、入居者にもその内容を理解してもらうことが重要です。賃貸契約をする際は、将来的に発生するトラブルに備えて、法的なアドバイスを受けることも検討しましょう。賃貸経営は、入居者選定から契約、管理、退去に至るまでの一連の流れを理解し、対策を講じておくことが成功への鍵となります。

住宅ローンの手続きが必要な場合も

自宅を賃貸にする際、住宅ローンが残っている場合は、その取り扱いには注意が必要です。多くの住宅ローン契約では、物件を居住用途で使用することが前提となっており、賃貸用途に変更する場合は金融機関の承諾が必要になります。

賃貸用途への変更が認められるかどうかは、金融機関によって異なりますが、転勤などやむを得ない理由で自宅を空ける必要が生じた場合には、柔軟に対応してくれることが多いです。ただし、このような変更を行う際は、必ず事前に金融機関に相談し、許可を得ることが重要です。

無断で賃貸に出すと契約違反となり、ローンの一括返済を求められるリスクもあります。
また、賃貸に出すことにより得られる家賃収入は、ローン返済の助けとなりますが、事業用ローンへの切り替えが必要になる場合もあるため、その条件や金利の変更にも注意が必要です。住宅ローンの残債がある場合には、金融機関との相談を通じて、賃貸経営におけるローンの適切な管理方法を確認することが重要です。

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自宅を賃貸に出すときに掛かる費用

自宅を賃貸に出す際には、様々な経費が発生します。これらの費用を正確に把握し、賃貸経営による実際の収益を見積もることはとても大切です。以下に賃貸に出す際の主な費用について解説します。

クリーニング費用

貸主が物件を賃貸市場に出す前には、一般的にプロのハウスクリーニングを実施します。また、必要に応じて壁紙の張り替え、水回り設備の更新など、物件の魅力を高めるためのリフォームを検討することが一般的です。これらの初期投資は物件の価値を保ち、より良い条件での賃貸を可能にしてくれます。

貸し出し後に発生する経年劣化や、故意・過失によらない損傷の損害については、原則として貸主の負担となります。また、国土交通省が定める「原状回復のガイドライン」では、原状回復義務は貸主が負担するのが望ましいとされています。しかし、借主の同意があれば、契約に特約として「ハウスクリーニング費用を借主負担とする」と定めることは可能です。

物件を賃貸に出す際のクリーニング費用は、物件の状態や市場価値を維持するための重要な投資と捉え、貸主はこれらのコストを事前に把握し、適切に管理する必要があります。

「原状回復をめぐるトラブルとガイドラインとは?」

民間賃貸住宅における賃貸借契約は、いわゆる契約自由の原則により、貸す側と借りる側の双方の合意に基づいて行われるものですが、退去時において、貸した側と借りた側のどちらの負担で原状回復を行うことが妥当なのかについてトラブルが発生することがあります。

引用元:国土交通省

管理会社への管理委託費用や仲介手数料

自宅を賃貸に出し、その管理を不動産管理会社に委託する際には、管理委託費用や仲介手数料が必要になります。管理委託費用は管理会社によって異なりますが、一般的には賃料の5%から10%程度が相場です。

自分で直接管理を行うことでこれらの費用を節約することは可能ですが、賃貸管理には様々な業務が伴います。例えば、入居者からの問い合わせ対応、定期的なメンテナンス、トラブル時の迅速な対応など、多くの時間と労力を要求されるため、本業がある場合や管理に自信がない場合は、プロの管理会社に委託することが望ましいとされています。

不動産管理会社に委託する最大のメリットは、入居者募集や審査、契約手続きなど、賃貸経営に関わる複雑な業務を全て代行してもらえるため、貸主は安心して賃貸経営を行うことができます。
ただし、管理委託費用や仲介手数料は賃貸経営の収益性に直接影響を与えるため、複数の管理会社を比較検討し、サービス内容と費用のバランスを考慮して選択することが重要です。

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管理方法は3種類ある

自宅を賃貸に出す際、どのような管理方法で賃貸物件を管理するかは、貸主にとって重要な決断となります。管理方法と賃貸収益の向上は切っても切れない関係があるからです。

管理方法には主に自主管理、管理委託、サブリースの3つがありますが、それぞれにメリットとデメリットが存在します。それぞれの管理方法を選択する際には、自身のライフスタイルや賃貸経営にかけられる時間、専門知識の有無などを総合的に考慮し、最も適した方法を選ぶことが重要です。また、どの管理方法を選択するにしても、費用対効果や収益性をしっかりと評価し、長期的な視点で賃貸経営を行うことが成功への鍵となります。
この記事では、それぞれの管理方法についての注意点や、貸主が押さえるべきポイントを詳しく解説します。

自主管理

自主管理は、オーナー自身が賃貸物件の管理業務を全て行う方法です。この方法の最大のメリットは、管理委託費用が発生しないため、収益性が高くなる点にあります。しかし、賃貸管理には入居者対応、設備のメンテナンス、トラブル対応など多岐にわたる業務が必要となり、それらをオーナー自身で行う必要があるため、時間と労力がかかります。特に本業がある方や、賃貸経営に関する専門知識が乏しい方には難しい選択となるかもしれません。

管理委託

管理委託は、賃貸管理業務を専門の不動産会社に委託する方法です。オーナーは管理委託費用を支払うことで、入居者対応や設備メンテナンス、緊急時の対応などの業務をプロに任せることができます。

この方法のメリットは、時間と労力を節約できること、また専門知識を持ったプロフェッショナルによる適切な管理が期待できることです。しかし、管理委託費用が収益から差し引かれるため、その分収益性が低下する可能性があります。

サブリース

サブリースは、オーナーが不動産会社に物件を一括して貸し出し、その会社が個々の入居者に転貸する方法です。サブリースのメリットは、空室リスクが低減され、一定の収益が保証されることにあります。しかし、一般的にサブリース契約では、オーナーへの支払いが市場賃料より低く設定されることが多く、また一時金(礼金や更新料など)が不動産会社の収益となるため、オーナーの手取り収益が低くなる傾向があります。

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自宅を賃貸に出したときに掛かる税金は?

不動産を所有している時にかかる代表的な税金は「固定資産税」「都市計画税」です。また、自宅を賃貸に出した場合、賃貸オーナーとして得る家賃収入にかかる税金は、「所得税」「住民税」です。ここでは、これらの税金の基本となるポイントを簡潔に解説し、賃貸オーナーが知っておくべき税率の目安についても説明します。

固定資産税

固定資産税は、土地や家屋などの不動産を所有している個人や法人に対して課せられる地方税です。この税金は毎年1月1日現在の不動産所有者に課税され、不動産の価値に基づいて計算されます。

固定資産税の計算式は以下の通りです

固定資産税=固定資産税評価額(課税標準額)×税率

固定資産税評価額は、国が定める固定資産評価基準に基づき、各市町村が決定します。固定資産税評価額は、住宅用地については、特定の条件下で課税標準の特例措置が適用され、課税額が軽減される場合があります。

特例措置の例としては以下があります。
・小規模住宅用地(住戸1戸につき200㎡以下の部分):課税標準の1/6に軽減
・一般住宅用地(住戸1戸につき200㎡超の部分):課税標準の1/3に軽減

固定資産税の標準税率は1.4%ですが、実際の税率は住んでいる市町村によって異なるため、各自治体の規定を確認する必要があります。

都市計画税

都市計画税は、都市の発展に必要な事業費を賄うために課される地方税で、都市計画区域内の土地や建物の所有者に対して課税されます。この税金は、都市計画事業や土地区画整理事業など、都市の計画的な発展と整備を支えるために使用されます。
都市計画税の課税標準は基本的に固定資産税評価額に基づきますが、住宅用地に対しては特別な軽減措置が適用されることが特徴です。

特例措置の例
・小規模住宅用地(住戸1戸あたり200㎡以下):課税標準額の1/3に軽減
・一般住宅用地(住戸1戸あたり200㎡超):課税標準額の2/3に軽減

これにより、特に住宅用地に関しては、都市計画税の負担が軽減されるため、所有者にとって財政的なメリットとなります。
都市計画税の税率上限は0.3%となっていますが、この税率は各市町村によって設定されるため、地域によって異なる場合があります。具体的な税率は、所有する不動産が位置する市町村の条例を確認することが必要です。

所得税

家賃収入は不動産所得として、所得税の課税対象となります。賃貸経営による家賃収入は年間の所得に含まれ、所得税が課せられるため、事業主として適切な申告を行う必要があります。

家賃収入は、その年の1月から12月までの所得として計算されます。この所得から、様々な控除を差し引いた後の金額に対して所得税が課せられます。控除には、経費や特定の控除が含まれ、最終的な課税所得を低減させることが可能です。
通常、サラリーマンの所得税は源泉徴収により納税されますが、賃貸経営による年間20万円以上の所得がある場合は、個人事業主として確定申告を行う必要があります。確定申告を通じて、所得税を正確に計算し、納税します。

住民税

住民税は、地域の人たちが地域社会の費用を分担するための地方金です。住民税は、前年の所得税の申告を基にして計算されます。所得が発生した翌年に納付され、所得税で確定した収入と控除を基に算出されます。
住民税の計算時には、所得税とは異なる控除が適用されます。所得税とは異なる控除により、最終的に納税する住民税額が決定されます。

税率はどれくらい掛かる?

自宅を賃貸に出し、得た収入には税金が課されます。賃貸経営からの年間収益、つまり家賃やその他収入から必要経費を差し引いた純利益に対して、所得税と住民税が適用されます。不動産所得には以下のような収入が含まれます。

・家賃収入
・礼金
・更新料
・管理費用
・駐車場使用料
・携帯電話などのアンテナ基地設置料金
・自動販売機などからの収入

これらの収入は全て不動産所得として計算され、所得税と住民税の対象となります。所得税の計算には累進課税制度が適用され、所得が多いほど高い税率が適用されます。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下5% 0円
195万円超330万円以下10% 9.75万円
330万円超695万円以下20%42.75万円
695万円超900万円以下23%63.6万円
900万円超1,800万円以下 33%153.6万円
1,800万円超4,000万円以下40%279.6万円
4,000万円超45%479.6万円
住民税は所得の10%に設定されており、所得が増えるにつれて税負担も増加します。

自宅を賃貸に出すときの手順

自宅を賃貸物件として提供する際には、いくつかの重要な手順を踏む必要があります。ここでは、自宅を賃貸に出すときの手順について詳しくご説明します。

管理方法を決める(自主管理・管理会社へ委託)

自宅を賃貸に出す際、管理方法を決めることは重要です。賃貸オーナーが直面する状況に応じて、自主管理または管理会社への委託を選択する必要があります。例えば、賃貸経営に専念できる場合は、自主管理が可能です。しかし、他の仕事を持ち、物件が遠方にある場合や複数の物件を所有している場合は、管理会社に委託する方が適切かもしれません。

自主管理では、賃貸経営に必要な業務を深く理解することができますが、物件数が多い場合や本業がある場合は、管理業務の負担はとても大きくなります。また、賃貸管理には膨大な作業が伴い、時にはクレーム対応や家賃督促など、精神的負担が伴うこともあります。そのため、これらの作業を専門的に行う管理会社に委託することで、安心して賃貸経営を行うことができます。

委託管理を選択する場合は、適切な管理委託費用で信頼できるサービスを提供する管理会社を選ぶことが大切です。最終的には、賃貸オーナーの状況、物件の特性、市場環境などを総合的に考慮し、自主管理か管理委託かを慎重に選択しましょう。

不動産管理会社を探す

自宅を賃貸に出す際には、信頼できる不動産管理会社の選定も重要です。管理会社選びの第一歩として、複数の不動産会社に見積もりを依頼し、管理委託費用や家賃の相場を把握しましょう。仲介力が強い不動産会社を選ぶことで、コストを抑えつつ、適切な家賃設定が可能になります。不動産会社ごとに条件が異なるため、複数の会社を比較し、最も条件の良い会社を選ぶことが重要です。

不動産会社との相性も選定基準の一つです。実際に担当者と会話をしてみて、信頼できると感じればその会社に依頼を検討するのもよいでしょう。もし相性が合わないと感じた場合は、担当者の変更を要請するか、別の会社を検討することも一つの選択肢です。

見積もり内容と担当者との相性を確認した上で、どの会社に管理を委託するか決定します。入居者募集は個人でも可能ですが、不動産会社を委託することで広範囲に物件情報を公開し、効率的に入居者を獲得できます。

不動産会社の選択にあたっては、その会社の広告宣伝力や地域における実績も重要なポイントです。会社の得意分野や実績を確認するには、ホームページなどの公開情報を参考にすると良いでしょう。

契約期間や契約方法を決める(普通賃貸借・定期借家契約)

賃貸物件の契約形態には、普通賃貸借契約と定期借家契約の二種類が存在します。それぞれ特徴が異なるため、物件の貸し出し方針に応じて適切な契約方法を選ぶことが大切です。

普通賃貸借契約

普通賃貸借契約では通常2年間の契約期間が一般的で、借主が契約の更新を希望する場合、貸主は基本的に更新を行う必要があります。この契約形式の最大の注意点は、貸主が将来的に自身の物件に再度住むことを希望しても、借主の解約希望がない限り物件に戻ることが難しい点です。ただし、正当な理由があれば6ヶ月前の解約予告で物件を回収することも可能ですが、実際には正当な理由と認められることが少ないため、注意が必要です。

定期借家契約

定期借家契約は、契約期間が明確に定められており、期間満了と同時に契約が終了します。この契約方法は、特定の期間だけ物件を貸し出したい場合や「リロケーション」目的での賃貸に適しています。リロケーションとは、主に職務上の理由で住む場所を変更することです。契約期間終了後に貸主と借主が合意すれば、新たな条件での再契約も可能です。

定期借家契約は、契約期間の自由度が高く、必要な時期に自宅に戻ることが容易ですが、短期間の契約では家賃を相場より低く設定しなければならない場合があり、入居者の確保が難しくなることがあります。また、大手法人の社宅契約など、定期賃貸借契約が制約されるケースもあるため、事前の確認が重要です。

貸主が将来的に自宅に戻ることを考えている場合は、入居者との定期借家契約が適しています。しかし、定期借家契約は入居者を限定しやすく、家賃の設定にも工夫が必要です。契約形態に迷う場合は、不動産専門家に相談することをお勧めします。それぞれのメリット、デメリットを理解し、自身の状況に合った契約方法を選択しましょう。

条件を決める

利用する不動産会社が決まった後は、賃貸物件として貸し出す際の条件の設定を決めます。
以下に賃貸物件として貸し出す際の主な条件項目を紹介します。

  • 家賃の設定
    収入に直結し、入居者の獲得可能性と利益に影響を与えるため、市場相場を考慮し適切な価格を設定しましょう。
  • 管理費
    物件の維持管理にかかる費用であり、家賃と合わせて入居希望者に影響します。
  • 更新料
    契約更新時に発生する費用であり、これも事前に決めておく必要があります。
  • 敷金、礼金の設定
    貸主の裁量で設定できます。初期費用を抑えたい入居希望者にとっては敷金、礼金なしの物件はメリットが大きいです。
  • 火災保険の加入
    賃貸経営におけるリスクヘッジのため、火災保険への加入は不可欠です。補償範囲やコストを考慮して選択しましょう。
    これらの条件を決める際は、市場の状況や物件の特性、自身の経営戦略などを考慮することが重要です。特に家賃設定は、市場調査を十分に行い、入居者にとっても、自身にとっても納得のいく金額に設定することが成功の鍵となります。また、火災保険は幅広いリスクに備えられるものを選び、安心して賃貸経営を行えるようにしましょう。

貸し出しに必要な準備をする(クリーニングや設備の修繕など)

入居者が快適に過ごせるよう、物件の準備を整えることはとても大切です。物件の魅力を高め、より良い条件で貸し出すためには、以下のポイントを押さえた準備が必要です。

  • メンテナンスとリフォーム
    物件の設備や内装の状態をチェックし、必要に応じてメンテナンスやリフォームを行います。古くなった壁紙の張り替えやフローリングの修繕、水回りのクリーニングなど、入居者が新生活をスタートするにあたって気持ちの良い環境を提供しましょう。
  • ハウスクリーニング
    プロのハウスクリーニングサービスを利用し、室内全体の徹底的な清掃を行います。特にキッチンやバスルームなどの水回りは、入居者が特に気にする箇所なので、ピカピカにしておくことが望ましいです。
  • 設備のチェックと修理
    給湯器、風呂釜、ガスコンロ、エアコンなどの主要な設備が正常に動作するかを事前にチェックし、故障があれば修理や交換を行います。設備がしっかりと機能していることは、入居者にとって大きな安心材料になります。
  • 貸出条件の明確化
    賃貸契約をスムーズに進めるためには、貸し出しの条件を明確にしておくことが重要です。家賃、敷金・礼金、契約期間、更新条件など、契約に関わる基本的な条件を事前に整理し、不動産会社や入居者に明確に伝えましょう。

これらの準備を丁寧に行うことで、入居者にとって魅力的な物件となり、貸し出し時の条件交渉にも有利に働きます。また、入居者とのトラブルを避けるためにも、設備の状態やリフォームの内容は契約書に明記するなど、事前の設備状況の確認を大切にしましょう。

入居者の募集・審査を行う

入居者募集は、貸し出しの準備が整い次第、募集活動を開始します。仲介を依頼した不動産会社を通じて、物件情報が不動産会社のウェブサイトや広告チラシを介して公開されます。これにより、幅広い層の潜在的な入居者に対して物件をアピールすることができます。

入居希望者からの問い合わせが不動産会社を通じてあった場合、その情報は貸主に伝えられます。貸主は入居者候補について考慮し、入居しても問題ないかを判断することになります。この審査は、貸主と入居者間の将来的なトラブルを回避するために非常に重要です。審査では、入居者候補の信用情報、職業、収入状況などがチェックされることが一般的です。

審査を通過した入居者候補とは、不動産会社を介して入居契約の手続きが進められます。契約が成立すると、家賃の支払いが始まり、これが貸主にとっての収入源となります。

審査は、入居者を慎重に選ぶことで将来的なトラブルを防ぐために非常に重要です。信頼できる入居者を選定することで、安定した賃貸経営を実現できます。適切な審査基準を設け、不動産会社と密接に連携を取りながら、入居者募集と審査を進めましょう。

賃貸契約の手続きを行う

審査承認後に、両者が賃貸契約を結ぶことに合意した場合、契約の手続きが始まります。通常、借主の物件内覧に貸主が立ち会う必要はありません。不動産会社を介して必要な書類を交換することで、スムーズに契約を進めることが可能です。

賃貸借契約では、不動産会社が貸主と借主双方の間の調整役を務め、契約内容の確認から署名までをサポートします。契約書には、賃料、敷金、契約期間などの基本的な条件のほか、特約事項も明記されます。貸主としては、契約内容に同意の上、契約書に署名・捺印し、借主との正式な賃貸契約を結ぶことになります。

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自宅を賃貸に出す時 の注意点

ライフスタイルの変化や相続などで使わなくなった家を、賃貸として活用することは、とても有益です。しかし、他人に家を貸すという経験は多くの人にとって未知の領域であり、手続きや管理の不安がつきまといます。家を貸す際に気をつけるべき点を詳しく解説します。

住宅ローンの確認

原則として住宅ローン中の家は賃貸に出すことができません。多くの場合、住宅ローンの契約条件として、借入人自身が住む目的である必要があり、賃貸用途では利用できないためです。つまり、賃貸に出す際には住宅ローンを一括で返済するか、賃貸用ローンへの借り換えが必要となることが一般的です。

しかし、「こっそり賃貸にしても問題ないか」と考える方もいるかもしれません。金融機関は常時、借入人の居住状況をチェックしているわけではありませんが、郵便物の不達などから賃貸事実が発覚するリスクがあります。もし発覚した場合、契約違反となり、一括返済を求められる可能性が高いです。

例外として、転勤やリロケーションなどの特別な事情がある場合は、金融機関との相談の上で賃貸が許可されることもあります。これは、一定期間後に自宅へ戻ることが前提であり、金融機関との事前の協議が必須です。

賃貸併用住宅の場合も、自宅部分と賃貸部分を明確に区分けし、金融機関との合意のもとで賃貸活用することが可能です。ただし、自宅部分の比率やその他の条件を満たす必要があります。

結論として、住宅ローン中の家を賃貸に出す場合は、一括返済やローンの借り換え、または特別な事情を金融機関に認めてもらうことが求められます。あらゆるリスクを避けるためにも、賃貸に出す前には必ず金融機関に相談し、適切な手続きを行うことが重要です。

収支シミュレーションを行う

自宅を賃貸に出す際、収入と支出のバランスを事前にシミュレーションすることは賃貸経営の成功には欠かせません。新たな住まいへの住み替えを考えている方も、賃貸収入を追加の収益源として計画している方も、細かな収支計画を立てることが重要です。

賃貸経営には、不動産会社への仲介手数料、物件の管理委託費用、火災保険料など様々なコストが伴います。また、固定資産税や都市計画税、賃貸収入にかかる所得税と住民税など、避けては通れない税金の支払いも考慮に入れる必要があります。

さらに、物件募集開始から実際に入居者が決まるまでの空室期間や、将来的に発生する可能性のある空室リスクも収支計画に含めるべきです。特に、マンションの場合は、同一建物内の他の賃貸物件の空室状況を参考に、市場の動向を把握することが重要です。地域の平均的な空室期間や、想定されるリスクを知るためには、経験豊富な不動産会社との相談も有効です。

賃貸経営の収支シミュレーションを行う際には、予期せぬコストやリスクを含めた慎重な計画が求められます。これにより、賃貸経営を通じて安定した収益を確保し、将来的な住み替えや資産運用の計画にも余裕をもたせることが可能になります。

設備の状態を確認しておく

賃貸に出す前には、貸主は物件の現状を詳細に記録しておくことが大切です。これは、貸し出し時の物件の状態を指し、退去時に入居者に原状回復の義務があるためです。原状回復とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧することを指します。

具体的に言うと、入居者が意図的にまたは不注意で破損させた部分は、元の状態に戻して返す必要があります。このため、賃貸物件を貸し出す前に、写真や動画を用いて物件の現状を記録しておくことが重要です。記録があれば、入居者に対して原状回復を求めやすくなります。ただし、時間の経過による自然な経年劣化や、普通の使用による通常の損耗については、入居者に費用を求めることはできません。

原状回復は入居者とのトラブルの原因となりがちですので、経験豊富な管理会社にこの手続きを委ねることを推奨します。これにより、双方にとって公平かつスムーズな解決が図れます。

よくある質問

自宅を賃貸に出す際には、さまざまな疑問や不安が生じるものです。ここでは、自宅賃貸を検討している方からよく寄せられる質問をいくつかピックアップし、それぞれに対する答えをご紹介します。賃貸経営における失敗を避け、スムーズに物件を貸し出すための参考情報としてご活用ください。

質問①家具は残していっても大丈夫?

家具や家電を残して賃貸に出すことは基本的に可能です。海外では家具付きの賃貸が一般的な国もあり、資産価値を向上させる手段として認識されています。しかし、日本では家具付き賃貸の需要はまだ限定的であり、場合によっては入居者募集において不利になることもあります。そのため、家具や家電は原則撤去することが推奨されますが、エアコンや照明など入居者に提供する可能性のある設備に関しては、そのまま残しておくことが一般的です。

家具や家電を残して賃貸に出す場合、それらは貸主の所有物となります。借主はこれらを利用することはできますが、不要であれば勝手に処分することは許されません。しかし、借主から処分を求められた場合の費用は、所有者である貸主が負担することになります。

家具を残しておくことの注意点としては、借主にとって不要なものを残しておくことは避けることです。特に家族向け物件の場合、入居希望者が自身の必要な家具を既に持っている可能性が高いため、入居者募集に不利になる可能性があります。

また、家具・家電を残すことによって、借主とのトラブルが発生するリスクも考慮する必要があります。たとえば、家具に損傷があった場合の対応など、どこまでが故意や通常の範囲内の摩耗であるかの判断が難しく、トラブルの原因になりやすいです。そのため、リロケーション時には、家具・家電を全て撤去するか、賃貸自体を見送る、またはトランクルームなどで保管するなどの選択肢を検討することが望ましいでしょう。

質問②海外転勤の時に税金の支払いはどうすればいい?

海外転勤時、自宅を賃貸に出して家賃収入を得る場合、所得税の申告義務があります。海外居住中であっても、日本での不動産所得に対しては所得税を納める必要があるため、確定申告を怠らないよう注意が必要です。

海外赴任で長期間国外に滞在する場合、日本の税法上、非居住者とみなされます。このため、海外での収入に対する日本での所得税は発生しません。しかし、国内不動産からの家賃収入は日本国内での所得に該当するため、確定申告し所得税を納税する義務が生じます。

また、不動産賃貸で赤字が出ても、確定申告を行うことで税金が戻ってくる可能性がありますので、確定申告は積極的に行うことをおすすめします。

海外転勤中に不動産所得の管理・確定申告を行うには、納税管理人の選任も選択肢の一つです。納税管理人は、税務署への申告書提出や税金の納付などを代行します。納税管理人には、個人でも法人でもなれますが、納税に関する手続きの複雑さを考えると、専門の知識を持つ税理士などの専門家を選任することが望ましいです。

納税管理人を選任したら、「所得税の納税管理人の届出書」を提出し、確定申告書は不動産所得を得た翌年の2月16日から3月15日までに納税管理人を通じて提出します。

海外転勤の際は、住宅ローン控除の適用外となることも念頭に置き、住宅ローンがある場合は金融機関に報告し、適切な処置を取る必要があります。また、固定資産税の支払いは口座振替を設定することで、海外滞在中も滞りなく対応できます。

総合的に、海外転勤時に家賃収入を得る際には、税務に関する事前準備や管理人の選任が重要となります。不明点がある場合は、税理士などの専門家に相談し、適切な手続きを行いましょう。

まとめ

自宅を賃貸に出すことは、未活用の資産を収益化し、経済的なメリットを享受する絶好の機会です。しかし、自宅を賃貸に出すことを選ぶ際には、さまざまな注意点や準備が必要となります。この記事では、自宅を賃貸に出す際の利点や留意点、税金に関する基本情報を網羅的にご紹介しました。自宅を賃貸に出すことは、追加収入を得るとともに、不動産資産の価値を維持するための有効な手段です。しかし、成功のためには、慎重な準備と適切な知識が不可欠です。本記事を参考に、賢い賃貸経営を実現しましょう。

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檜垣知宏:宅地建物取引士

株式会社ライフアドバンス代表取締役の檜垣知宏です。 2014年8月に設立し、恵比寿不動産という屋号で賃貸仲介・売買仲介・賃貸管理を行う不動産業者です。 不動産業界歴15年の経験を生かし、 運営しているサービスサイトである「不動産の相談窓口」の運営者も務めております。

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