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不動産投資で経費に認められる費用は?どこまで経費にできるのか一覧で分かりやすく解説

この記事の監修者

檜垣知宏:宅地建物取引士のアバター

檜垣知宏:宅地建物取引士

この記事のポイント

  • 不動産投資に関する経費は適正に計上することが重要。

  • 認められる経費は収益に直接関連する費用。

  • 青色申告や法人化でさらなる節税効果が期待できる。

不動産投資は、不労所得を得るチャンスとして人気があります。しかし、不動産投資で利益が出た際には確定申告を行い、正確な経費計上が求められます。そこで、多くの投資家が悩むのが、「どの費用が経費として認められるか?」という点です。不動産投資の利益を最大限手元に残すためには、必要な経費を漏れなく計上し、課税所得を抑えることが重要です。

しかし、経費として認められるものと認められないものの区別がつかないと、余計な税金を払うことになりかねません。反対に、認められない経費を無理に計上すると、後々のトラブルや税務調査の対象になるリスクもあります。

投資家として成功するためには、経費の正しい知識を身につけておくことが欠かせません。不動産投資の経費を適切に管理し、税金を最小限に抑えるための知識は、投資家としての自分を守るために必須のスキルです。

この記事では、不動産投資で経費として認められる費用の具体例と、経費として認められないものについて、分かりやすく解説していきます。これにより、不動産投資家の皆様が適切な申告を行い、無駄な税金の支払いを防ぐための情報を提供します。

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目次

不動産投資で経費として認められる基準とは?

不動産投資において、経費として認められるものは、直接的に不動産投資に関わる費用です。基本的には、不動産収益を得るために必要な費用が経費として計上できます。たとえば、物件の維持管理や修繕費、管理会社への手数料、ローンの金利、さらに税金や保険料などが該当します。

言い換えれば、収益を得るために避けられない支出が経費として認められるのです。これにより、投資を継続しながら利益を最大化するための重要な費用を正しく計上することが可能になります。

ただし、すべての費用が経費として認められるわけではありません。経費として計上できるものと、できないものがあるため、正確に判断することが必要です。

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不動産投資で経費にできる費用一覧

不動産投資には、さまざまな費用がかかりますが、そのすべてが経費として計上できるわけではありません。経費に計上できる費用を正しく把握し、適切に申告することで、課税対象額を減らし、節税につなげることが可能です。

不動産投資に関わる費用の中で、経費として認められるものを以下に紹介しますので、しっかりと確認し、効果的に節税対策に活用してください。

ローンの金利

不動産投資におけるローンの金利は、経費として計上することが可能です。ただし、金利部分と元金部分では扱いが異なるため、正確に理解しておくことが重要です。

建物部分の金利(設備を含む)
経費として計上可能です。建物や設備にかかるローンの金利はすべて経費に含められるので、適切に処理しましょう。

土地部分の金利
不動産所得が黒字の場合、土地の金利も経費計上ができます。ただし、不動産所得が赤字の時には、損益通算の対象外となるため、節税を目的に計上する際には注意が必要です。赤字の場合、土地部分の金利は損失から差し引く必要があります。

ローンの元金部分
元金については経費として計上できません。ローンの元金は資産の返済であるため、経費にはならないことを覚えておきましょう。

土地と建物それぞれの金額は、通常、売買契約書に記載されています。また、設備費用が別途記載されている場合、設備部分にかかる金利も経費として計上できますので、契約書を確認してしっかりと経費申告を行いましょう。

特に、土地部分の金利については、不動産所得が赤字か黒字かによって扱いが変わるため、節税を意識する投資家の方は慎重に処理する必要があります。会計処理の際は「支払利息」という勘定科目を使用し、適切な仕訳を行うことが大切です。

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税金

不動産投資を行う上で発生する税金の一部は、経費として計上することが可能です。しかし、すべての税金が経費に含まれるわけではなく、計上できない税金も存在します。ここでは、経費計上できる税金とできない税金について詳しく説明します。

経費として認められる税金

不動産投資において経費として認められる税金には、いくつかの種類があります。これらを適切に経費計上することで、課税所得を減らし、節税効果を高めることが可能です。以下は、不動産投資に関連して経費として認められる主な税金です。

固定資産税
不動産を所有している限り毎年発生する税金で、経費として計上可能です。

都市計画税
固定資産税と同様に、所有している不動産に課される税金で、こちらも毎年計上できます。

登録免許税
不動産を購入または登記する際に支払う税金で、購入時に1度だけ発生します。

不動産取得税
不動産の購入時に課される税金で、経費に含めることが可能です。

印紙税
契約書に貼付するために支払う税金です。これは不動産売買時に発生します。

自動車税、重量税
不動産投資で利用している車両にかかる税金は、投資活動に使った部分に限り経費として計上可能です。

利子税
納税が遅れた際に発生する利子税も、特定の条件下で経費として扱えます。

法人事業税
法人化した不動産投資に関しては、法人事業税も経費に計上することができます。

金銭消費貸借契約書
ローン借入時の金銭消費貸借契約書で、経費として扱えます。

登録免許税や印紙税は、不動産購入時の一時的な支払いですが、固定資産税や都市計画税は毎年発生します。忘れずに計上し、正確な節税対策を行いましょう。これらの税金は、会計処理において「租税公課」という勘定科目を使用して記録します。

経費として認められない税金

不動産投資においては、経費として計上できない税金も存在します。これらの税金は、事業活動に直接関連しないため、経費として認められません。以下は、経費計上できない代表的な税金です。

所得税
不動産投資による収益に対して課される税金ですが、これは個人の所得に対するものであるため、経費には含めることができません。

住民税
住んでいる地域に基づいて課される税金で、個人の所得に対して発生するため、こちらも経費にはなりません。

法人税
法人化して不動産投資を行っている場合の法人税も、会社の利益に対して課せられるため、経費として計上することはできません。

これらの税金は、事業や不動産投資の維持運営に直接関係する費用とはみなされないため、経費として計上することができないことを理解しておきましょう。

保険料

不動産投資における火災保険や地震保険にかかる保険料は、経費として計上することが可能です。これらの保険は、物件の維持や災害リスクに備えるために必要なものであり、事業に直接関連するため、経費として認められます。

さらに、孤独死保険など、大家が負担する特定の保険も経費として計上可能です。これにより、不動産投資に伴うリスク管理の費用も、適切に経費に組み込むことができます。加入している保険会社に連絡して、保険料の明細を取り寄せることで、確実に経費申告ができます。

なお、団体信用生命保険(団信)の保険料については、通常、ローンの金利に上乗せされて支払われています。そのため、ローンの金利部分に含まれる形で経費計上が可能です。この保険料も、事業に関連する費用として経費に含めることができます。

経費計上の際の勘定科目は「損害保険料」となりますので、正確な会計処理を心がけましょう。

修繕費

不動産の修繕費は、経費として計上することが可能です。これは、退去時の原状回復リフォームや、日常的に発生する設備故障の修理や交換にかかる費用が該当します。これらの費用は、「修繕費」という勘定科目で仕訳を行い、適切に申告することで経費計上が可能です。

ただし、修繕工事費が20万円を超えた場合、その費用は減価償却の対象となり、注意が必要です。また、修繕の種類や工事の内容によっては、一括で経費として計上できない場合があります。具体的には、修繕費として経費にできるものと、資本的支出として資産に計上すべきものに区分される場合があるのです。

不動産投資で発生する工事費用を、資本的支出として扱うか、修繕費として一括経費計上するかの判断は、迷いやすいポイントの一つです。この2つの違いは以下の通りです。

資本的支出
物件の資産価値を高めるための費用。例えば、大規模な改修や増築などが該当し、これらは複数年にわたり減価償却して計上します。

修繕費
原状回復や設備の故障修理のための費用で、発生した年に一括で経費計上が可能です。日常的な修理や部分的な補修などがこれに当たります。

不動産の修繕にかかる費用は、可能であれば一括で修繕費として経費計上することで、当年度の税金を減らしたいと考えるでしょう。しかし、工事内容によっては、一括経費計上が認められず、資本的支出として扱われることもあります。税務署に否認されないためにも、工事内容を正確に区分し、適切な申告を行うことが大切です。

資本的支出と修繕費の判断は難しいケースが多く、具体的な事例や判断基準をもとに適切な処理を行いましょう。

減価償却費

不動産投資における建物部分の減価償却費は、毎年の経費として計上することが可能です。減価償却費とは、物件の資産価値が経年によって減少する分を、定められた期間にわたって少しずつ経費として計上する制度です。この制度により、建物の購入費用を数年に分けて費用化でき、毎年の課税所得を減らすことができます。

具体的には、不動産の購入費用のうち、建物部分の金額については、減価償却期間(償却年数)で割り、その金額を毎年の経費として計上します。これにより、物件の所有期間中に資産の価値が徐々に減少する分を経費化できるため、節税効果を得ることが可能です。

減価償却の年数は物件の構造や使用目的に応じて異なるため、正確な償却年数や計算方法については、専門家に相談することをおすすめします。

減価償却する際の注意点としては、土地の購入費用は減価償却の対象外となります。土地は経年による価値減少がないため、減価償却を適用することはできません。したがって、建物と土地を購入した場合には、建物部分のみを減価償却費として計上し、土地部分は経費として計上しないように注意が必要です。

仲介手数料・広告宣伝費用

賃貸仲介会社や管理会社に支払う仲介手数料広告宣伝費用は、経費として計上することが可能です。これらの費用は、物件を運営していく上で発生する必要なコストであり、適切に経費計上することで節税効果を得ることができます。

仲介手数料は、オーナー自身が入居者を見つけた場合を除き、入居が決定するたびに発生します。通常、入居者が決まる度にかかるコストであるため、不動産運営において不可欠な費用です。

一方で、広告宣伝費用は必ずしも必要なものではありませんが、空室を減らし、スムーズに入居者を確保するために重要な役割を果たします。例えば、物件の魅力を伝えるために広告を出したり、入居促進キャンペーンを実施したりする際にかかる費用が該当します。

さらに、入居促進のために家具家電や商品券をプレゼントするような場合、それらの費用も経費として計上可能です。このような費用は交際費として扱われ、不動産投資の戦略の一環として活用できます。経費として計上できることを認識することで、入居促進の幅が広がり、物件運営を効率的に行うことができます。

ただし、魅力に乏しく、入居者確保に苦労しそうな物件を購入する際には、これらの手数料や費用を事前に考慮した収支予測を立てることが重要です。計画的な費用管理が成功のカギとなります。

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管理会社への賃貸管理手数料(管理委託費用)

不動産の管理委託料は、経費として計上することが可能です。自主管理を行っていないオーナーは、家賃の集金や入居者の募集、入居者対応などの業務を管理会社に委託していることが一般的です。これらの業務にかかる費用は、確定申告時に経費として申告できます。

まず、管理会社から送られてくる明細を確認し、委託料の内容を把握することが大切です。管理会社によっては、確定申告に必要な経費明細をまとめてくれるサービスを提供しているところもあるため、事前に確認しておくと手間が省けます。

もし管理会社がそのようなサービスを提供していない場合でも、管理委託料の明細を年間分揃えておけば、後から対応が可能です。申告時に一括で経費を計上するために、必要な書類をしっかりと保管しておきましょう。

管理委託料は物件運営の重要なコストであり、適切に経費計上することで、節税に繋げることができます。定期的に明細を確認し、管理会社と連携しながら適切に処理することが大切です。

管理費・修繕積立金

建物の管理費や修繕積立金は、不動産投資における必要なコストであり、経費として計上することができます。

不動産を所有していると、共用部分の清掃や設備の点検・保守など、個々の部屋以外にも費用がかかります。これを管理費と呼びます。管理費は、建物全体の維持管理に必要な費用であり、適切に経費計上することが可能です。

また、マンションなどの分譲物件では、修繕積立金も必要になります。これは、将来の大規模修繕に備えるための積立金であり、こちらも経費として扱えます。管理委託料と同様に、管理会社に支払っているケースが多いですが、物件によっては、部屋(専有部分)の管理会社と建物全体の管理会社が異なる場合もあります。

さらに、エレベーターの保守や消防点検などの費用は、管理会社を通さずに直接支払うケースもあります。これらの費用も経費として計上できますので、請求書や領収書を保管しておき、確定申告時に忘れずに申告することが重要です。

管理費や修繕積立金は、物件の維持や安全性の向上に欠かせない費用であり、適切に経費として処理することで、節税効果を得ることができます。

交通費・旅費

不動産投資に関連する旅費交通費は、経費として計上することが可能です。不動産投資を進める上で、物件購入や管理、交渉などで実際に現地へ赴くことが多々あります。たとえば、以下のような目的で使用された費用が該当します。

  • 不動産購入のための現地訪問
  • 物件の交渉や契約のための不動産会社訪問
  • 決済や打ち合わせのための金融機関訪問
  • 所有物件の定期的な状況確認

これらのケースでは、具体的に次のような費用が経費として認められます。

  • 公共交通機関の運賃
  • 高速道路料金
  • 自家用車のガソリン代
  • 駐車場代
  • ホテルの宿泊費

経費として計上するためには、領収書をしっかりと保管することが重要です。支払った際には、使用目的をメモしておくことで、後々確認がスムーズになります。なお、公共交通機関の運賃など領収書が発行されない場合は、旅費精算書を作成し、明細を明確に記録しておきましょう。

これらの費用は、確定申告の際に「旅費交通費」という勘定科目で計上することが可能です。不動産投資に関する出費は漏れなく経費に含めることで、節税効果を最大限に活用しましょう。

通信費

不動産投資に関連して発生した通信費も、経費として計上することが可能です。通信費は、不動産投資において重要な役割を果たすため、適切に経費として処理することで、節税につなげることができます。以下は、通信費として計上できる代表的な例です。

  • スマホ(携帯電話)やパソコンの購入代金
  • 携帯電話会社への支払い料金
  • インターネットのプロバイダー料金
  • 不動産投資に使用するソフトウェアやアプリの購入費

スマホやパソコンは、不動産会社や管理会社との連絡手段として欠かせないツールです。また、物件探しや市場調査、情報収集にも使われるため、これらにかかる費用は経費として計上できます。

ただし、通信費は不動産投資以外にも使用している場合、私用部分と事業用部分を区別する家事按分が必要です。例えば、携帯電話やインターネットをプライベートでも利用している場合は、使用割合に応じて、不動産投資に使った部分のみを計上することが求められます。

通信費を計上する際の勘定科目は「通信費」となります。しっかりと使用目的を把握し、経費に含められる部分を正確に処理しましょう。

接待交際費

不動産投資において、不動産会社や管理会社の担当者との打ち合わせにかかる飲食代は、経費として計上することが可能です。これにより、ビジネス上の関係を強化し、不動産運営を円滑に進めるための費用を節税に活用できます。

ただし、経費として認められるのは、不動産投資に直接関係する人との食事や飲食費のみです。一人での食事や、不動産投資と関係のない家族や友人との食事にかかる費用は経費として計上することができませんので注意しましょう。

経費として計上する際には、領収書を保管し、誰と何のために行った食事なのかを記録しておくことが大切です。この情報を記録しておくことで、経費として認められやすくなります。

これらの費用を処理する際の勘定科目は「交際費」となります。正確に記録し、適切に申告することで、節税に役立てることができます。

司法書士・税理士への報酬

司法書士や税理士などの専門家への報酬は、不動産投資における必要な費用として、経費に計上することが可能です。これらの専門家は、法律や税務の分野で不動産投資をサポートしてくれるため、投資活動に不可欠な存在です。

司法書士への報酬
不動産購入時や売却時の登記手続きなど、司法書士に依頼する際の報酬は経費として計上できます。特に、所有権移転登記や抵当権設定登記などが該当します。

税理士への報酬
確定申告や税務相談など、税理士に依頼する際の報酬も経費に含められます。不動産投資に伴う複雑な税務処理を正確に行うため、税理士のサポートは重要です。

弁護士への報酬
不動産投資に関連して、例えば賃料滞納による訴訟などで弁護士に依頼した際の費用も経費として計上できます。賃貸契約に関するトラブルが発生した場合などが該当します。

これらの専門家に支払う報酬は、経費として適切に計上することで、節税効果を得られます。支払いの際には、領収書や請求書をしっかりと保管し、申告時に必要な書類として備えておきましょう。

情報収集などにかかった書籍費など

不動産投資に必要な情報収集のためにかかる費用は、経費として計上することが可能です。情報を収集し、投資判断を行うために役立つ費用は、不動産投資に欠かせない経費といえます。具体的には以下のような費用が該当します。

新聞代
不動産市場の動向を把握するために購読する新聞代は、経費として計上できます。

書籍代
不動産投資に関連する書籍の購入費用も経費になります。投資戦略や市場分析に役立つ書籍は、積極的に経費として申告しましょう。

セミナー代
不動産投資に関するセミナーや講座に参加する際の費用も経費に計上可能です。最新の市場情報や投資技術を学ぶための費用として認められます。

コンサルティング代
不動産投資の専門家にコンサルティングを依頼する際の費用も、経費として計上することができます。

ただし、これらの費用はあくまで「不動産投資をする上で必要なもの」という前提での話です。不動産投資に直接関係のない新聞や書籍、セミナーなどの費用は経費として認められませんので、注意が必要です。

また、たとえ不動産投資に関連していても、資格取得費用は経費として計上できないので、その点も考慮して経費を処理しましょう。

消耗品や備品

不動産投資において、物件管理や運営のために使用する消耗品や備品も、経費として計上することが可能です。これらの費用は、不動産投資活動をスムーズに進めるために必要なものであり、日常的な管理や運営に欠かせないアイテムが対象となります。具体的には、次のようなものが経費に該当します。

文房具類
書類作成や契約手続きのために必要なペンやファイル、印刷用紙などの文房具は、経費として計上できます。

掃除用品
物件の管理や清掃を行うために必要な掃除道具や消耗品も経費に含まれます。例えば、掃除機、モップ、クリーニング剤などが該当します。

電球やバッテリー
共用部分や設備の維持に使う電球やバッテリーなどの交換費用も経費として認められます。

工具や修理用品
軽微な修理やメンテナンスに使う工具や修理用品も経費に含めることができます。

ただし、これらの消耗品や備品は、不動産投資に直接関係するものに限られるため、私的な使用目的のものは経費として認められません。また、高額な備品については減価償却の対象となる場合もあるため、注意が必要です。

勘定科目としては「消耗品費」や「備品費」として仕訳を行い、適切に経費処理をしましょう。これにより、不動産投資にかかる運営費用を節税に役立てることができます。

自動車関連

不動産投資に関連する自動車関連の費用は、幅広く経費として認められます。不動産投資活動に必要な車両の購入やメンテナンスにかかる費用を、正確に経費計上することで、節税効果を得ることができます。具体的には、次のような費用が該当します。

車両の購入代金
不動産投資のために使用する車両を購入した場合、その代金は経費として計上可能です。高額な場合は減価償却対象となります。

車検やメンテナンス費用
定期的な車検や修理・メンテナンスにかかる費用も経費として認められます。

自動車税
車両の所有に伴う自動車税も、経費として計上できます。

保険料
車両にかかる自動車保険の保険料も、経費に含めることが可能です。

レッカー代金
不動産投資活動中に発生した車両のレッカー代金も、経費として計上できます。

ただし、自家用車を不動産投資とプライベートで併用している場合は、家事按分が必要になります。不動産投資に使用した部分だけを経費として計上することが求められます。

なお、レッカー代金は経費として認められますが、スピード違反や駐車違反による反則金や罰金は経費として計上できないため、注意が必要です。

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不動産投資で経費として認められないものは?

不動産投資では、必要な経費を適切に計上することが重要ですが、経費として認められない費用も存在します。確定申告の際に「経費で落とせる」と勘違いしてしまうと、後々の税務処理で問題が発生し、結果として収益が悪化することもあります。これらの経費は、事前にしっかり把握しておきましょう。

過去の事例からも、税務署に認められなかった経費がいくつか明らかになっています。以下に代表的なものを紹介します。

不動産投資に関係のない日用品

スーツや時計、コンタクトレンズ代などの装飾品や日用品は、たとえビジネスシーンで使用するものであっても、経費として計上することはできません。これらは、個人的なファッションや身だしなみを整えるための費用とみなされやすく、ビジネスに必要だからといって経費として認められるわけではないため、注意が必要です。

たとえば、不動産会社や管理会社、金融機関の担当者と会う際にのみ使用するとしても、スーツやビジネスバッグ、腕時計などは経費に含められません。過去の事例でも、これらのアイテムはファッションアイテムとみなされ、経費として認められなかったケースが報告されています。

このように、ファッションや個人的な身の回り品に関連するものは、基本的に経費として計上できないため、類似のアイテムにも十分注意しましょう。正しい経費計上を行うために、経費となり得る項目と認められない項目の違いをしっかりと理解することが大切です。

プライベートでの飲食代や交際費

プライベートでの飲食費用は、個人的な利用であるため、経費として計上することはできません。「個人事業主になれば日々の飲食代を経費にできる」という考えは誤解であり、私的な経費の流用は税務上認められません。

不動産投資や事業に関連しない私的な飲食費を経費として申告してしまうと、税務署による税務調査が入る可能性もあります。プライベートでの飲食や個人的な出費は、明確に区別して管理することが重要です。

経費として認められるのは、業務に直接関係する飲食費のみです。不正な経費計上が続くと、最悪の場合、追徴課税や罰則が科されることもあるため、経費計上には注意が必要です。

所得税や住民税などの税金

所得税、住民税、法人税は、不動産投資に関連する経費とは認められません。これらの税金は、不動産投資に関係なく個人や法人に課せられる税金であり、事業に直接関連する費用とはみなされないため、経費として計上することはできません。

たとえば、不動産投資で得た収益に対して課せられる所得税や住民税は、個人の納税義務として発生するものであり、事業運営に必要なコストとは区別されます。また、法人として不動産投資を行っている場合に発生する法人税も、会社の利益に対して課される税金であるため、経費として認められません。

これらの税金は、経費として計上できない項目として理解し、適切な税務処理を行うことが重要です。

不動産投資で節税するためのポイント

会社員の給与は、源泉徴収や年末調整によって税金が自動的に計算されていますが、不動産所得に関しては個人が得た収入と支出を計算し、自ら確定申告を行う必要があります。不動産所得とは、賃貸物件から得られる家賃収入や駐車場収入などを指し、そこから必要経費を差し引いた金額が課税対象となります。

不動産投資で節税するための基本ポイントは、適切な経費計上と確定申告をきちんと行うことです。特に、青色申告と白色申告の違いを理解し、自身の状況に合った申告方法を選ぶことが重要です。

白色申告は、青色申告の承認を受けていない納税者が行う申告方法です。不動産所得の確定申告において、青色申告を希望しない場合や手続きを行っていない場合、白色申告を選択することになります。

白色申告の特徴は、青色申告に比べて必要な書類が少なく、手続きが比較的簡単であることです。簡易な帳簿を使用し、専門的な簿記知識が不要なため、誰でも容易に作成できます。

ただし、白色申告には税制上の控除や優遇措置はありません。そのため、手軽に申告を済ませたい方には適していますが、節税効果は期待できません。

不動産投資で節税を最大限に活用したい場合は、青色申告を検討することをおすすめします。青色申告にはさまざまな税制優遇措置があり、不動産投資をする際に大きな節税効果を得ることができます。

確定申告は青色申告をする

青色申告は、税制上の優遇措置を受けられる申告方法です。不動産投資を行う際には、税制メリットを最大限に活用できるため、青色申告を選ぶことをおすすめします。青色申告を始めるには、事前に「青色申告承認申請書」と「開業届」を所轄の税務署に提出する必要があります。

青色申告の大きなメリットは、「青色申告特別控除」と「純損失の繰越控除」の2つです。これにより、不動産投資における節税効果を大幅に高めることができます。

□青色申告特別控除

・青色申告を行うことで、最大65万円の特別控除を受けることができます。控除額には65万円、55万円、10万円の3種類があり、要件を満たすことで適用されます。

・65万円控除を受けるには、まず55万円控除を受ける必要があります。また、55万円控除の条件として、「事業規模の不動産貸付」と「複式簿記の適用」が求められます。さらに、65万円控除を受けるためにはe-Taxの利用や優良な電子帳簿の保存が必要です。

□純損失の繰越控除

・不動産投資で損失が発生した場合、その損失を3年間にわたって繰り越すことができます。これにより、翌年以降に利益が出た場合でも、損失を繰り越して課税所得を減らすことが可能です。

青色申告には、次のような大きな節税メリットがあります。

□青色申告特別控除が大きい

特別控除額は10万円から最大65万円まであり、適切な条件を満たすことで節税効果が期待できます。特にe-Taxを利用して電子申告を行えば、最大65万円の控除を受けることができるため、税制面でのメリットは非常に大きいです。

□事業専従者への給与の計上上限がない

青色申告を行っている場合、家族などの事業専従者に支払う給与を経費として計上できます。白色申告では給与額に上限がありますが、青色申告の場合は上限なく経費として控除できるため、事業規模に応じた節税が可能です。

□赤字の繰越しが3年間可能

不動産賃貸業で赤字が出た場合でも、青色申告を選ぶことでその損失を3年間にわたって繰り越すことができます。これにより、将来の黒字と相殺して課税所得を減らすことができ、長期的な節税が期待できます。

□多くの経費を計上できる

青色申告では、不動産投資にかかるさまざまな経費を正確に計上することができ、所得から控除することで納税額を減らすことができます。

青色申告を行う際には、次の点に注意が必要です。

□期限までに青色申告承認申請書を提出する

青色申告を開始するためには、所轄の税務署に「青色申告承認申請書」を期限内に提出しなければなりません。通常、開始する年の前年の3月15日までが期限ですが、1月16日以降に事業を開始した場合は、事業開始日から2カ月以内に提出すれば問題ありません。

□経費の証拠書類を保管する

不動産投資にかかる経費を計上するためには、領収書やレシートを7年間保管する義務があります。感熱紙で発行されたレシートなどは印字が消える可能性があるため、コピーや電子データでの保管が推奨されます。

□不動産所得の正確な算出方法を確認する

不動産所得は、総収入金額から必要経費を差し引いた金額で算出されます。賃料収入だけでなく、管理費や共益費、礼金、更新料も正確に計上しましょう。

所得によっては法人化も検討する

不動産投資における「法人化」とは、個人名義で所有・運用している不動産を、法人名義に切り替えて運用することを指します。法人化することで、税制上のメリットが得られ、節税対策として活用されることが多いです。この場合、法人は投資家自身の資産管理会社(プライベートカンパニー)として設立されることが一般的です。投資家である代表者は、設立した法人から「役員報酬」の形で家賃収入を受け取ることができ、不動産投資を法人運営にすることで節税効果が期待できます。

不動産投資において法人化を検討すべきタイミングは、所得状況や税金の負担を考慮して決定することが重要です。以下のような状況では、法人化が節税対策として効果的となります。

  1. 不動産所得が単体で黒字になっている場合

サラリーマン大家や個人事業主が不動産投資を行っている場合、不動産所得が赤字のときは、法人化を検討する必要はあまりありません。なぜなら、個人であれば不動産投資の赤字を給与所得と損益通算できるため、給与所得から控除して節税ができるからです。

しかし、不動産所得が黒字であれば、法人化を検討する価値があります。法人化することで、家賃収入などの不動産所得を法人税の適用対象とし、税率を抑えることが可能になるからです。

  1. 課税所得が900万円を超えるとき

法人化を検討するもう一つのタイミングは、課税所得が900万円を超えるときです。個人の所得税率は、課税所得が900万円を超えると、税率が23%から33%に引き上げられます。これに対して、法人税率は一律23.2%(中小企業の場合)ですので、個人の税率より法人税率の方が低くなることがあります。

つまり、課税所得が大きくなってきた際には、法人化することで個人よりも有利な税率で課税され、節税効果を高めることができるのです。法人化する基準の目安として、課税所得が900万円を超えそうなタイミングを把握し、法人化を検討することが重要です。

不動産投資の経費に関するよくある質問

不動産投資を行う際、経費を適切に計上することは節税対策の基本です。以下では、不動産投資における経費についての具体的な質問と、その回答を解説していきます。

不動産投資における経費はどれくらい使える?

不動産投資を行う際、投資家の大きな関心事のひとつが「どれくらいの費用を経費として使えるか」という点です。次にこの質問について詳しく解説します。

上限はないが適正の常識の範囲内で収めるべき

不動産投資における経費は、基本的に上限はありません。不動産運営に直接関連する費用であれば、適切に計上することで節税効果を得ることができます。経費として認められる範囲には修繕費、管理費、広告宣伝費、ローンの金利などがあります。

ただし、経費を正しく計上することが重要です。「経費計上を怠ったために余計な税金を支払う」という失敗を避けるためにも、必要な経費は確実に記録し、漏れなく申告しましょう。

一方で、節税を意識しすぎて過度に経費を計上し、意図的に赤字を続けることは避けるべきです。赤字経営が続くと、金融機関からの信用を失い、将来的な不動産投資の際に融資が受けにくくなる可能性があります。

また、不正な経費計上を行った場合、税務調査で発覚すると、重加算税などのペナルティが課せられるリスクがあります。そのため、経費は適正な範囲内で計上し、税務処理を正確に行うことが節税対策として大切です。

まとめ

不動産投資において経費の適切な計上は、節税対策において非常に重要です。この記事では、不動産投資における経費として認められる費用や、経費計上のポイントについて詳しく解説しました。まず、経費として認められるものは、不動産の維持管理や修繕費、管理会社への手数料、ローンの金利など、不動産収益を得るために必要な支出です。一方で、所得税や住民税などの一部税金や、プライベートな飲食費用などは経費として認められません。
節税を成功させるためには、適切な経費を確実に計上し、税務署が認める基準に沿った処理を行うことが大切です。また、青色申告を活用することで、控除の幅を広げ、さらに節税効果を高めることができます。場合によっては、法人化を検討することも、所得が大きくなった際の有効な節税対策となるでしょう。
不動産投資での経費計上は複雑ですが、しっかりと知識を身につけ、正確に処理を行うことで、長期的な資産形成に役立てることができます。

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檜垣知宏:宅地建物取引士

株式会社ライフアドバンス代表取締役の檜垣知宏です。 2014年8月に設立し、恵比寿不動産という屋号で賃貸仲介・売買仲介・賃貸管理を行う不動産業者です。 不動産業界歴15年の経験を生かし、 運営しているサービスサイトである「不動産の相談窓口」の運営者も務めております。

保有資格:宅地建物取引士

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