不動産の相談窓口

マンション高層階のデメリットとは?低層階との住み心地を比較!どっちが良いか解説

この記事の監修者

檜垣知宏:宅地建物取引士のアバター

檜垣知宏:宅地建物取引士

この記事のポイント

  • マンション高層階のデメリットは、エレベーターの待ち時間や災害時の避難の困難さ、強風による揺れなどが挙げられ、日常生活や安全面で注意が必要です。

  • 高層階には、優れた眺望や日当たり、プライバシーの確保、騒音や虫が少ないといったメリットもあり、快適で質の高い暮らしを実現できる可能性があります。

  • 階数選びでは、低層階や中層階の利点も比較し、家族構成や通勤、防災意識など、自身のライフスタイルで何を重視するかを明確にすることが重要です。

マンションの高層階は、美しい眺望や開放感など多くの魅力がある一方で、日常生活における不便さや災害時のリスクといったデメリットも存在します。
高層階での暮らしに憧れを抱いていても、実際の住み心地を知らずに選んでしまうと後悔につながるかもしれません。

この記事では、高層階の具体的なデメリットを解説するとともに、低層階や中層階のメリット・デメリットとも比較し、それぞれのライフスタイルに合った階数の選び方を提案します。

目次

そもそもマンションの「高層階」とは何階からを指すの?

マンションの「高層階」に明確な法的な定義はありませんが、建築基準法では高さ31mを超える建築物を高層建築物と定めており、これはおおむね10階建て以上に相当します。
さらに、高さ60mを超えるものは超高層建築物と呼ばれ、一般的にタワーマンション(タワマン)がこれに該当します。

不動産業界の慣例や一般的な認識としては、マンション全体の階数に対して上層部を指す場合が多いです。
例えば、15階建ての高層マンションであれば10階以上、40階建てのタワーマンションであれば30階以上を高層階と呼ぶなど、その定義は建物の総階数によって変動します。

マンション高層階に住む前に知っておきたい7つのデメリット

マンションの高層階での生活は多くの人にとって憧れの対象ですが、その華やかなイメージの裏には、生活上の不便さや災害時の危険など、事前に知っておくべきデメリットがいくつか存在します。
眺望やステータスといったメリットだけに目を向けるのではなく、これから紹介する7つのデメリットをしっかりと理解し、自身のライフスタイルと照らし合わせることが、後悔のない住まい選びにつながります。

エレベーターの待ち時間が長く通勤・通学に影響が出る

高層階に住む上で日常生活に最も影響するのがエレベーターの問題です。
特に朝の通勤・通学ラッシュの時間帯は利用者が集中するため、エレベーターがなかなか来なかったり、各階停止で目的階に着くまでに時間がかかったりすることが頻繁に起こります。
高層階になるほど移動時間が長くなるため、時間に余裕を持った行動が求められます。

また、忘れ物をして部屋に取りに戻る際や、急いでいる時に限って、この待ち時間や移動時間が大きなストレスとなる可能性があります。
物件によっては、高層階専用エレベーターが設置されている場合もありますが、内見時には実際の動線や混雑状況を確認しておくと良いでしょう。

地震や強風で揺れを大きく感じやすい

高層マンションは建物の構造上、地震の際にゆっくりと大きく揺れる「長周期地震動」の影響を受けやすくなります。
震源が遠い地震でも、高層階では家具が転倒したり、大きく移動したりするほどの揺れを感じることがあります。
また、地震だけでなく、台風や強風の日にも建物の揺れを感じることがあり、人によっては船酔いのような気分の悪さを覚える場合もあります。

最近のタワーマンションは免震構造や制震構造が採用されていますが、揺れを完全に無くすことはできません。
揺れに敏感な人や、高い場所が苦手な人は、この点を十分に考慮する必要があります。

災害時に避難しにくく孤立するリスクがある

地震や火災などの災害が発生し、エレベーターが停止してしまった場合、高層階からの避難は大きな課題となります。
数十階の階段を自力で昇り降りするのは、健常な大人であっても大変な重労働であり、高齢者や小さな子ども、妊婦がいる家庭ではさらに深刻です。

また、停電や断水が起きると、復旧するまでの間、電気や水を使えない生活を強いられます。
給水車が来ても、重い水を抱えて階段で部屋まで運ぶのは現実的ではありません。
このように、災害時には高層階の住民が建物内で孤立し、生活の継続が困難になるリスクをはらんでいます。

外出が億劫になり引きこもりがちになる可能性

高層階の住まいは、地上との物理的な距離があるため、外出に対する心理的なハードルが上がることがあります。
ゴミ出しや郵便ポストの確認、近所のコンビニへの買い物といった短時間の外出ですら、エレベーターの待ち時間や移動を考えると面倒に感じられ、後回しにしてしまう人も少なくありません。

特に、在宅で仕事をしている人や一人暮らしの場合、意識的に外に出る機会を作らないと、運動不足になったり社会との接点が希薄になったりする可能性があります。
こうした日々の小さなストレスの積み重ねが、生活の質に影響を与えることも考えられます。

夏は日差しが強く室温が上がりやすい

高層階は周囲に日光を遮る建物が少ないため、日当たりが非常に良いというメリットがある反面、夏場は室温が上がりやすいというデメリットがあります。
特に、西向きの部屋では午後の強い日差しが直接室内に入り込み、室温が急上昇することがあります。
その結果、冷房を長時間、強力に稼働させる必要があり、光熱費が高くなる傾向が見られます。

窓ガラスにUVカットや遮熱効果のあるフィルムを貼ったり、遮光性の高いカーテンを選んだりするなど、日差し対策を講じないと、快適な室温を保つのが難しくなる場合があります。

インターネット回線が不安定になることがある

マンションのインターネット設備によっては、高層階で通信速度が遅くなったり、回線が不安定になったりするケースがあります。
これは、多くの住戸で一本の光回線を共有していることや、建物の配線方式(特にVDSL方式)が原因で、基地局から遠い高層階ほど信号が減衰しやすくなるためです。

在宅ワークでのWeb会議や、オンラインゲーム、高画質の動画視聴など、安定した高速通信を必要とするライフスタイルの場合、通信環境は非常に重要です。
入居前にマンションのインターネット回線の種類や最大速度を確認し、必要であれば個別に光回線を引込めるかどうかも調べておくと安心です。

階数が上がるほど販売価格や家賃が高くなる

一般的に、マンションは階数が高くなるほど価格も上昇します。
眺望や日当たり、希少性といった付加価値が価格に反映されるため、同じ間取りの部屋であっても、低層階と高層階では数百万円、場合によっては数千万円以上の価格差が生じることがあります。

これは分譲だけでなく賃貸マンションでも同様の傾向があり、高層階になるほど月々の家賃が高く設定されています。
予算内で理想の住まいを探す際には、高層階という条件にこだわりすぎると、他の要素(広さ、立地、設備など)を妥協せざるを得なくなる可能性も考慮に入れる必要があります。

デメリットだけじゃない!マンション高層階ならではの5つのメリット

これまで高層階のデメリットを解説してきましたが、もちろんそれを上回るほどの魅力的なメリットも数多く存在します。
多くの人が憧れる高層階のメリットは、眺望の良さをはじめ、日々の暮らしの快適性やプライバシーの確保に直結するものが中心です。

なぜ高層階が人気を集めるのか、その理由となる具体的な5つのポイントを見ていきましょう。
これらの高層階のメリットを理解することで、デメリットと比較検討し、よりバランスの取れた判断が可能になります。

眺望が良く開放感のある暮らしが手に入る

高層階の最大の魅力は、なんといってもその眺望の良さです。
視界を遮るものが少なく、遠くまで見渡せるパノラマビューは、何物にも代えがたい価値があります。
昼間は広がる街並みや空を、夜は美しい夜景を楽しむことができ、日々の暮らしに彩りと癒やしを与えてくれます。

花火大会や地域のイベントなどを、特等席である自宅から鑑賞できるのも高層階ならではの特権です。
窓からの景色が開放感を生み出し、部屋を実際よりも広く感じさせてくれる効果もあります。
この特別な眺望は、日々のストレスを和らげ、心にゆとりをもたらす重要な要素となり得ます。

日当たりや風通しが良好で快適に過ごせる

高層階は周囲に日光を遮る建物が少ないため、日照時間が長く、部屋の奥まで自然光が届きやすいという特長があります。
日中は照明をつけなくても明るく過ごせるため、電気代の節約にもつながります。
また、太陽光は室内を暖かく保つ効果もあり、冬場でも比較的暖かく過ごしやすいです。

同様に、風を遮るものがないため風通しも良好で、窓を開ければ心地よい空気が室内を通り抜けます。
湿気がこもりにくく、カビの発生を抑えられるほか、洗濯物が乾きやすいという実用的なメリットも享受でき、快適な住環境を保ちやすいです。

周囲の視線が気にならずプライバシーを守れる

地上や周辺の建物から距離がある高層階は、外部からの視線を気にする必要がほとんどありません。
低層階のように、通行人や隣の建物の住人と目が合う心配がないため、一日中カーテンを開けたままで過ごすことも可能です。
これにより、部屋の開放感を最大限に享受できるだけでなく、プライバシーがしっかりと確保された安心感の中で生活できます。

特に都心部の住宅が密集したエリアでは、このメリットは非常に大きいと言えます。
周囲の目を気にすることなく、自宅でリラックスして過ごしたい人にとって、高層階は理想的な環境です。

虫の侵入が少なく衛生的な環境を保ちやすい

蚊やハエ、ゴキブリといった多くの害虫は、自力で高く飛べる距離に限界があるため、高層階の住戸まで到達することは稀です。
一般的に、虫の侵入は3階あたりから減り始め、10階以上になるとその心配はほとんどなくなると言われています。

そのため、窓を開けて換気をしていても虫が入ってくるリスクが低く、衛生的な室内環境を保ちやすいです。

特に、虫が苦手な人にとっては、この点は非常に大きな精神的安心材料となります。
小さなお子さんがいる家庭でも、虫刺されなどの心配をせずに安心して窓を開けておけるのは嬉しいポイントです。

道路の騒音や振動が届きにくく静か

地上から離れている高層階は、車の走行音やクラクション、人々の話し声といった地上の騒音が届きにくくなります。
幹線道路沿いや繁華街に近い立地のマンションであっても、階数が上がるにつれて騒音は大幅に軽減され、静かで落ち着いた居住空間が確保されます。

地面の振動も伝わりにくいため、トラックや電車が近くを通るような場所でも、その影響をほとんど受けません。
都会の利便性を享受しながらも、家の中では穏やかな時間を過ごしたいと考える人にとって、高層階の静粛性は大きな魅力となるでしょう。

【階層別】低層階・中層階の住み心地を比較

ここまで高層階のメリット・デメリットを見てきましたが、最適な階数を選ぶためには、低層階や中層階の特徴も理解しておくことが不可欠です。
それぞれの階層に異なる魅力と注意点があり、高層階での生活が合わないと感じる人にとっては、他の階層がより良い選択肢となる可能性があります。

ここでは、低層階と中層階の住み心地を比較し、それぞれのメリット・デメリットを具体的に解説します。
多角的な視点から、自分たちのライフスタイルに最も適した階層を見つけましょう。

低層階(1~3階)に住むメリット

低層階の最大のメリットは、地上との距離が近く、外出や帰宅が非常にスムーズな点です。
エレベーターを待つ必要がなく、忘れ物をしても気軽に取りに帰れます。
特に1階であれば、万が一の災害時にも窓やバルコニーからすぐに屋外へ避難できるという安心感があります。

また、専用庭付きの物件も多く、ガーデニングを楽しんだり、子どもを遊ばせたりと、戸建て感覚で暮らせるのも魅力です。
下の階に住戸がないため、子どもが走り回る音を気にしなくて良いという点も、子育て世帯にとっては大きな利点となります。
価格も同じマンション内で比較すると安価な傾向にあります。

低層階(1~3階)に住むデメリット

低層階のデメリットとしてまず挙げられるのが、防犯面での不安です。
地上からアクセスしやすいため、窓やバルコニーからの侵入リスクが高まり、高層階以上に厳重なセキュリティ対策が求められます。

また、周囲の建物や植栽の影響で、日当たりや風通しが悪くなることがあります。
道路に面している場合は、車の騒音や排気ガス、通行人の視線が気になることも少なくありません。
さらに、地面に近いため、蚊やゴキブリなどの虫が室内に入ってきやすいという問題もあります。
これらの点は、物件の立地や周辺環境によって大きく左右されるため、現地での確認が重要です。

中層階(4~9階)に住むメリット

中層階は、高層階と低層階の長所をバランス良く兼ね備えているのが特徴です。
例えば4階や6階、9階といった階数は、低層階ほど地上の騒音や視線に悩まされることがなく、ある程度の日当たりや眺望も確保できます。
それでいて、高層階ほどエレベーターの待ち時間が長くなく、災害時でも階段での避難が現実的な範囲内です。
虫の侵入も低層階に比べて格段に少なくなります。

価格面でも高層階よりは手頃でありながら、低層階のデメリットを多く解消できるため、多くの人にとって住みやすい選択肢と言えます。
まさに「良いとこ取り」ができる階層です。

中層階(4~9階)に住むデメリット

バランスの良さが魅力の中層階ですが、裏を返せば「中途半端」で特徴に欠けるとも言えます。
高層階のような圧倒的な眺望やステータス性は望めず、低層階のような外出のしやすさや専用庭といったメリットもありません。

良くも悪くも平均的であるため、何か特定の条件に強いこだわりがある人には物足りなく感じられる可能性があります。
また、周辺の建物の高さによっては、眺望が遮られたり、日当たりが十分に確保できなかったりするケースもあります。
価格も低層階よりは高くなるため、コストと得られるメリットのバランスを慎重に検討する必要があります。

あなたにぴったりの階数は?ライフスタイル別おすすめの選び方

マンションのどの階数が最適かは、家族構成や働き方、休日の過ごし方といったライフスタイルによって大きく異なります。
これまで解説してきた各階層のメリット・デメリットを踏まえ、自分たちの暮らしの中で何を最も重視するのかを明確にすることが、満足のいく住まい選びの鍵となります。

ここでは、具体的な4つの世帯タイプを例に挙げ、それぞれにおすすめの階数とその理由を解説します。
自分たちのケースに当てはめて、最適な選択を考えてみましょう。

小さな子どもがいるファミリー世帯におすすめの階数

小さな子どもがいるファミリー世帯には、低層階、特に1階がおすすめです。
最大の理由は、子どもの足音や物音を気にせずに済む点です。
子どもが室内で元気に走り回っても、階下への騒音を心配する必要がないため、親子ともにストレスなく過ごせます。
また、ベビーカーでの外出や、たくさんの荷物を持っての帰宅もスムーズです。

万が一の火災や地震の際にも、子どもを連れてすぐに地上へ避難できるという安心感は、何物にも代えがたいメリットと言えます。
専用庭があれば、安全な環境で子どもを外遊びさせられるのも魅力です。

通勤や外出の頻度が高いアクティブな世帯におすすめの階数

仕事やプライベートで外出する機会が多い人には、移動のしやすさを重視して低層階から中層階が適しています。
朝の忙しい時間帯にエレベーターの待ち時間でイライラすることがなく、スムーズに外出できます。
帰宅時も同様で、すぐに家に入れる手軽さは日々の小さなストレスを軽減してくれます。

特に低層階であれば、階段の利用も苦にならないため、エレベーターが混雑していても時間を無駄にすることがありません。
フットワークの軽さを大切にするアクティブなライフスタイルを送る人にとっては、地上へのアクセスの良さが居住の快適性に直結します。

静かで落ち着いた暮らしを重視する世帯におすすめの階数

自宅では静かで穏やかな時間を過ごしたいと考える人には、高層階が最もおすすめです。
地上から離れているため、車の走行音や通行人の話し声といった騒音がほとんど届かず、非常に静かな環境が手に入ります。
また、周囲からの視線を気にすることなく、プライバシーが守られた空間でリラックスして過ごせるのも大きなメリットです。
窓から広がる美しい景色を眺めながら、読書や趣味に没頭するなど、落ち着いた暮らしを求める人にとって、高層階は理想的な環境を提供してくれます。

日々の喧騒から離れて、心豊かな生活を送りたい場合に最適です。

将来の資産価値を考えて選びたい世帯におすすめの階数

マンションを将来的に売却したり、賃貸に出したりする可能性を考慮するならば、資産価値が落ちにくい高層階、特に眺望の良い南向きの角部屋などが有利な選択肢となります。
一般的に、同じマンション内では眺望や日当たりに優れた住戸の人気が高く、中古市場でも高値で取引される傾向にあります。

希少性が高く、多くの人が憧れる条件を備えているため、需要が安定しているのが強みです。
ただし、1階の専用庭付き住戸など、特定のニーズに強く応える低層階の部屋も高い人気を保つことがあります。
立地や管理状態と合わせて、階数による資産性の違いを検討することが重要です。

まとめ

マンションの階数選びにおいて、絶対的な正解は存在しません。
高層階には素晴らしい眺望や静粛性といった魅力がある一方で、エレベーターの不便さや災害時のリスクという無視できないデメリットがあります。
同様に、低層階や中層階にもそれぞれメリットとデメリットが存在します。

重要なのは、これらの特性を客観的に理解した上で、自分や家族のライフスタイル、価値観、そして将来設計と照らし合わせることです。
憧れだけで判断するのではなく、通勤・通学、子育て、防災など、日々の具体的な生活をシミュレーションし、何を優先したいのかを明確にすることで、後悔のない最適な住まい選びが可能になります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
檜垣知宏:宅地建物取引士のアバター

檜垣知宏:宅地建物取引士

株式会社ライフアドバンス代表取締役の檜垣知宏です。 2014年8月に設立し、恵比寿不動産という屋号で賃貸仲介・売買仲介・賃貸管理を行う不動産業者です。 不動産業界歴15年の経験を生かし、 運営しているサービスサイトである「不動産の相談窓口」の運営者も務めております。

保有資格:宅地建物取引士

カテゴリから記事を探す